2018年6月12日(火)、一関市大東町の渋民市民センター主催の「平成30年度室蓬カレッジ現代文学講座」の第1回が開催されました。(9:30~11:30時)テーマは”岩手にゆかりの芥川賞、直木賞受賞作品を読む”。この回は沼田真佑氏の「影裏(えいり)」。
師は川崎町在住の内田正好先生(一関市文化会議所理事長、元一関一高校長、市教育委員など)。
2018年6月12日(火)、一関市大東町の渋民市民センター主催の「平成30年度室蓬カレッジ現代文学講座」の第1回が開催されました。(9:30~11:30時)テーマは”岩手にゆかりの芥川賞、直木賞受賞作品を読む”。この回は沼田真佑氏の「影裏(えいり)」。
師は川崎町在住の内田正好先生(一関市文化会議所理事長、元一関一高校長、市教育委員など)。
(上)講師の村上徳一先生。
2018年2月21日(水)、一関市東山市民センター:主催、東山図書館:共催の「平成29年度東山文学講座」(毎
週水曜日、全4回、10:00~12:00)が、東山地域交流センターの2階会議室で始まりました。今回のテーマは、
『笑話・わらいばなし』。講師は村上徳一・先生(千厩町在住)。テキストは、安楽庵策伝・編『醒睡笑(せいす
いしょう)』、『笑府』など。初日は、配布されたB4判16枚16ページのプリント[テキストは、角川文庫、鈴木棠
三(すずき・とうぞう)校注『醒睡笑』(上・下)]により解説されました。
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『醒睡笑(せいすいしょう)』について:浄土宗の説教僧であり誓願寺(せいがんじ)法主の安楽庵策伝(あんらく
あん・さくでん)が編纂した作品である。そして一千余話(全八巻八冊・千百三十余話)という膨大な話数を収める
江戸時代初期の笑話集。近世笑話集を代表する作品でもある。作品には中世説話にみる笑話に近世初期の笑話を加え、
さらに策伝自らが創作したと思われる笑話も収めている。のちの近世笑話集や小咄(こばなし)集に影響を与えたこ
とでも知られる。
作者 安楽庵策伝(あんらくあん・さくでん)略伝:策伝は僧侶として一生を過ごした人物として知られる。笑話を
蒐集する土壌は、はやく小僧時代から培われたと序文にも記しているが、文学的活動は入寂までの19年間に限られて
いる。すでに関山和夫の『安楽庵策伝 咄の系譜』(これを増補して改題したものが『安楽庵策伝和尚の生涯』)と
『説教の歴史的研究』、鈴木棠三の『安楽庵策伝ノート』に詳細な伝記考察が見られる。)
●天文23年(1554)美濃国で生まれる。姓は金森、俗名は不詳。浄土宗西山派の僧。説教僧。策伝、日快、然空日快、
然空策伝日快、日快策伝上人、安楽庵、前誓願安楽庵老などと名乗った。
●永禄3年(1560)7歳、美濃国浄音寺で策堂文叔(教空)に師事して策伝と号した。
●永禄7年(1564)11歳、山城国京都東山禅林寺の智空甫叔に学び、然空日快と号した。浄土変曼荼羅、観経曼荼羅事
相教旨を覚える。[天正4年(1576)織田信長が安土城を築く。)]
●天正6年(1578)25歳、山陰へ布教の旅に出て、備後、備中、安芸、備前国での15年の布教活動をする。[天正13年
(1585)豊臣秀吉が関白になる。]
●文禄3年(1594)41歳、和泉国堺正法寺十三世住職となる。(「椿」の変わり種を集める。)
●慶長元年(1596)43歳、美濃国浄音寺二十五世住職となる。[慶長7年(1600)関ヶ原の戦]
●慶長18年(1613)60歳、山城国京都誓願寺五十五世住職となる。
●元和元年(1615)62歳、板倉重宗京都所司代に笑話を話しはじめる。
●元和2年(1616)63歳、清涼殿で曼荼羅を進講する。(この年、徳川家康が没する。)
●元和5年(1619)66歳、紫衣の勅許を得た。
●元和9年(1623)70歳、住職を退き、誓願寺境内の塔頭(たっちゅう)竹林院の茶室安楽庵に住まいを移す。
「安楽庵」と号し、庭園・茶道を楽しむ。同年に『醒睡笑』が完成、序文を記す。
●寛永5年(1628)75歳、『醒睡笑』8冊を板倉重宗京都所司代に献上する。
●寛永7年(1630)77歳、100種の椿の花の形状、名称、和歌など記す『百椿集(ひゃくちんしゅう)』をまと
める。[作者の生前、寛永年間に京都で『醒睡笑』の約七百話の抄本が出版された。)
●寛永8年(1631)78歳、この年から4年をかけて諸家と贈答した狂歌、俳諧をまとめた「送答控」(「策伝和尚
送答控」)を残す。[関白・近衛信尋、烏丸光広、小堀遠州、伊達政宗、松永貞徳、林羅山と交流があった。]
