
2021年9月16日(木)発行の「岩手日報」の「いわてを食べよう」という連載コーナーに、”共生社会、持続可能社会 エゴマ価値を再評価 在来種受け継がれて”という見出しの記事が掲載されています。(岩手大名誉教授、盛岡市在住)
私が5歳の時(昭和19年7月頃)、空襲されるようになったため、それまで住んでいた福島県安積郡富久山町久保田(現在は郡山市)から、福島県田村郡岩江村(現在は郡山市西田町)にある母の生家に引っ越しました。父は出征していましたので、母と姉と私と乳児の弟の4人でした。
母の生家は純農家で、未だ祖母が元気で働いていました。ソバ(蕎麦)やアズキ(小豆)、ゴマ(胡麻)などと共に「じゅうねん」と呼ばれていたエゴマ(荏胡麻)も祖母が一手に引き受けて栽培していました。未だ幼かった私ですが、小学校に入るまでは、毎日のように祖母と一緒に畑に行っていました。
このエゴマはシソ科の1年草で、葉や花はシソ(紫蘇)とよく似ています。5月下旬に種をまき、9月には開花の時期を迎えます。実の収穫は9月下旬ごろで、葉が3分の2ほど黄変し、実がはじけ始めたら根元から刈り取り、乾燥させ脱粒します。
実には独特の芳香と野性的な味があり、栄養成分では、脂質に加えてカルシウムや鉄、亜鉛などのミネラルも豊富に含前ています。
エゴマは、日本では縄文時代から栽培され、長年、食べられてきたようですが、品種改良はほとんど行われなかったとのことです。主な産地は、岩手県や福島県などですが、各産地には代々伝えられてきた在来種があり、それぞれの気候に適し、品質や収穫量も良いことから、継続して栽培されてきました。岩手県の県北地域にも白種と黒種といわれる在来種があります。
実をそのまま食べる場合には、皮が白くてやや大粒な白種、油を搾るなら黒種が良いと言われていました。食用に加えて、油は雨傘の防水にも使われ、搾りかすは肥料や家畜の飼料となるなど、生活の必需品だったとのことです。...(菅原悦子さんの文章から)


























エゴマ(荏胡麻) シソ科 シソ属 Perilla frutescens
東南アジア原産の1年草。今はあまり栽培されないが、野生化したものが各地に見られる。種子から採る油が荏油(えのあぶら)で、日本でも古くから栽培された。荏油は灯火用のほか、油紙や雨傘、提灯などの防水用に使われた。茎は四角形でよく枝分かれし、高さは60~90㎝になる。茎や葉には白い毛があり、全体に特有の臭気がある。葉は対生し、長さ7~12㎝の卵円形で、先は尖り、縁には鋸歯がある。花期は8~10月。白い小さな唇形花が穂になって多数つく。[山と渓谷社発行「山渓ポケット図鑑3・秋の花」より]
今でもテーブルや床の木目に沿って布巾や雑巾を使う事、近隣の方への挨拶など繰り返し言われた事例に遭遇すると祖母を思い出します。大層かわいがってもらった記憶があり大好きでした。
おばあちゃん子は三文安いと言われてしまいますが。
エゴマ油は最近身体にいいと取り上げられていますね。
私もなるべく合成したようなサラダ油は避けるようにしていますのでセールの時に高価ですがエゴマを購入する事もあります。
韓国料理の焼肉を巻く為にエゴマの葉が出て来る事があります。
本当に紫蘇に似ていますね。
硬くて独特の香りもあって正直苦手なんですが栄養価が高いんですね!
エゴマの実を擂鉢に入れて良く摺ってから、砂糖や醤油で味付けしてから、モチに絡げて食べさせてくれました。懐かしいです。