僕はダクトを伝いながら無事雑木林のある裏庭へと出た。
まるで戦場のようになった研究所からは銃声と爆音が聞こえてくる。
「待ってて!ジョージ」
僕は雑木林の中を街目指して駆け降りていった。
林を途中まで抜けたところで、サイレンを鳴らしながらパトカーや救急車が丘陵を登っていくのに遭遇した。
誰かが通報してくれたんだ!
僕は急いで研究所へ戻り始めた。
研究所からはくすぶった煙が何箇所も立ち上っていた。
そこここに人が倒れていた。
僕は急いで厨房を目指した。
その時、オレンジ色の袋に包まれた遺体が数体、ストレッテャーに乗せられて運び出されているところだった。
「まさか・・・!」
胸騒ぎを覚えた僕は厨房へと急いだ。
僕が厨房の扉を開けたとき、今にもジッパーが閉じられようとしている袋の隙間から金髪が覗いているのが目に飛び込んできた。
僕は転びそうになりながら、その元に駆け寄った。
「ジョージ!しっかりして!!」
僕はジッパーを下まで降ろすと、すぐさま脈を取り、瞳孔反応を確認した。
「何やってるんだ!」
救急隊員は僕を脇から抱えて、ジョージから引き離した。
「僕は医者だ!」
そう叫ぶと、研究所のIDカードを見せた。
彼らは驚いた様子でお互い顔を見合わせ、
「君、医者って、どう見ても10歳位の子供じゃないか」と笑い出した。
そこへ顔見知りのドクターが駆けつけて、「Dr.フジエダ、ご無事でしたか!」と僕の無事を喜んでいた。
だけど、ストレーチャーの上のジョージの遺体を見ると、憐れみの涙を浮かべ十字を切った。
「失礼しました。さぁ、君も早く救急車に乗りなさい。怪我をしているじゃないか」
と、1人の救急隊員に促された。
僕はその時、初めて目から血が流れ出していることに気付いた。
病院に着くと、僕は左眼の応急手当を受けた。
ジョージはモルグで検死を受けていた。
「Mr.アンダーソン」と言う名前は偽名だったらしく、彼が収容されたモルグを特定できるまでかなりの時間を要した。
僕が再び彼に会えたのはその日の深夜だった。
太腿からの大量の出血によるショック死だった。
・・・彼は止血をしなかったんだ。
なぜ・・・・・・
「嘘つき!ジョージ!!待つって!待つって言っただろぉ!!」
僕はすっかり冷たくなったジョージの体を何度も叩いた。
泣いて泣いて泣き疲れて床に崩れ落ちた時、僕は一枚の紙が落ちていることに気付いた。
僕はその紙を拾った。
裏紙の感触からそれが写真であることがわかった。
おもむろにその写真を表に返して、僕は「あっ!」と叫び声を上げ、言葉を失った。
そこに写る女性はパパの書斎にあった写真と全く同じ人物だった。
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まるで戦場のようになった研究所からは銃声と爆音が聞こえてくる。
「待ってて!ジョージ」
僕は雑木林の中を街目指して駆け降りていった。
林を途中まで抜けたところで、サイレンを鳴らしながらパトカーや救急車が丘陵を登っていくのに遭遇した。
誰かが通報してくれたんだ!
僕は急いで研究所へ戻り始めた。
研究所からはくすぶった煙が何箇所も立ち上っていた。
そこここに人が倒れていた。
僕は急いで厨房を目指した。
その時、オレンジ色の袋に包まれた遺体が数体、ストレッテャーに乗せられて運び出されているところだった。
「まさか・・・!」
胸騒ぎを覚えた僕は厨房へと急いだ。
僕が厨房の扉を開けたとき、今にもジッパーが閉じられようとしている袋の隙間から金髪が覗いているのが目に飛び込んできた。
僕は転びそうになりながら、その元に駆け寄った。
「ジョージ!しっかりして!!」
僕はジッパーを下まで降ろすと、すぐさま脈を取り、瞳孔反応を確認した。
「何やってるんだ!」
救急隊員は僕を脇から抱えて、ジョージから引き離した。
「僕は医者だ!」
そう叫ぶと、研究所のIDカードを見せた。
彼らは驚いた様子でお互い顔を見合わせ、
「君、医者って、どう見ても10歳位の子供じゃないか」と笑い出した。
そこへ顔見知りのドクターが駆けつけて、「Dr.フジエダ、ご無事でしたか!」と僕の無事を喜んでいた。
だけど、ストレーチャーの上のジョージの遺体を見ると、憐れみの涙を浮かべ十字を切った。
「失礼しました。さぁ、君も早く救急車に乗りなさい。怪我をしているじゃないか」
と、1人の救急隊員に促された。
僕はその時、初めて目から血が流れ出していることに気付いた。
病院に着くと、僕は左眼の応急手当を受けた。
ジョージはモルグで検死を受けていた。
「Mr.アンダーソン」と言う名前は偽名だったらしく、彼が収容されたモルグを特定できるまでかなりの時間を要した。
僕が再び彼に会えたのはその日の深夜だった。
太腿からの大量の出血によるショック死だった。
・・・彼は止血をしなかったんだ。
なぜ・・・・・・
「嘘つき!ジョージ!!待つって!待つって言っただろぉ!!」
僕はすっかり冷たくなったジョージの体を何度も叩いた。
泣いて泣いて泣き疲れて床に崩れ落ちた時、僕は一枚の紙が落ちていることに気付いた。
僕はその紙を拾った。
裏紙の感触からそれが写真であることがわかった。
おもむろにその写真を表に返して、僕は「あっ!」と叫び声を上げ、言葉を失った。
そこに写る女性はパパの書斎にあった写真と全く同じ人物だった。
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