沈黙の春

本ブログの避難用ブログです。

無名画家の絵がなんとゴッホ

2012-04-28 15:56:08 | 藝術

(CNN) これまで無名画家の作品と思われてきた油絵が、エックス線検査の結果、オランダの天才画家ファン・ゴッホ(1853~1890年)の作品だったことが判明した。花を描いた静物画の下から見つかった別の作品が決め手になった。

花の静物画はオランダ東部オッテルロにある美術館に1974年から展示されていたが、署名の位置や構図などからゴッホの作品ではないと判断され、2003年、正式にゴッホの作品一覧から抹消された。

しかしエックス線を使って調べたところ、花の絵の下に、2人のレスラーが戦う様子を描いた別の作品があることが判明。ゴッホがレスラーを描いていたことは以前から知られており、カンバスを再利用して1つの作品を塗りつぶしながら別の作品を仕上げている手法などを見ても、ゴッホの作品に間違いないと判断された。

首都アムステルダムにあるファン・ゴッホ美術館の研究員によれば、エックス線による調査は過去にも行われていたが、当時は鮮明な画像が得られなかった。今回は新技術を使って鮮明な画像を映し出すことに成功、顔料や絵の具の層などについても詳しいことが分かったという。

ゴッホはベルギー・アントワープの美術学校に通っていた当時、「今週は2人の裸の胴体――2人のレスラーを描いた」と1886年1月の手紙に記していた。研究員によれば、花の静物画はその後半年もたたないうちに、同じカンバスに描いたとみられる。

ゴッホは「ひまわり」「アイリス」など数々の名作で知られる。生前は精神疾患を患い、37歳で自殺するまで無名だった。

研究員によれば、エックス線で調べるべき作品はほかにもあり、今後さらにゴッホの作品が見つかる可能性もあるという。