沈黙の春

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民主3参院議員が離党届=舟山氏ら、大飯再稼働に反発-政権に打撃

2012-07-17 22:11:49 | 原発関連

 

 民主党参院議員の(山形)、(埼玉)、(愛知)の3氏は17日、国会内で輿幹事長に会い、離党届を提出した。この後、3人は参院議員会館で記者会見し、野田政権が進める関西電力大飯原発再稼働や消費増税への反対が離党理由と説明。同席した参院議員(島根、国民新党を離党)とともに、4人で新会派「みどりの風」を結成すると発表した。氏らの新党結成に続く集団離党で、首相には打撃となる。
 輿石氏は同日の会見で、離党届を近く受理する方針を示した。
 舟山氏ら3人が離党すれば、参院の民主党会派は88人に減少。86人いる第2勢力の自民党会派との差はわずか2人となり、野田政権は一段と厳しい国会運営を迫られる。参院議員会長を兼ねる輿石氏の求心力低下は避けられない状況で、18日から始まる消費増税関連法案の参院特別委員会での審議にも影響を与えそうだ。
 3人はいずれも、小沢氏が民主党代表だった2007年の参院選で初当選した議員で、来年夏に改選を迎える。舟山氏は会見で、政策目標として「原発ゼロ社会」の実現と環太平洋連携協定(TPP)反対、増税法案の成立阻止を列挙。同法案について「歩み寄る余地がないと確信し、本格審議を前にけじめをつけた」と述べた。
 また、行田氏は、4人で新党の結成も視野に活動する考えを示す一方、小沢氏らの新党「国民の生活が第一」との合流は否定した。 
 民主党からはこれまで、増税法案への反対などを理由に13人の参院議員が離党している。輿石氏は会見で「崖っぷちに立っている危機的状況を(民主党議員が)共有しなければ、大変なことになる」と危機感を表明した。(2012/07/17-21:00


どこが新発見?Nスペ「巨大古墳の謎」に肩すかし 安易な古代ロマン報道

2012-07-17 12:42:30 | 日本

どこが新発見?Nスペ「巨大古墳の謎」に肩すかし 安易な古代ロマン報道

2012.7.17 09:00 (1/5ページ)westライフ
仁徳天皇陵(左)で知られる百舌鳥古墳群(本社ヘリから)

仁徳天皇陵(左)で知られる百舌鳥古墳群(本社ヘリから)

 NHKスペシャル「知られざる大英博物館 巨大古墳の謎」が7月8日夜に放映された。冒頭には国内最大の仁徳天皇陵の映像や復元CG、「古墳時代の謎を解く鍵が大英博物館にある」などのナレーションが流れた。

世界を代表する大英博物館と仁徳天皇陵-。どんな新発見があるのだろうと期待したが、番組では別の古墳の調査成果を披露。「幻」「発見」「謎」という言葉が飛び交ったわりに、大発見はなかったように感じた。

視聴者へ分かりやすくとの工夫なのか、過剰演出か? 文化財を追う同じ立場の記者として自戒の念を抱きつつ考えた。(小畑三秋)

未公開コレクション

 番組は大英博物館シリーズとして、収蔵品と日本との関連にスポットを当てた。

「大英博物館の未公開コレクションや最新の調査研究から巨大古墳の謎に迫る」「日英合同チームが調査を開始。

全貌が明らかになってきた」と語られ、明治時代に来日した英国人、ウィリアム・ガウランドが日本国内の古墳調査などで収集したコレクションを紹介。日英合同チームが研究する様子を放映した。

 

第一のテーマは「よみがえる幻の古墳」。

番組では、約50年前に開発で消滅した大阪府東大阪市の小さな前方後円墳、芝山古墳からガウランドが持ち帰った出土品と図面をもとに埋葬当初の様子を復元。石室には二つの棺があり、それぞれに大刀などの副葬品、中央には大型の須恵器を据えて埋葬時の祭祀(さいし)などに使われたことなどを指摘した。

 もう一つのテーマは「ガウランドが見た最後の巨大古墳」

。ガウランドが奈良県橿原市の前方後円墳、丸山古墳(6世紀、全長310メートル)の横穴式石室に入って描いた図面を手がかりに、調査団が新たに古墳本体を測量。石室の位置が墳丘中心部から大きくずれていることが明らかになったと紹介していた。

