フラワーガーデン

ようやく再会したハルナとトオル。
2人の下す決断は?

追い詰められて

2005年11月03日 01時29分19秒 | 第6章 恋愛聖夜編~ハルナの章~
「ただいま~」
学校から帰るなり私は部活で疲れた体をソファに投げ出した。

「お帰り」
私は聞き覚えのある男のヒトの声にはっとして、ソファから飛び起きた。

「か、かずにぃ!どうしてここにいるの?」
「オフクロがハルナにって、夕飯を持ってこさせたんだよ。俺に」
「おばさんが・・・?そう言えばママは?」
「・・・オフクロとおばさんと、二人で芝居を観に行ったよ。
帰るのは10時くらいだってさ」

まさか、それまで二人きり・・・?
私は身構えると、じりじりとかずにぃから少しずつ離れようとした。

「おーい。そういう態度、傷付くんですけど。・・・露骨に逃げようとすんなよ」
そう言って、かずにぃはソファに腰を下ろし、私の隣りに座った。
「久し振り」
「・・・お久し振りです・・・」
「だーかーらっ!フツーにしろって。フツーに」
「・・・・・・」
「・・・っても、無理か」

どうして、かずにぃといると私はギリギリまで追い詰められるような気がしてしまうんだろう。
かずにぃといると、ゆとりのない自分に気が付く。


長い、絶え難い位、長い沈黙が続いた。




「・・・ハルナ。お前さ、いつから俺の事、好きだった?」
かずにぃが両手で顔を覆いながら聞きにくそうに尋ねた。

「いつって・・・分かんない。気付くと、好きになってたから・・・」
声がかすれて上手に言葉が繋がらない。

「2年前に何を見た?」
かずにぃの声が震え、緊張しているのが伝わってきた。



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