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趣味いろいろ。2014/9に別ブログを合体したので、渾然一体となってしまいました(笑)

Spy in Chancery : 余談その3

2008-12-07 08:43:24 | Athelstan・Doherty
3巻でコーベットの上司となったイングランド王エドワード1世が,あの手この手を使っていろいろ操作しているスコットランド王国についてです。

2巻で,名君アレキサンダー3世を事故で失い,国民の皆さんはさぞかし不安だったろうと思います。その後何が起きていたかというと,アレキサンダー3世と前妻マーガレット(エドワード1世の妹)との間にマーガレットという王女がいて,ノルウェー王家に嫁いでいましたが,そこにまたまた(^^;)マーガレットという娘がいたんですね。当時4歳位だったその女の子は,エドワード1世のワガママ(笑)で無理やり女王になりました。その後,幼い女王様はスコットランドに渡る事になりましたが,何と旅の途中,海難事故(船酔い説も)で亡くなってしまうんですね。その他に正統な跡継ぎがなかった為,13人の候補が乱立。ここでまたエドワード1世のワガママで王位に就いたのがジョン・ベイリオル。しかし,彼はイングランドを裏切る事(^^;)に失敗,ちょうどコーベットがウェールズに調査旅行していた頃,エドワード1世に蹴散らされ,廃位されてロンドン塔に押し込められてしまいます。

余談ですが,当時のノルウェー王家は,「Fairhair」王朝。何か,エルフみたい(^o^)でございます。

で,その後,しばらくスコットランドは王様不在となってしまいますが,やがて2巻でコーベットが面会したこわもてのおっさんの同名の孫ロバート・ブルースが1306年ようやく空位を埋めます。

その後もエリザベス1世の時代にメアリー女王が首を刎ねられるというショッキングな事件に見舞われるスコットランドですが,実は,スコットランドの王家の歴史はスゴイ!(汗)こちらの本を読んで,いろいろ勉強しました。

スコットランド王国史話 (中公文庫)スコットランド王国史話 (中公文庫)
価格:¥ 1,050(税込)
発売日:2002-03


元々この国の王位の継承方法が変わっていて,王家の親類一同の中から最も優れた者を選ぶタニストリーというシステムで,毎回大勢の候補の中から選ばれていたようです。現代なら有効そうなシステムですが,バーバリアンの時代にこんなシステムがうまく作動するとは思えませんな。(笑) これが王座を狙う者同士の争いを招き,何と,9世紀から11世紀まで約200年間,このシステムが廃止されるまで,王様の9割位の確率で血で血を洗う親族同士の凄惨な争いという運命に見舞われます。

タニストリーの廃止を最初に提案,王位は直系の長男が継ぐべきものと試みようとしたのはマルコム2世という王様だそうです。彼自身は息子がなかったので自分の孫に強引に王位を継がせます。まあしかし,先祖代々のシステム,最初からそううまくいくはずはありません。最初に試練に立たされた孫の名はダンカン1世。はい,この名前を聞いたらもうキタ~~~~~!(爆)ですよね。映画か舞台で見るなら豆兄貴顔がとても似合いそうな(爆)あの男がやって参ります。マクベス。実在のスコットランド王なんですね。

でも,あの話は決して特殊な話ではなく,元々スコットランド王家代々に引き継がれた,お約束(汗)だったんですねぇ。。

とはいえ,ダンカン1世の子孫がマクベスに反発の狼煙を上げまたしても同じ悲劇が。。。でも、まあ、少しずつ,直系の子孫が継ぐ形が認められるようになり,王様が生涯を全うする率も上がっていたのでした。(^^;)


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