新発見、謎、幻…

  ただし、ここでちょっと気になったことがある。

そもそも丸山古墳の墳丘の図面は以前からあり、石室の測量図も宮内庁が作成して公開されている。

この二つの図面を照合すれば、石室のズレは明らかで、大英博物館のコレクションをあえて持ち出さなくても分かることではなかったか。

 

このほか、古墳出土の鏡についても、「大英博物館の調査でまた新たな発見がありました」とのナレーションとともに、もともと中国から伝来した鏡が日本風にアレンジされていたことを指摘した。

 しかし、中国鏡を模倣して日本で制作され、次第に鏡の文様が日本風に変化したことは、これまでの鏡の研究で明らかになっており、今回の調査はそれをさらに補強するものだった。あえて新発見を強調しなくても、調査の価値は伝わると思った。

 番組では「極めて重要な発見」などの言葉とともに、CG映像や音響、ガウランドの調査時の再現ドラマなどがちりばめられていた。その一方で、大英博物館での実際の調査風景は少なかったように思う。

 確かに、大英博物館で100年以上も大切に保管されているガウランドコレクションについて、日英合同という国境を越えた調査の意義は大きい。

それだけに、5年がかりという息の長い調査なら、抑え気味の表現で紹介しても十分に伝わるはず。

日英合同チームがなぜ今回結成されたのかという経緯もしっかり伝えれば、調査の意義がより視聴者に分かるのではないだろうか

。「発見」「謎」などの言葉の頻繁な使用は、かえって調査の意義を小さくしてしまうようにも感じた。

邪馬台国論争を追う

ここで思い起こされるのは、古代史最大の謎でありロマンであり続ける「邪馬台国論争」。筆者自身、邪馬台国の有力候補地である奈良県桜井市の纒向(まきむく)遺跡や佐賀県の吉野ヶ里遺跡などを訪れ、畿内説や九州説を取材し、たびたび報道してきた。

 関西の新聞やテレビなどは特に、纒向遺跡で発掘があると、「邪馬台国畿内説に弾み」「卑弥呼の宮殿が見えた」「畿内説へさらに一歩近づいた」などとロマンを駆り立てるように報じてきた。しかし、「どこまで進めば畿内説が確定するのか」と突っ込まれると、明確なゴールはなく、自身も頭を悩ませている。

 

 記事を書くたびに、「発見」「古代史の謎」「ロマン」という言葉をつい使いたくなるが、あまり乱発しすぎると、かえって大げさにとられて信憑性(しんぴょうせい)が薄れるのではないか。そんな葛藤を感じながら記事を書いている。それだけに、今回のNHKスペシャルの言葉の表現などは、自身の文化財報道と重ね合わせて考えてしまった。

 

卑弥呼の金印どこに

 

 邪馬台国論争を決着するうえで、決定打といえるのは、卑弥呼が中国の皇帝から下賜されたと魏志倭人伝が記す「親魏倭王」の文字が刻まれた金印の発見といわれている。

しかし、もし纒向遺跡で見つかったとしても、九州説の研究者からは「もともと九州(邪馬台国)にあった金印が、のちに畿内に移された」などの見解が出されるかもしれない。

 九州で見つかったとしても、畿内説側からは別の反論が出ることは十分予想される。

金印が山陰や四国、大阪など全く想定外の場所で見つかったらどうなるだろう。

その場所が邪馬台国かといえばそれを認める研究者は極めて少ないはずだ。

 邪馬台国と大英博物館は全く異なる話かもしれないが、古代への夢とロマンを人々にもたらすうえでは共通している。

日英合同調査は5年がかりという。今後の研究を楽しみにしたい。

萌える日本史講座】清盛の知られざる野望 「琵琶湖運河計画」が眠る峠をゆく

 

 


アフガン・イラク戦 若者たちの苦悩

2012-07-17 11:42:23 | 政治、法律など

アフガン・イラク戦 若者たちの苦悩

2012.7.16 08:39 (1/3ページ)

