フラワーガーデン

ようやく再会したハルナとトオル。
2人の下す決断は?

ヤキモチ

2005年11月15日 20時23分50秒 | 第7章 恋愛後朝編~ハルナの章~
私は横目でそろりとかずにぃの顔を見た。
かずにぃはにっこりと微笑んだ。

私は直感した。
わざと、着けなかったんだ。

「ハルナ、今度、マジで旅行しよ」
見送り先の玄関でかずにぃはさっきの話を無視するかのように旅行のプランを話し始めた。
「・・・私、行かない」
「何で?」

私は上目遣いでかずにぃを無言で責めた。
「分かったよ。これからはあーゆーやばいことはしないよ」
「気付いててするなんて・・・」
「へぇー」
かずにぃは明らかに嬉しそうだった。
「何?」
私は更にむっとした。
「気付かない位、夢中だったなんて光栄だなぁ~」

私は初めてかずにぃをぐーで殴った。
「いってぇー。なんで、お前までぐーで殴ることないだろぉ!」
かずにぃは左頬を押さえながら大声で叫んだ。
「ふーん。お前までって・・・、今まで他の女の人にもグーで殴られたんだ」
私はますますムカムカしてきた。

「いや。殴られたのは、年寄りのヤブ医者・・・。
まぁ、お前にもいつか紹介するよ」
そう言うと、「・・・ヤキモチ妬かれんのも、いいもんだな」
と、嬉しそうに笑った。

私がまたかずにぃをグーで叩こうとした時、かずにぃはその手を掴み、私の体を引き寄せると軽くキスをした。

「オレは、あいつのことを半分思うお前に滅茶苦茶ヤキモチ妬いてるよ。
あいつには絶対渡さないからな」

私は改めてこの体に刻まれたかずにぃの重みを感じずにはいられなかった。


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謝罪

2005年11月15日 07時54分46秒 | 第7章 恋愛後朝編~ハルナの章~
私は、再び寝息を立てて眠るトオル君の水枕とタオルを替えると、かずにぃのいる部屋へ向かった。

「かずにぃ。私帰るね」
「どした?急に」
「うん。ちょっとね」

それだけで、かずにぃは全てを察したらしく、
「俺も行くよ」と言って席を立った。
「え?!いーよ。私自身のことだし・・・。これ以上、かずにぃにメーワクかけらんないよ」
私が手をパタパタさせながら、断わると、
「迷惑じゃないよ」
と、言ってその大きな手で私の頭をクシャクシャにし「行くぞ」と言った。

家に帰るとママは玄関で仁王立ちになっていた。
かずにぃは家に入るなり「すみません」と頭を下げた。

ママは、厳しい顔で、
「幾ら二人のことを認めたからと言ってこういう節度がないのは困るの。
分かるでしょ」
かずにぃは、「はい。すみません」と、ただひたすら謝った。

かずにぃの真摯な態度に幾分ママの態度も軟化してきた。
そして、私たちをリビングに通すと、コーヒーを煎れて、切り出しにくそうに言った。

「ハルナはまだ幼くて周りが見えないまま、突っ走ってしまうこともあると思うの。
だから・・・。かずとさん、あなたがしっかりして頂戴・・・」
「・・・・・・」
かずにぃは黙って頭を下げた。
「それから・・・、これは言いにくいことなんだけど・・・・・・、ちゃんと避妊して頂戴」
「ママ!」
私は顔から火が出るという思いを初めて体験した。
だけど、ママは毅然とした態度を崩さなかった。

ママのバカ!
なんでそんなこと言うの!
かずにぃ、引いちゃうじゃん!!

私は、心の中でママの言葉を非難した。
だけど、かずにぃは、
「分かりました。今後、気を付けます」
「かずにぃ・・・・・・」
私はかずにぃの言葉に胸が熱くなった。

ママは漸くほっとしたようでかずにぃにコーヒーを勧めた。

私も落ち着いて、コーヒーを一口飲んだ。
そして、その時、ふと昨夜のことを思い出した。

・・・・・・昨日の夜、私達は避妊をしていなかった。


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