沈黙の春

本ブログの避難用ブログです。

エボラ熱再びウガンダで14人死亡。

2012-07-30 16:07:44 | 医学

 【カンパラ(ウガンダ)】東アフリカのウガンダ中西部キバレ地区でエボラ出血熱が発生し、感染した20人のうち少なくとも14人が死亡していることが明らかになった。世界でエボラ出血熱の発生が確認されたのは2009年以降で初めて。

 エボラ出血熱は7月初めに発生したが、原因が致死率の高いエボラウイルスだと確認されたのは27日になってから。

そのため、原因特定前に感染がかなり拡大している恐れもあり、現在世界保健機関(WHO)など国際的な保健当局者が対応に動いている。

Getty Images

エボラウイルスの電子顕微鏡写真。色は合成処理

 ウガンダ政府、WHO、それに米疾病対策センター(CDC)の要員で構成される対策チームが27日、キバレ地区に派遣された。同地区は首都カンパラから西に約125マイル(200キロメートル)離れた、コンゴ民主共和国(旧ザイール)との国境に近い場所にある。

 ウガンダ保健省の広報担当者によると、同病は当初1家族から発生、感染が始まった。地元の人々は病気の原因がエボラウイルスなどではなく、悪霊に取りつかれたことにあると考えたため、患者らをキリスト教の礼拝施設に連れて行ったが、そこで2人が死亡したという。

 同担当者は「一部の犠牲者は、教会に通う人々を含む多くの人々と接触した」と話した。

 エボラ出血熱の感染の疑いが生じたため、患者のサンプルがウガンダ・ウイルス研究所と米CDCが最近設立し、維持している特別の研究所に送られた。この特別の研究所はエボラウイルスや中央アフリカで発生するその他の致死率の高いウイルス性出血熱の発生確認や調査を行っている。CDCのスティーブン・モンロー博士によると、この研究所が26日にこのサンプルを受けたのに続いて、他の3人のサンプルも受け取り、27日にエボラ出血熱であることを確認した。

 ウガンダ保健省によると、これまでに死亡が確認された人の中には、1家族の9人、最初の感染者の治療にあたった医療関係者のクレア・ムフムザさんとその娘(4カ月)が含まれている。

 ムフムザさんの看病をした姉妹も同病に感染した。現在高熱、下痢、嘔吐(おうと)の症状があるものの、容体は「かなり安定している」という。最初に感染した家族の一員(女性)の容体も安定しているが、同じような症状を示している。

 ウガンダ保健省によると、同病の発生が確認された地域ではパニックが生じ、多くの住民が自宅から逃げ出す事態が生じているという。

 キバレ地区は首都カンパラから遠く離れているが、ムフムザさんはカンパラの病院で治療を受けた。カンパラには少なくとも400万人が暮らしている。ウガンダとWHO当局者は、同病の感染がカンパラに到達しているかもしれないことが不安の種になっていると指摘する。保健省の広報担当者によると、ムフムザさんの治療にあたった医療関係者は、病気の原因が特定されていなかったため、治療時に感染予防策を講じていなかった。

 CDCのモンロー博士は、病気が「かなりへき地で発生したため、感染拡大の可能性は大きくない」と指摘した一方で、感染がカンパラにまで到達するかもしれない点については「常に懸念事項だ」と述べた。

 エボラ出血熱は中央アフリカ全域で発生する病気。ワクチンや治療法はなく、感染源もはっきりと特定されていないが、同博士によると、エボラウイルスの保有宿主がコウモリだという仮説は存在する。

 同病の発生が最初に報告されたのは1976年。発生が最初に確認されたコンゴ民主共和国の川から名付けられた。同病は発生がまれだが、致死率が非常に高い。最も致死率が高いウイルス株では感染した人のうち最大89%が死亡しているが、致死率はその発生時によってばらつきがある。