悲壮なメロディーを口ずさむ米帰還兵のエリスさん。両腕には戦死、自殺した33人の仲間をしのぶ入れ墨が彫られている

(黒沢潤撮影)

帰還兵の「声」耳傾けて

  10年以上が経過し、過去の大統領選でも主要争点となった対テロ戦争。

イラクやアフガニスタンからの帰還米兵の多くが、過酷な戦場に何度も赴き、精神疾患やホームレス化という厳しい現実に直面してきた。中には「自分たちの苦悩にも光を当ててほしい」と重い口を開き始めた若者もいる。

ただ、両国の治安維持や民主化促進に貢献した自負心は揺らいでおらず、今秋の大統領選では、真に頼れる「最高司令官」を選びたいとの声も出ていた。(米西部コロラド州デンバー 黒沢潤)

 

悲哀・絶望をオペラに

 

 ロッキー山脈を望むデンバー市内の一室。男性が目を閉じて、悲壮なオペラのメロディーを口ずさむ。

海兵隊員として2004年、イラク中部ファルージャの前線に立ったクリスチャン・エリスさん(29)

。腕には、稲妻と33個の斑点の入れ墨が彫られている。

 「戦闘で絶命した仲間25人と、自殺した仲間8人の思い出を刻んだものです」

 ファルージャでの戦闘はすさまじかった。銃弾が上下左右から乱れ飛び、死を免れても、敵の狙撃手から額に受けた銃弾がヘルメット内部の曲線に沿って移動、首の後ろから突き抜け重傷を負った者もいた。

 自身も爆弾で背中を負傷。帰還後、壮絶な経験のためPTSD(心的外傷後ストレス障害)を発症し、精神に異常をきたした。

 

ファルージャの街で交流を深めた10代の少年ワッサム君がある日突然、姿を見せなくなったつらい思い出もある。風聞では“米軍スパイ”と疑われイラク人に殺害されたという。

 「戦友を失い、少年も死んだ。悲哀、絶望、恥辱、罪悪感…。これから逃れられるのは自殺だけだった」。睡眠薬などで試みた自殺は4回に上った。

 いつも苦しみから解放してくれるのは「歌」だという。幼少時から歌うことが好きで、軍に入るまで合唱やソロで歌い、クラシック歌唱法を習ったこともある。

 イラクの体験、歌との関わりを周囲に話すと、カナダの楽団などがオペラでの再現を申し出てくれた。題名は「ファルージャ」。年末公演に向け準備が進む。

 「このオペラは帰還兵の苦痛に光を当てるものだ。兵士の苦悩への理解が深まり、一人でも自殺を食い止めることができれば、作曲した価値がある」。エリスさんはこう力を込める。

学費や市民権のため

 帰還兵の中には、社会に適応できずホームレス化する例もある。ニューヨーク市ブロンクスの施設では帰還兵17人が臨時宿泊や食事などの支援を受けている。それでも、若者たちが過酷な戦地に赴く理由は何か。

 イラク東部や沖縄など国外6カ所で勤務した海軍のアレキサンダー・モビリアさん(28)は「海外実績を積めば国が大学の学費を出してくれる。私の場合3年分。将来は教師になりたい」と話す。

 米軍に入れば移民が「市民権」を容易に得られるという背景もある。中米からの移民で、03年にイラクに赴いたアレハンドロ・カンポスさん(31)は同年に市民権を獲得した。

還しても2度、3度と再び戦地に赴く例も多い。

 08年のイラク戦線で負傷したリチャード・オブラーさん(26)は年内にもアフガンに派遣される

。「米国には仕事がない。アフガンに行けば月5千ドル(約40万円)稼げる。家族は不安だろうが、仕方ない」

 志願制の下、対テロ戦争は、こうした厳しい立場に置かれた「一部の若者」に支えられてきたのだ。

ベトナム戦争に従軍したフランシス・トナーさん(66)は「徴兵制下『世代の戦争』となったベトナム戦争とは異なり、戦地に一部の若者が何度も行く現実には胸が痛む」と話す。

「自由もたらす」志願も

 だが、04年にアフガン南部カンダハルの前線に立ち、路肩爆弾で左足を負傷した翌年にはバグダッド北郊に駐留した海兵隊のウィリアム・ハリガンさん(29)は「自由をもたらしたいと思って志願した」と強調する。

