ターコイズ別館・読書録

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26 ドイツ参謀本部 渡部昇一

2007-05-05 21:42:34 | やらわ
 中公新書。
 フリートリッヒ大王またはモルトケに興味を持った方ならば、絶好の入門書であろう。

 フリートリッヒ大王からシャルンホルスト、クラウゼヴィッツ、モルトケ、シュリーフェンまで、精強を誇ったプロイセン/ドイツ参謀本部の有り様を描く。

 フリートリッヒ大王の、土地を取るのでもなく、戦闘に負けても戦争に勝てばよい斬新なドクトリン、モルトケの鉄道を用いた分散進撃外線包囲作戦など、わかりやすく書かれている。

 著者の専門は英語学だが、だからといって逃げるような記述はしない。それぞれの戦略をはっきり評価している。著者独特の、「ナントカ大学でナントカ教授の教えを乞う光栄に浴した」的な自慢話もない。

 繰り返して言うが名著。

 ドッグイアー。

#戦争は不幸にも国家間において正義を得るための唯一の手段であるから、すべての戦争は正義である。したがって戦争の正義は手段を選ばずに勝つことを許さない。戦争の目的は、本質的に言って公平にして永続的な平和の達成であるが故に、手段も正義に反してはならない。非戦闘員は保護されねばならず、被害を蒙らないよう配慮されなければならない。(スイスの法学者、エンメリッヒ・ド・ヴァッテル)

#「あれは運命だったのだと思うより仕方ない。あの戦はどう考えても自分の勝つべき戦だったのであるから」(ワーテルロー後のナポレオン)
 結局、最期まで自分の敗因がわからなかったということである。

#我々の目にふれるナポレオン伝は英語経由のものが少なくないため、ウェリントンの功績のみが重視され、プロイセン軍の出現はおまけみたいに扱われることがあるが、それでは不公平である。

25 超古代文明 奇跡の真相 佐和宙

2007-05-05 07:59:10 | さ行
 副題、ピラミッドが知っている人類創生の秘密。KKベストセラーズ、ワニ文庫。

 ピラミッド建設は当時の人類の技術では説明がつかない。さらに古いシュメール文明も、母体になる文明がない。宇宙人がやってきて文明を授けた、あるいは巨大建造物を造った、という説が述べられている。

 グラハム・ハンコック、ストーンヘンジ、エドガー・ケイシー、スフィンクス、ネバダ51、ノストラダムス、ファティマの奇跡、クロップ・サークル、ピリ・レイスの地図など、ごった煮のように登場する。
 結論はこの本が出版された1997年に何か新情報が明らかになる、というが。残念でした。

 ドッグイアー。

#(火星の)巨大人面石をはじめとする火星表面の建造物群が存在する地域は”シドニア”と名付けられた。