トオル君はきっと怒ってる。
振り返りもせずに戸を閉めたトオル君の姿に、傷付く資格なんてないと思っても涙が出た。
私は声を押し殺して泣いていた。
時折、隣りでトオル君が寝返りを打つ音にびくっとしながら……
私はカズトとトオル君のことを同じように愛していると思っていた。
でも、分かってしまった。
カズトにホテルで抱かれた日……
私は、強く目を瞑り……
トオル君に抱かれていた。
カズトはきっともう気付いている。
知ってて、それでも彼は夫婦と言う絆を精一杯築こうとしている。
私も赤ちゃんのために、頑張ってもっとカズトを愛そうと思った。
トオル君よりも……
残酷な私……
残酷なカズト……
私は、カズトの妹にはなれても、恋人にはなれない。
それでも、もうカズトはこの赤ちゃんのようにかけがえのないヒトなんだ。
そっと涙を拭った時、静かに襖が開いた。
「さっきはごめん……。つい、かっとなって」
トオル君が私の枕元に座った。
「そこまで、体に負担を掛けても、あいつの元に帰りたいんだね」
違うよ。
私はもうあなたにこの体に触れて欲しくなかったの……
何度も、何度も、私はあなたの側にいる資格がないと思い知らされるのがつらいから、逃げたの。
全ての想いを飲み込んで、私は頷いた。
「そうか。君は片岡をやっぱり愛しているのか……」
住む世界が違うトオル君。
トオル君には絶対相応しい女性が現われるから。
だから、私のことはもう忘れて……
そして、そのまま私の想いに気付かないでいて……
私はさっき危うく「YES」と答えてしまいそうになった、身の程知らずな自分を恥じた。
「……うん」
「そうか」
トオル君は優しく私の頭を撫でると、部屋へ戻っていった。
トオル君……
トオル君……
あなたにはキラキラとした未来が……、私とは違う未来がある……
私はあなたを愛しているって言わない
あなたを心から愛しているから……
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私は声を押し殺して泣いていた。
時折、隣りでトオル君が寝返りを打つ音にびくっとしながら……
私はカズトとトオル君のことを同じように愛していると思っていた。
でも、分かってしまった。
カズトにホテルで抱かれた日……
私は、強く目を瞑り……
トオル君に抱かれていた。
カズトはきっともう気付いている。
知ってて、それでも彼は夫婦と言う絆を精一杯築こうとしている。
私も赤ちゃんのために、頑張ってもっとカズトを愛そうと思った。
トオル君よりも……
残酷な私……
残酷なカズト……
私は、カズトの妹にはなれても、恋人にはなれない。
それでも、もうカズトはこの赤ちゃんのようにかけがえのないヒトなんだ。
そっと涙を拭った時、静かに襖が開いた。
「さっきはごめん……。つい、かっとなって」
トオル君が私の枕元に座った。
「そこまで、体に負担を掛けても、あいつの元に帰りたいんだね」
違うよ。
私はもうあなたにこの体に触れて欲しくなかったの……
何度も、何度も、私はあなたの側にいる資格がないと思い知らされるのがつらいから、逃げたの。
全ての想いを飲み込んで、私は頷いた。
「そうか。君は片岡をやっぱり愛しているのか……」
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だから、私のことはもう忘れて……
そして、そのまま私の想いに気付かないでいて……
私はさっき危うく「YES」と答えてしまいそうになった、身の程知らずな自分を恥じた。
「……うん」
「そうか」
トオル君は優しく私の頭を撫でると、部屋へ戻っていった。
トオル君……
トオル君……
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