フラワーガーデン

ようやく再会したハルナとトオル。
2人の下す決断は?

コンフィデンシャル

2005年11月24日 21時27分01秒 | 第8章 恋愛鼓動編
キンケイドはジョージのクライアントを調べると言った。
ジョージのことを調べれば、きっと僕の秘密についても明らかになるだろう。
そう楽観していた。

彼からは1年毎に報告があったが、これといった情報は掴めず調査は難航していたようだった。
そして、4年経ったクリスマスの日、キンケイドが僕の家の門前に雪だるまのように立っていた。
「メリークリスマス!トール」

僕は彼の突然の訪問に驚いたものの、家へ招き入れた。
両親には、大学院の先輩だと偽って・・・・・・。
母はキンケイドと以前会っていたので、僕は内心ドキドキしたが、「どちら様ですか?」と言う言葉に安堵した。

「クリスマスプレゼントだ」
部屋に入るなり彼はテーブルの上に、小さな箱を置いた。
「これは一体なんですか?」
その小さく軽い箱を手に取ると、僕は彼の答えを待った。
「開けてみろよ。・・・残念だが、入ってるのは指輪じゃないぜ」
僕は軽く笑うと蓋を開けた。
「空っぽ・・・・・・?!どういうことですか?」
キンケイドは答えなかった。

「オレは、ずっとジョージのことを調べてきた。しかし、決まって出てくる文字は『confidential』さ。
ヤツが何をしていたのか・・・・・・。
表面的な書類はあるが、そこから先は全てがコンフィデンシャルなんだ」

僕は落胆しながらも彼の言葉に耳を傾けた。
「オレは以前、お前に言っただろう?!合衆国政府はお前達を匿っているって」

キンケイドは何を言っているんだ?
なぜ、政府が僕を匿う必要があるんだ?
僕はそれが彼の言い掛かりに過ぎない、気のせいだと言った。

すると、彼はテーブルに手をつくと身を乗り出して、首を振り、話を続けた。
「お前は知っているのか。かつてのアシュケナード・・・」

彼がそう言い掛けた時、扉を叩く音がした。


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