 今回の流行は、それほど致死率が高くないとされる「エボラ・スーダン」と呼ばれるウイルス株によるものと確認された。それでも、2000年と01年にウガンダで発生した過去最大規模の流行時には同株により、感染した425人のうち224人、つまり53%が死亡した。

 前回の流行は08年終わりから09年初めにかけてコンゴ民主共和国で発生し、32人が感染、15人が死亡した。昨年には、ウガンダで12歳の少女が同病で死亡したが、感染は拡大しなかった。


ヤマイモにアルツハイマー改善効果

2012-07-26 19:08:52 | 医学

「ヤマイモ」などに含まれる成分が、アルツハイマー病の原因とされる、タンパク質を減少させるなどの効果があるとする研究結果を、富山大学のグループがまとめ、新たな治療の手がかりになると注目されています。

研究を行ったのは、富山大学和漢医薬学総合研究所の東田千尋准教授らのグループです。
グループでは、神経細胞を活性化する働きがあるさまざまな生薬を調べ、このうち、ヤマイモなどに豊富に含まれる「ジオスゲニン」を、アルツハイマー病の症状を出るようにしたマウス6匹に、1日に1回20日間、投与しました。

その結果、マウスの脳に蓄積されていた、アルツハイマー病の原因とされる「ベータアミロイド」というタンパク質が、平均で70%減少したほか、記憶や情報伝達をつかさどる、「軸索」と呼ばれる神経細胞の突起の形が正常に近い状態に戻り、記憶力の改善も確認できたということです。
東田准教授は「アルツハイマー病の治療の新たな手がかりになる」と、話しています。


アルツハイマー病に詳しい名古屋大学の永津俊治名誉教授は、「日常的に食べるヤマイモに含まれる成分が、アルツハイマー病の症状の改善に有効だという科学的データが得られたことは、たいへん興味深い。ヒトにも有効か、今後の研究に期待したい」と話しています。

 

http://www3.nhk.or.jp/news/html/20120726/k10013880181000.html


お悩みの方に朗報「わきが」制菌物質、抽出に成功

2012-07-15 11:07:44 | 医学

「わきが」制菌物質、抽出に成功 NPO・仙台の三浦さん

http://www.kahoku.co.jp/news/2012/07/20120715t15013.htm

 俗に「わきが」と呼ばれる腋臭(えきしゅう)症の臭いを発生させる細菌(わきが菌)の増殖を抑制する制菌物質の抽出に、仙台市青葉区のNPO法人代表三浦二三男さん(59)が成功した。東北大の学術指導で確認された。皮膚を守る働きをする細菌にはほとんど作用しなかった。三浦さんと東北大は、物質名の特定と物質がわきが菌に対して特異的に働く仕組みの解明を進める方針。


 わきがに悩んでいた三浦さんが自己流で研究を重ね、ある植物の種子から制菌作用がある物質を抽出。自分で使ってみたところ、臭いを抑えることができた。3年前に東北大に相談し、学術指導を受けることになった。


 東北大未来科学技術共同研究センターの渡辺君子准教授(生物科学)によると、わきが菌1000個を制菌物質0.1ミリリットルに混ぜ、シャーレの寒天培地に塗って37度の保温器内で培養した。3カ月がたっても細菌は増殖しなかった。
 同様の方法で、皮膚を守る細菌を混ぜて培養すると明確な制菌作用は認められず、皮膚にダメージを与えない可能性が高いことも分かった。


 わきが菌は、人の皮膚表面にいる黄色ブドウ球菌の一種。脇の下にあるアポクリン腺か汗る汗の脂を分解することによって、臭いを発生させる。わきが臭は制汗剤で一時的に消すことはできるが、根本的な治療薬はなく、手術でアポクリン腺を取り除く治療が行われている。


 渡辺准教授は「わきが菌だけに作用するメカニズムを解明できれば、治療薬開発の手掛かりにもなる」と研究の意義を説明する。三浦さんは「わきが臭の悩みを解決できるようになれば、うれしい」と話す。


