フラワーガーデン

ようやく再会したハルナとトオル。
2人の下す決断は?

夜更け

2005年11月14日 22時04分30秒 | 第7章 恋愛後朝編~ハルナの章~
「かずにぃ。有り難う」
かずにぃは黙って頷いた。

あれから私はかずにぃに助けを求めた。
かずにぃは倒れているトオル君を見ると驚いたものの、彼を支えるようにして、自分の部屋まで連れて行ってくれた。

「オレのパジャマはいつものとこに入ってるから持ってきて」
かずにぃはトオル君をベッドに仰向けに寝かせると私に幾つかの指示をした。
そして、「後は俺がやるから」と、私を部屋から出すと、トオル君を手早く着替えさせた。

かずにぃはトオル君の顔を見ながら、小さく溜息をつきながら
「こいつ、本当にお前のこと好きなのな」
と、いかにも呆れていると言った口調で言った。
「え?」
「だってさ。お前がオレに抱かれたなんて聞いたその日だぜ。
それでもやっぱり好きなんて言えるなんてさ・・・。
よっぽどのバカか、よっぽどお前のこと好きじゃないと言えないよな。
・・・オレだったら、わかんねぇ。
オレが逆の立場だったら・・・。少なくとも、正気じゃいられない。
・・・八つ裂きにするかもな。こいつを」

かずにぃは静かに笑うと、
「オレはオヤジ達の部屋でレポート書いてるから。何かあったら呼んで」
と、言って部屋を出た。

さっきまで、ひどく降っていた雨も小雨に変わっていた。
静かに夜が更けて行く・・・。

「39.7度か」
トオル君の熱はなかなか下がりそうになかった。
私は、彼のベッドの横で、顔を伏せると、
「ごめんね」と、言った。
すると、彼の手が私の頭を優しく撫でた。

「トオル君・・・」
私が顔を上げると、トオル君は優しく微笑んだ。

その時、私のケータイが鳴った。
「ハルナ!どこに行ってるの!!」
私は「直ぐ帰る」とママに言って出掛けたことを思い出した。

「今、かずにぃの家で・・・」
私がそう言うと、
「今日は片岡さん家はかずとさんだけでしょ!帰ってらっしゃい!!」
と、物凄い剣幕で怒っていた。


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