フラワーガーデン

ようやく再会したハルナとトオル。
2人の下す決断は?

忍び寄る不安

2005年11月30日 22時45分04秒 | 第9章 恋愛翻弄編
「あいつさ。着けるのすんごい嫌がったんだよね。
散々、ナマでやっておいて、んで、出来たらポイなんて・・・・・・」
トモは悔しそうに声をあげて泣いた。

「お、落ち着いて!トモ!!」
っていうか、私も落ち着かなきゃ・・・・・・。
一体、こういう場合、どうしたらいいんだろう・・・・・・。
単なる女子高生にこの現実は苛酷過ぎる。

「と、とにかく病院に行こう!ちゃんと調べようよ」
「行くって、どこに?」
「えーと、産婦人科?かな?」
「そこでいいの??」
「・・・多分・・・・・・」
そんなこと実は私だって知らない。

「でも、私、こんなこと誰にも知られたくない!」
トモは顔を覆って、泣きじゃくった。
「私、知っちゃったんだけど・・・・・・」
「あんたは親友でしょ?なんか知恵を貸してよ」
知恵貸してって言われても。

「そうだ。まだ医者の卵だけどかずにぃに相談してみる?」
「カズトさんには知られたくないよ!」
しまった。
そう言えば、かずにぃは、トモの憧れのヒトだって言ってたっけ。
・・・どうしよう。他に、あてなんてない。

「うーん、密かに診て貰える産婦人科なんて知らないし・・・」
そう言い掛けて私ははっとした。
そう言えば、以前トオル君に貰った電話番号・・・あれは産婦人科だったような気がする。
○○産婦人科医院って言ってたような気がする。

「トモ、ひとつだけ知ってるところがある。行ってみよ!」
私は渋るトモに、一生懸命説得した。
「一応、診て貰おうよ。違うなら違うで安心するし、もし、そうじゃなかったら・・・・・・」

あれ?えーっと、どうしたらいいんだろう。
考えが・・・言葉が・・・浮かばない。
そんなこと考えたこと、なかった。
結局、私も、泣きじゃくるトモをただ抱きしめることしか出来なかった。


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