 ハリガンさんは、共和党が反対するなかイラクから昨年、軍を撤退させたオバマ大統領を「大統領選で票が欲しいからだ」と批判。一

方、共和党の指名を確実にしたロムニー前マサチューセッツ州知事についても「(よく前言をひっくり返すなど)信用性に問題がある。

国家の最高司令官(大統領)の言葉がぶれてはダメだ」と苦言を呈した。


イランで浸透するアップル製品

2012-07-17 02:18:06 | 金融、経済

制裁と憧れの狭間で

ロイター 7月16日(月)14時24分配信

 
 
7月13日、米国による経済制裁が科されているイランだが、中東などにある裏ルートを使って持ち込まれるアップル製品への人気は高い。写真はテヘラン市内のコンピューターショップで1月撮影(2012年 ロイター/Morteza Nikoubazl)

[ドバイ 13日 ロイター] 清潔感あふれる店内には、米アップル<AAPL.O>の「iPod(アイポッド)」や「iPhone(アイフォーン)」、ノートパソコンにデスクトップ、そして最新の「iPad(アイパッド)」が並んでいる。ただ、RadanMacというこの店には普通のアップルストアとは少し異なるところがある。

【特集】モバイル端末

店があるのは、米国による経済制裁が科されているイランの首都テヘランだ。アップルだけではなく米国企業の製品の輸出は禁止されているはずだが、テヘランにはRadanMacを含め100の店舗が公然とアップルの製品を販売している。それも、米国での販売価格より少々高い程度だ。

「この3年間で景気が良くなった」。電話インタビューに応じてくれたのは、この店を経営するMajid Tavassoliさん(51)。1995年からアップルの製品をイラン人相手に販売しており、現在の従業員は20人以上だという。会社にはサービス部門や営業部門もあり、顧客はイラン中央銀行や国営テレビ、新聞社やデザイナーなど幅広い。

イランでアップル製品の販売が好調なのは、裏を返せばこの国に対する欧米諸国の制裁にも限界があることを示している。

欧米諸国による制裁は、イランの銀行や石油産業のほか、同国の核開発を支援していると思われる個人や企業が対象となっている。

欧米はイランの核開発プログラムを停止させようとしているが、イラン側は平和利用のためだとして互いの主張は平行線をたどっている。米企業は特別な許可がない限り、イランに対して製品やサービスを提供することを禁じられている。

しかし、消費財やコンピューター機器は別問題だ。もちろんこれらも禁輸措置が取られているが、イランの業者は中東などにある裏ルートを使って入手し続けている。

<ダウンロードへの険しい道>

イランのコンピューター関係の業者によると、同国では、アップルのコンテンツ配信サービス「iTunes Store(アイチューンズ・ストア)」への需要も急速に高まっている。イランの人たちは、国外の適当なアドレスを使ってアップルのアカウントを取得し、何かを購入する際は海外のギフトカードを使う。

なぜならイラン国内では、例えばiTunesから直接ダウンロードしようとすると、サービスがブロックされていることを示すエラーメッセージが出るからだ。

恋人のiPod用にiTunesのアカウントを作ってあげたというエンジニアのSinaさん(31)は、仮想プライベートネットワーク(VPN)を使ってブロックをかいくぐり、カナダのアドレスでアップルのウェブサイトにアクセスし、iTunesからのダウンロードに成功した。

またSinaさんによると、イランの若者がiTunesで購入するのはゲームやアプリが多く、音楽はほとんどない。同国では音楽は海賊版が広く流通しており、別のところから音源を拾ってコピーする場合が多いのだという。

<浸透するアップル製品>

ひとたび人気に火がついたiPhoneやiPadは、今やイランで金銭的に余裕のある人たちの間で必需品ともなっている。最も売買が盛んなのは、イラン最大を誇るIT関連のショッピングセンターだ。イランではテクノロジーに精通する人たちが増加しており、ここでは350以上の業者が製品を販売している。

