ターコイズ別館・読書録

――図書館へ行こう。

93 元気が出る東北 みちのく研究会

2010-03-15 22:35:18 | ま行
 図書館より。ごま書房。

 内館牧子の紹介文が、この本の性格を言い切っている。「とにかくおもしろい本である。とてもお役所が作ったとは見えない。軽妙な文章、オチのうまさ、何度吹き出したことか。」
 みちのく研究会とは社団法人東北建設協会内にあり、つまり道路屋さんが東北の魅力を宣伝しもって地域に活力をもたらさんと書いた本だと推測される。でも文章のおもしろさは玄人はだしだ。

#秋田では「めがねこ、いたいた」と小さなものをいとおしむ表現の「こ」を付けた上で、無機質なモノにも人に対するような「いた」という表現をする。

 惜しむらくは古代遺跡の話だ。三内丸山遺跡はいい。縄文文化の常識を覆す新発見の数々。もう一つ、上高森遺跡を載せちゃったのがまずい。これまで日本最古の人類は3万年前からとされていたが、それを大幅に更新する50万年前の出土物。そう、ゴッドハンド事件である。あああ。

 これで「やっぱり東北は」なんて言われてしまうのだ。著者グループに罪はないが。