peaの植物図鑑

和井内和夫著『盛岡藩の戊辰戦争』を読む! 2016年11月25日(金)

 

2016年11月25日(土)、何日か前から読み始めた和井内和夫著『盛岡藩の戊辰戦争終章~幕末の動乱から東北の強兵まで』&『続・盛岡藩の戊辰戦争~幕末の動乱と東北戦争』(盛岡タイムス社・発行)を読み終えました。「盛岡藩が、閏4月に始まった東北戊辰戦争が峠を越えた8月になってから、すでにどう見ても敗色濃厚と思われた奥羽越列藩同盟側について参戦したのはなぜ?」と疑問に思っていたのですが、著者の見解が述べられています。

https://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%A5%A2%E5%B1%B1%E4%BD%90%E6%B8%A1[楢山佐渡:Wikipedia]

http://blogs.yahoo.co.jp/syory159sp/27134939.html[盛岡藩主席家老楢山佐渡の墓(歴史)-奥羽★温故知新-Yahoo!ブログ] 

 盛岡タイムス社、2012年4月15日 初版第1刷発行

盛岡タイムス社、2010年2月25日 初版第1刷発行。

第4章 盛岡藩の情勢判断:余談の3 仙台藩の勤皇派(117ページ)

 藩内意見の紛糾は、小藩に限ったことではなく仙台藩も同様で、閏4月20日の鎮撫総督府参謀世良修蔵の暗殺以後、東北諸藩を糾合して薩長に武力対抗するという方向が決まる前は、九条鎮撫総督の命令に従って会津藩を攻撃すべしという意見と、九条鎮撫総督と会津藩の間に入りその宥恕を図るべしという意見があり、そしてその背景にはいろいろな思惑があったことは前に書いたとおりである。

 仙台藩で戊辰戦争に関連して名前がよく出てくる、但木土佐・坂英力・そして世良暗殺の実行者姉歯某などが対薩長主戦派である。

 それに対し数少ない勤王派の代表が三好監物である。三好は仙台藩若年寄で、戊辰戦後薩長藩閥政府により顕彰されている。

 黄海(今の岩手県一関市藤沢町の大字)の領主と称されているが、そこに知行地があったということであろう。

 戊辰政変に際しては、薩長藩閥政府に対抗することを否と考えていたが、権威や権力の本質について独自の考えを持っていたようで、無条件に会津藩武力討伐を是としていたわけではなかったようである。

 その考えの基になっていたものであるが、盛岡藩の楢山と同様相当期間京都に滞在しているので、その時の見聞や他藩人との交流から視野が広くなり、事態を客観的に見ることができ、思考に柔軟性があったということであろう。また但木土佐楢山などとは違い、いわゆる門閥の出ではないこともその考えに影響していると思われる。

 会津藩宥恕嘆願が総督府から却下され、藩論が薩長藩閥政府と武力対決という方向に変わったことにより藩政から退けられ、その後反対派の糾弾を受け自死した。

(注1)但木土佐 仙台藩家老。3月の九条鎮撫総督の仙台入り以来藩を主導してきた。仙台藩の反薩長論者の中心であったと言われ、楢山が京都の帰り仙台に立ち寄った際、一度ならず話し合ったと伝えられている。7月25日の更迭されているので、仙台藩は事実上その時点で方向転換したと考えてもいいであろう。権力者が失脚するということは、本人にとっては”寝耳に水”であっても、それまでになんらかの底流があったはずである。福島方面での頽勢が明らかになった7月中旬には、仙台藩の内部でなんらかの変化が起きていたのであろう。

 その当時の仙台藩内は、但木・坂などそれまでの主流派のほか、徹底抗戦派、それまで鳴りを潜めていた勤王派、また引き続く敗戦により台頭してきた和平恭順派などにより主導権争いが起き相当混乱していたようである。敗戦後、楢山と同様刎首の刑に処せられた。

 https://ja.wikipedia.org/wiki/%E4%BD%86%E6%9C%A8%E5%9C%9F%E4%BD%90

[但木土佐:Wikipedia]

http://www11.plala.or.jp/hutatsuya/tadaki-tosa.html [但木土佐]

http://mitinoku.biz/hist_walk/hist_miyagi/?p=4137 [但木土佐の墓:みちのく悠々漂雲の記/宮城県] 


今年の3月で85歳の「後期高齢者」。花や木の実、特に山野草が好きで何時もデジカメを持ち歩いています。

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