京都 洛北の時計師 修理日記

時計修理工房「ヌーベル・パスティーシュ」京都の洛北に展開する時計修理物語。
夜久野高原で営業再開しました。

時計師の京都時間「貧者の一灯2」

2016-05-07 09:54:36 | 時計修理

5月7日土曜日。
連休気分が続いておだやかな土曜日。
今や電波時計時代に入っています。「1分20秒のフライングや!」とバスに乗り遅れたご夫婦が悔しそうにつぶやいていました。
本数が少ない土曜ダイヤなので15分待ちはつらい。時間待ちに近くのコンビ二で朝日新聞を買う。余計な出費だ。

新聞の一面に「羽毛偽装」記事だ。
いまさら中国コピー問題か?これは5年前ほどヨーロッパでは大騒ぎしていました。
トリュフ、フォアグラの高級食材から石鹸、歯磨き粉まであらゆる製品に中国コピー物がはびこっている。
私はチェロのラーセン弦のネット通販でやられたことがある。
当時ジュージヤさんのお休みがバッティングしていたのでついやらかしたのだ。弦を取り付けようと引っ張った際にいきなり切れた。これがうわさのコピーか!と販売先を探したが見事に消えていました。販売価格が1割ほど安いのが引っ掛かるミソだ!

時計の世界ではチャイナコピーは常識です。さらに巧妙化、複雑化してきた。
先日ヨドバシ京都店の時計売り場を見てきた。
中国語で日本製として販売しているもののムーブだけ日本製でケース、バンドはチャイナが多かった。
オールジャパンのオリエント、リコーエレメクスなどは価格が当然高めになるので苦戦を強いられる。「悪貨が良貨を駆逐する」のを目の当たりに見る。時計師には悲しい時代だ。

写真の時計は生産地の表示が見つからない。海外購入品の電池交換の依頼にちょっとおびえた。
ケースとウラブタがメッキ加工した際にくっついて接着剤のような働きをしているパターンだ。
ウラブタを開けるのに10分以上かかったがミヨタ製の安物ムーブが機械故障!ただ働きが決定した瞬間でした。
「よろず貧者の一灯には気をつけよ!」安いものは安く造られているのじゃ~!


写真のテクノス。スイス製時代の懐かしい一品。
最近では中国生産に変っているのでテクノスはムーブは日本製、ケーシングチャイナの名コンビ。
往年の名門メーカーのブランドが地に落ちて一人歩きを始めています。
「おっちゃん!時計師なのにテクノスなんかの安物をつけて恥ずかしくないのかぁ~?」といわれるとムッとくる。
羽毛布団も現地の業者が複雑に絡んでいるようでこんな羽毛布団とテクノス、ウオルサムは憧れの高級品時代に成長した私達の年代がターゲットなのだね~。

最近はワインが難しい。フランスのワイナリーごと中国人が買い取って運営する例もある。
当然、ワイナリーの経営は難しいので混ぜ物を入れてしまうことも予測できる。
以前、イタリアでメチルアルコール入りのワインが出回って発覚した。それ以来イタリヤワイン全体の買い控えが起きた。
これと同じようなことが起きない保証はないのだ。

「高価なものはすべて人間含めてコピーを造れる中国人」ナンチャッテセレブも増えたそうです。すぐに化けの皮がはがれるのも特徴だ。レストランなどで大声で虚勢を張っているのがその仲間でしょう。
せめて京都市の市条例でコピー保有の人も罰金刑にしてほしい。タバコ歩き、スマホ歩き、コピー歩きは一律3000円くらいの罰金刑が京都をコピー・ジャンク文化から救うのにちょうどいいように思う。

昨夜、長崎吉宗の茶碗蒸しを食べた。ここは出汁がおいしい!出汁が命の長崎茶碗蒸し。
ところが永年の味に慣れている私にはちょっと濃く感じます。
銀座に出店しているお店ですがこのまま全国展開するのが心配?
ちなみに京都に出店してしまいこの茶碗蒸しが京風の薄味に変るのでは寂しいものがある。
やはり故郷の味はこのままがいいと思う。

コピーと習作の境目は難しい。吉宗茶碗蒸しに入っている「かまぼこ」の歯ごたえはコピーは出来ないほど美味だがこれはぜひ全国のかまぼこ業者はまねをしてほしい!

今日は海外旅行帰りのコピーがやってくる予想日!気と眼を確かに頑張りましょうね~!
「こいつはコピーだ!ウンザリや~。」とはっきり伝えるお店です。












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