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神宮寺の『原爆の図』を観て

2008年08月09日 | 世の中を良くしたい!
●8日は松本市の神宮寺で行なわれている「いのちの伝承2008『原爆の図』展 最後の展覧」を観ました。
          
     【神宮寺アバロホールの案内。右には『劫火~原爆の火~』が投下の日から燃え続けています】

「原爆の図」は画家の丸木位里(いり)・(とし)夫妻が自らが体験した原爆の悲惨さを描いた世界的に有名な作品です。

                

■丸木位里さんは広島県出身で、原爆投下の3日後に広島の街に入り、俊さんは1週間遅れて到着しました。
そこで見たものは地獄と言うところがあるならば、それを超えるものだったと思います。
丸木夫妻は焼け跡や被害者の姿をしっかりと眼に焼き付けてきたのです。

◆「原爆の図」は全部で15部あり14部が埼玉県の「丸木美術館」に所蔵されています。
神宮寺さんでは「戦争とは何かを考え、不戦の誓いを新たにしよう」と1998年から毎年1~2部を借りて展示してきました。
今回は第6部「原子野」と12部「とうろう流し」でした。
今回ですべての展示を終え一区切りをつける。とのお話しでした。
            
                 【雰囲気を伝えたく、遠景を写させて戴きました】
 
★この作品の前に一人でずっと座り、絵に描かれた人物に語りかけると、苦しさと無念さにいたたまれなくなり、涙が出てしまった。

※「原爆の図」の中で私が最も悲しみと怒りを感じるのは、第14部の《からす》です。
ナガサキにおける原爆投下後、朝鮮半島出身者の遺体は処理されずに、何日も山積みにされていたのです。
その死体の眼を狙って、何百羽ものカラスが集まった地獄絵です。

朝鮮半島の貧しい暮らしから異国の地につれてこられ、差別を受け、アメリカの落とした訳の分からない兵器で身体は焼け爛れ、喉の渇きに耐え切れず死んで行った人々。
死んでまでも、なお差別を受けた人々がいたのです。
悔しいです。怒りがこみ上げます。
戦争の悲惨さ、馬鹿らしさが理屈では無く伝わってくる。
そして平和の大切さを改めて感じた。

ヒロシマでは35万人の市民の内の14万人が、ナガサキでは24万人の市民の内の7万4千人が亡くなっているのです。
この事実を絶対に風化させてはいけない。
風化させてしまったら、愚かな人間はまた、同じことを繰り返してしまうでしょう。
まさに「いのちの伝承」が必要なのです。

▼このような素晴らしい作品展を企画してくれた神宮寺の高橋住職に改めて御礼を申し上げます。
近いうちに埼玉の丸木美術館に出かけなければ。と強く思っています。 

今日8月9日は長崎に原爆が落とされた日です。  合掌