インプラント治療 深刻なトラブルも

2012-06-04 18:12:49 | 医学

http://www3.nhk.or.jp/news/web_tokushu/0601.html

あごの骨に金属を埋め込んで人工の歯を取り付けるインプラント治療。
歯を失ったときの治療法の一つとして、広く知られるようになりました。
その一方、重篤な医療トラブルも起きていることが専門の歯科医師などで作る学会の実態調査で明らかになりました。
生活情報部の鈴木章広記者がお伝えします。

学会初の全国実態調査

実態調査は、口くう外科の歯科医師らが多く所属する「日本顎顔面インプラント学会」が初めて行いました。

ニュース画像

口くう外科がある病院や歯科大学の付属病院など、地域の拠点となっている全国の79の施設が対象で、9割を超える74施設から回答がありました。
それによりますと、歯科医院などでインプラントの手術を受けたあと再治療が必要になった重篤な医療トラブルは、去年までの3年間で合わせて421件報告されました。
このうち、あごの骨の中などの神経を傷つけて、しびれやマヒなどが残ったケースが最も多く、全体の38%に当たる158件。
また、インプラントが上あごの骨を貫通し、誤って眼の下にある「上顎洞(じょうがくどう)」と呼ばれる空洞内に入ったケースが63件で15%。
「上顎洞」が炎症を起こしたケースが61件、などとなりました。

ニュース画像

骨が「え死」も

このほか、事前の検査や聞き取り、経過観察などを十分しなかったため、骨粗しょう症の治療薬の影響などでインプラント周辺のあごの骨が「え死」したケースが10件報告されました。
骨が「え死」した場合、多くは大きく切除しなくてはならず、患者には重い負担がかかります。
都内に住む70代の女性は、3年前、奥歯の3本の入れ歯の調子がよくなかったため、近くの歯科医院で3本ともインプラントにする手術を受けました。

ニュース画像

費用は合わせておよそ100万円。
しばらくの間は、問題ありませんでした。
しかし、およそ半年後、インプラントの周辺の歯ぐきが腫れて、激しい痛みに襲われました。
ことし3月、総合病院で検査を受けた結果、インプラント周辺の骨が「え死」していることが分かりました。

ニュース画像

十分注意されていれば

なぜ、こうした深刻な被害が起きるのでしょうか。
インプラント治療について、歯科医師の知識が十分でないことが考えられます。
事前の検査や聞き取りが十分行われていれば「え死」に至らずに済んだ可能性があります。
診断によると、女性が9年前から服用してきた骨粗しょう症の治療薬の影響とみられるということです。
「ビスホスホネート系薬剤」と呼ばれるこの薬は、高齢の女性に多く見られる骨粗しょう症の進行を遅らせる効果がありますが、一方で、細菌などへの抵抗力が弱まるという指摘もあり、感染症などに注意が必要とされています。

ニュース画像

このため、専門家で作る「日本口腔外科学会」などは、細菌が多い口の中の手術が必要なインプラントの手術する前には、この薬の服用を一定期間やめるよう呼びかけています。
女性は、当時、自分が服用している薬のインプラント手術への影響については知らず、手術をした歯科医師からも服用を続けている薬があるかどうか聞かれなかったということです。
女性は、歯科医師による事前の検査や聞き取りが十分行われていれば、これほど重い症状にはならなかったのではと考えています。
現在、女性の再治療に当たっている国際医療福祉大学三田病院の朝波惣一郎歯科医師も「女性を治療した歯科医師は薬の副作用について知らなかったのではないか。インプラント治療が広がるなか、歯科医師は知識を深めていく必要があるのではないか」と話しています。

