PARK'S PARK

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『1Q84』を読んで

2010年08月14日 | 本のレビュー

●『1Q84』を読みきった!
単に「読んだ」では無く、読みきった~!と大きな声で叫びたいくらいだ。
VOL.1=554p、Vol.2=501p、Vol.3=602p。合計1657ページの久しぶりの大作だ。
読み始めると、夢中で時のたつのを忘れてしまう魅力がある。



■実に興味深い設定だ。(少しネタバレです)
ヒーローの天吾はゴーストライターで新人賞を取る。
ヒロインの青豆は刺客。
宗教法人、NHKの集金人、オカルトも少し加わりいくつかの紐が有機的に絡み合っていく。
しかし、この小説の一番のポイントは、青豆の天吾への“純愛”を丁寧に書いたVol.3がいい。
マンションから出られない“軟禁”状態で、滑り台を見張り、ただ祈ることしかできないシチュエーションが切なく、心を揺さぶる。

エンディングで、「青豆、良かったね」と言いたくなる。

◆1984年(昭和59年)という設定もいい。
現代とあまり変わらないようで、まず携帯が無いのが効果的。
マルキン、マルビなどと言う言葉が出始め、バブルが始まる序章のような時期である。
いろいろな場面で、現代と似て非なる時代だったことを思い出させてくれる。

★もう一つの魅力は、村上春樹独特の“異常に修飾語の多い文章”にある。
ストーリーだけをさらりと書けば、1/3のページ数で納まってしまうでしょう。
主語と述語に、プラスして○○のような、と言う補足が異常に多い。
それが実にイメージを膨らませてくれる。
そして音楽、映画、小説、武器、文化などの知識欲を励起する。

ヤナーチェックの『シンフォニエッタ』を買った。
今のところ、人生おけるベスト10に入る作品だ。

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