冒頭で紹介したRadanMacの競合他社の1つに、アップル・イランという企業がある。同社のウェブサイトは、本家アップルとほとんど同じ作りになっている。異なるのはペルシャ語である点と、「このサイトはアップル社とは一切関係ない」との但し書きがある点だ。事情に詳しい情報筋によると、アップルはこのサイトを閉鎖しようとしているという話もある。

同社の広報担当者Ali Afghah(28)さんは、2002年に初めてアップルのコンピューターを購入。今では友達や家族から「アップル・ガイ」と呼ばれるほど、アップルの熱狂的なファンだ。

アップル・イランもRadanMacと同様、顧客に大手銀行や国営放送、新聞社や雑誌社などを抱えている。Afghahさんによると、アップルのマックを使っている編集者は1000人は下らないという。これに対し、政府当局者やメディア関係者は、アップルの製品を使っているかどうかは明らかにしていない。

ただアップル・イランはここ数カ月、販売が落ち込んでいるという。欧米諸国がイランに科した追加制裁が原因だ。この新たな制裁によって、イランの自国通貨であるリアルは急落し、国際決済が難しくなっているという現状もある。

<低価格への挑戦>

RadanMacに話を戻そう。Tavassoliさんは以前、中東のコンピューター会社でアップル製品の修理技術者として働いていたが、同社がイランからの撤退を決めたため、RadanMacを設立したといういきさつがある。社名の一部である「Radan」には、ペルシャ語で「全てを正確に行う人」という意味がある。

撤退した会社が残したスペアの部品と数千ドルの初期投資でビジネスを始めたが、アップル製品への愛情で生計を立てていけるようになるまで15年かかったという。

「今の仕事が好きなんだ」と語るTavassoliさん。イランでは、経済制裁を科されているにも関わらず、仕事不足で困ることはないのだという。その背景には、最新テクノロジーに対するイラン人の愛があるからなのだとTavassoliさんは話してくれた。

しかし、売り上げの減少が悩みの種であることに変わりはない。Tavassoliさんは他の業者と同じように、香港やシンガポール、マレーシアの卸業者に直接発注をかけたいと考えている。しかし、今年初めからイランへの禁輸措置が厳しくなったことを受け、こういった直接発注が難しくなっている。大量調達となるとなおのことだ。

このため、ドバイやトルコを中継地点として使うのだが、それでは余計な税金や輸送費がかかってしまう。イランの税関を通過するのにも費用がかかる。携帯機器なら約4%、デスクトップのiMac(アイマック)など大きなものになると約60%の税率が課せられる。

それでもイラン国内での販売価格は、国外にある正規のアップルストアと比べても大きな差はない。最も低スペックのマックブック・プロは、テヘランで今月1250ドル(約9万9000円)の値をつけた。これよりも若干スペックの高い同じ製品が、ニューヨークでは1200ドル(税込み)で販売されていることからも価格差が小さいことがわかる。

アップル製品を販売するイランの業者は、発売開始から数週間のうちに最新モデルを入手し、手頃な価格で店頭に並べる。例えば海外で製品を購入した旅行者がイラン国内の業者に転売すれば、最新モデルでもイランで間もなく販売されることになるだろう。

予備の部品を手に入れるのも課題の1つ。RadanMacでは、安定して予備の部品を手に入れられないため、古いコンピューターを修理するのに新品から部品を取ってくることもよくあるという。

<届かぬアップル愛>

Tavassoliさんは今、自社開発したペルシャ語での教育ツールに力を入れているという。これまで開発してきたものの中には、iTunesで利用可能なiPhoneユーザー向けアプリもある。「顧客のニーズに全て応えることができれば、生き残ることができる」と語った。

Tavassoliさんの苦労は報われたかのようにみえる。しかし、人生を捧げてきたアップルと直に連絡を取れないことだけが、長く不満の原因でもある。

「私は何年もかけて、イランで4000台以上のマックを設置してきた」と話すTavassoliさん。「このことを知ったらきっとアップルは私に感謝するだろうが、向こうは私のことを知りもしない。それが本当に辛い。悲しいんだ」と漏らした。

(原文執筆:Marcus George記者、翻訳:梅川崇、編集:宮井伸明)

*脱字を修正します。http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20120716-00000017-reut-bus_all