金星が太陽の前を横切る天体現象「金星の太陽面通過」が6日午前7時頃から午後2時頃にかけ、県内でも天候が良ければ観測できる。
前回8年前にこの現象が起きた時、県内は曇り空でほとんど見えなかったという。もし今回も見逃せば、次は105年先まで巡ってこないとあって、各地の天文台などは「世紀の天体ショーを楽しむラストチャンス」と観察会を企画し、参加を呼びかけている。太陽の光は強いため、観察には5月の金環日食、部分日食と同様、日食めがねなどが必要だ。(有留貴博)
金星の太陽面通過は、太陽と金星、地球がこの順番で一直線に並んだ時に起きる。倉敷科学センターによると、前回2004年6月8日は、県内は悪天候のため主な観測施設では見ることができなかった。前々回1874年(明治7年)12月9日は、県内でも見えたという。次回は2117年12月11日まで待たねばならず、同センターの三島和久学芸員(41)は「私も前回見逃したので、今回が最後のチャンス」と晴天に期待する。
観察のポイント 三島学芸員によると、県内では午前7時10分頃、太陽の左上に金星のシルエットがほくろのような黒い点で見え始める。黒い点は太陽の前を斜め右下にゆっくり移動。同10時半頃に太陽の中心に最接近し、午後1時48分頃に太陽面から出る。
観察する際は、肉眼で見ると日食網膜症という目の病気になる可能性があり、日食めがねを使うなど注意が必要だ。金星の見かけの大きさは太陽の直径の約30分の1と小さいため、視力に自信のない人は、減光フィルターを付けた望遠鏡などの利用がお勧めだという。
金星が太陽に入った直後と太陽から出て行く直前、太陽にくっついた黒い滴のように見える「ブラック・ドロップ効果」と呼ばれる現象が見所。観察するには特殊な望遠鏡などが必要だ。
同センターは、6日午前9時30分~午後2時、無料の天体観測会を開く。口径25センチの太陽望遠鏡で太陽を直径1メートルに拡大して投影するなどして観察する。問い合わせは同センター(086・454・0300)。
岡山天文博物館(浅口市)や美星天文台(井原市)、倉敷天文台(倉敷市)も観察会などを予定している。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
◇岡山天文博物館(浅口市、0865・44・2465) 午前9時~午後2時、太陽望遠鏡や、太陽を投影する板を付けた小型望遠鏡で観察する。入館料が必要。
◇美星天文台(井原市、0866・87・4222) 午前7時~午後2時、太陽望遠鏡で観測した太陽をモニターに映し、綾仁一哉・同天文台長が解説する予定。入館料が必要。
◇倉敷天文台(倉敷市、086・422・0001) 〈1〉午前7~9時〈2〉午前10時~正午、望遠鏡や日食グラスを使って観察する。無料。事前の申し込みが必要で、受け付けは平日午前9時~午後4時。
(2012年6月2日 読売新聞)