●寛永11年(1634)81歳、伊達政宗に『自撰家集』(「送答控」の抜粋)を献上する。
●寛永19年(1642)89歳、正月8日、入寂。[正保元年(1644)中国で明が滅び、清が支配する。]
(上)より理解を深めるために購入した講談社発行、安楽庵策伝・編、宮尾與男・訳注『醒睡笑(全訳注)』
(講談社学術文庫2217、定価:本体1800円+税)の表紙カバー図版:『古今はなし揃』巻二(夕霧軒文庫・
宮尾しげを記念會所蔵)。
この絵は、この文庫本の133ページに記載されている下記の文章のものと思われます。
56 小僧あり。小夜ふけて。長棹をもち。庭をあなたこなたふりまはる。坊主是を見つけ。それは何事をするぞと
とふ。空のほしがほしさに。かちをとさんとすれとも。落ぬといへば。さてさて鈍なるやつや。それ程さくがなふ
てなる物か。そこからは棹がとゞくまい。やねへあがれといはれたおでしはさも候へ。師匠の指南有がたし
星ひとつ見つけたる夜のうれしさは 月にもまさる五月雨のそら
現代語訳(宮尾與男・訳):ある僧の弟子がいた。夜ふけに長棹をもって、庭のあちらこちらを振りながら動き廻っ
ている。これを住職が見つけて、「その長棹で何をしているのだ」とたずねる。弟子が「「空の星がほしいので、た
たき落とそうとするが、落ちない」とこたえると、「いやはや間抜けなやつだなあ。そんなことの考えが浮かばない
で、いいものか。そこからでは棹が届くはずがない。屋根へあがれ」といわれた。弟子なりの考えしか及ばないのは
仕方がないが、住職の教えはありがたいものだ。星ひとつ見つけたる夜のうれしさは 月にもまさる五月雨のそら(
星一つを見つけた夜の嬉しさは、月の美しさを越えるほどの五月雨の空である)
訳注者 宮尾與男(みやお・よしお):1948年東京生まれ。日本大学大学院文学研究科博士課程単位取得満期退学。
日本近世文学会委員を経て、夕霧軒文庫長、近世文学研究者。著書に『元禄舌耕文芸の研究』『上方舌耕文芸史の研究』
『上方咄の会本集成』ほか。
2018年(平成30年)2月21日(水)から全4回の予定で開催中の、東山市民センター:主催、東山図書館:共催の
「平成29年度東山文学講座」の初日に「昔のなぞなぞを書き出してきてください。」という宿題が出されました。
子どもの頃といえば70年も前のことですが、子供時代を過ごした福島県郡山市郊外の農村部で若い叔母から聴いた
「なぞなぞ」を思い出してみました。これらの中、あなたは幾つ答えられますか?
問題1. 狭い座敷で腹切り仙人 は何?
問題2. 切っても切っても切れないものは何?
問題3. 上は大水、下は大火事 は何?
問題4. 頭から飲んで口から出すもの は何?
問題5. 赤い服を着て紙を食べるもの は何?
問題6. 狭い座敷で綱引き仙人 は何?
問題7. 昼間はどこにでも着いてくるもの は何?
問題8. 寒いとどんどん太るのに、暑いと痩せてしまうもの は何?
問題9. 朝は4本足、昼は2本足、夜は3本足で歩くもの は何?
問題10. 欲しいと言わないのに毎年くれるもの は何?
問題11. 子どものときは服を着ているのに大人になると裸になるもの は何?
問題12. 顔が6つ、目が21個もあるもの は何?
問題13. 働いている時だけ立っていて、それ以外の時は寝ているもの は何?
問題14. 雄の蛙はケロケロケロと3回鳴きます、雌の蛙はケロケロと2回鳴きます。
では蛙の子は何回鳴くでしょう?
問題15. 後ろに下がるほど強いと言われている競技 は何?
問題1の答え:大豆をホウロク(焙烙)で炒ると、豆の表皮が割れる。
問題2の答え:水などの液体。
問題3の答え:五右衛門風呂。(昔は水汲みや風呂焚きは子供の仕事だった。)
問題4の答え:薬缶などのケトル類。
問題5の答え:郵便ポスト(昔は赤いものだけだったように思う。)
問題6の答え:納豆(糸を引く様子の比喩)。
問題7の答え:影法師(太陽が照っている時なら、どこまでも附いてくる。)
問題8の答え:氷柱(つらら)。
問題9の答え:人間(アフリカのスフインクスはこの問いに答えられずにあんな姿に
されてしまったという。幼児期は四つん這い、老年期は杖をついて歩きから。)
問題10の答え:年齢(いらないと辞退しても増えてしまいます。)
問題11の答え:竹(タケノコのときは、皮をかぶっています。)
問題12の答え:双六(6面で1+2+3+4+5+6=12目)
問題13の答え:独楽(コマ)回っている時だけ立っています。(独楽は男の子の楽しい遊びでした。)
問題14の答え:「蛙の子」はオタマジャクシなので、鳴かない。
問題15の答え:綱引き(「綱引き」は運動会の華でした。)