ニュース画像

女性は痛み止めの薬を作用が切れると激しい痛みに襲われるため、毎日通院して、炎症を抑える薬の点滴を続けています。
趣味の山登りはできなくなりました。
女性は、6月、え死した部分を取り除くため、全身麻酔をして手術を受ける予定です。
女性は「おいしいものが食べられると思ってインプラント治療を受けたが、かえって重い症状に悩まされている。自分も知識がなく不注意だったが、歯科医師も知識や技術の向上に努めてほしい」と話しています。
実態調査を行った「日本顎顔面インプラント学会」の瀬戸一理事長は、「インプラント治療が急速に広がるなか、歯科医師は、基本的な技術や知識を身につける必要がある。患者の側も手術のリスクや、服用している薬の影響などについて十分説明してくれる歯科医師を選んでほしい」と話しています。

ニュース画像

安全対策

学会は、今回の調査結果を詳しく分析して再発防止策を検討するとともに、6月から安全対策の一つとして、試行的に「インプラント手帳」の活用を始めます。
この手帳には、服用している薬の名前、金属アレルギーなどがあるか、過去に大きな病気をしたことがあるか、などの記入欄があって、歯科医師が記入して患者に渡します。
事前のチェックに生かしてもらおうというねらいです。
また、手術日や埋め込んだインプラントのメーカーの名前や種類などの記入欄もあり、医療機関が変わっても基本的な情報を共有することができます。
手帳は全国に79ある日本顎顔面インプラント学会の「認定医療機関」で使われることになっています。
インプラント治療は、手術を受けたあと問題なく快適に過ごしている人たちも多くいます。
患者が安心して治療が受けられるよう今後も関係する学会や関連団体などの動きを取材していきたいと思います。


<風邪薬で副作用死>皮膚疾患が悪化 2年半で131人死亡

2012-05-28 23:14:30 | 医学

 

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20120528-00000038-mai-soci

風邪薬などの副作用で起きる皮膚疾患「スティーブンス・ジョンソン症候群(SJS)」と、その症状が悪化した中毒性表皮壊死(えし)症で、今年1月までの2年半に全国で131人が死亡したことが厚生労働省のまとめで分かった。

SJSは10年以上前に問題化。厚労省は10年9月、製薬業界に対し、一部医薬品の添付文書に副作用として追記するよう求めたが、発症メカニズムは未解明で依然として被害は深刻なままだ。同省は「初期症状が疑われたら、早期に受診を」と改めて注意を呼び掛けている。

 厚労省の集計によると、09年8月~今年1月、製薬会社などから報告があったSJSと中毒性表皮壊死症の副作用被害は1505人で、うち8.7%の131人が死亡。前回集計(05年10月~09年7月分)では2370人中239人が死亡していた。

 「SJS患者会」代表で歯科医の湯浅和恵さん(59)=東京都渋谷区=は91年、風邪薬を服用後に全身に発疹が広がり、一時寝たきりの生活になった。SJSと診断されたのは4カ所目の病院。今は左目を失明し、歯科は休業している。湯浅さんは「誰もが使う医薬品で起こりうる。生活が急変し、ショックを受ける患者の精神的ケアの充実も図られるべきだ」と訴えている。

 原因と推定される医薬品は抗てんかん剤や解熱鎮痛消炎剤、総合感冒剤など。こうした医薬品を投与する医師は、初期症状の皮膚疾患に必ずしも精通しておらず、診断が遅れる可能性がある。また、総合感冒剤などは市販薬も多く、症状が薬の影響と気付かない人も少なくない。

 SJSは年齢層や持病によって発症傾向があるかどうかも分かっていない。厚労省安全対策課は「初期症状で判断できる医療機関向けのマニュアルを策定するなど、対策を講じてきたが、いまだに多くの人が亡くなっている。治療が遅れ重篤化することを防ぐため、さらに周知を進めたい」と話している。【井崎憲】

 ◇スティーブンス・ジョンソン症候群(SJS)

 高熱を伴って発疹ややけどのような水ぶくれが全身や口、目の粘膜に現れる。原因は解明されていないが、体内の免疫力が過剰反応して起きると考えられている。発生頻度は100万人当たり年間1~6人とされ、臓器障害などの合併症を起こして後遺症が残ったり、死に至ることもある。

最終更新:5月28日(月)15時25分