北川竜二で、「アレは何したので・・・」でした。

脳内で文章を作った時点で書くのが億劫になってしまうのですが、それでも時々書きます。

続き13

2006-02-12 03:59:09 | Weblog
時間は夜中になり、電話は繋がらないかと思ったが携帯の向こうから声が聞こえた。事情を説明する。が、うまく伝わってないようだ。なんせぶつけられた本人が電話しているのだ、ピンと来ないのだろう。それでも暫く会話を続けていると得心したようで了解してくれた。
電話を切り次はどちらにしようと考えていると窓の向こうが赤く染まった。また一人運ばれたようだ。既に応急処置されたのだろう、女性が入ってきた。歩ける所を見るとさして悪くはないのか…しかし怪我は頭だった。
メモを取り出し警察に連絡する。係りの者は別の事故処理で出払っているという。また連絡すると言って電話を切る。職場の上司と連絡を取る。向こうの第一声が何時に来れる、との言葉に少しキレる。連れの反応と一緒だ。本人が電話しているのだ、無事だと思ったに違いない。しかし台風のさなかでの事故だ、どちらにせよ身体の無事を確認するだろう。被害者のエゴだろうか。言葉が荒くなったがこれから警察に行かなくてはならない事、雨でずぶ濡れで着替えがない事、診察結果など諸々説明し働けない事を告げる。電話の切り方がなんだか渋々と言った感じだった。
再び警察に連絡するが不在。ここにいても仕方がないからとりあえず警察に移動しようか…
窓が再び赤くなる。こんな日は事故が多いんだな…ここにいても仕方がない気がしてきた。移動しよう。身支度をする。雨を吸ったカバンはいつも以上に重く感じる。折れた傘は外の状況には耐えれそうにない。何より警察まで歩くのは嫌だった。
出口に向かう。処置室のような部屋に患者が寝ていた。足を怪我したようだ。携帯で何処かに連絡している。
外に出ると依然台風の勢いは衰えを知らず、むしろきつくなっている。やはり歩くのは無理だ。目の前に信号待ちのタクシーが見えた。急いで飛び乗り行き先を告げる。ふとすれ違う車を見ると救急車だった。
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