東京電力福島第一原発事故で県内に避難してきた人たちでつくる市民団体「手をつなぐ3・11信州」(森永敦子代表)などは二十四日、山崎たつえ松本市議が「市内に避難している被災者の支援が手厚すぎる」としたチラシを配布したことに対し、「被災者の現状をしっかり調査せず、市民に誤った情報を出している」とする抗議書を市議会に提出した。
山崎市議は八日の新聞折り込みのチラシに、被災者への市の負担は水道料金が百七十万円、保育園・幼稚園の利用料が百三十九万円に上るなどと記載。「松本市は被災者以上の大サービスをしている。市民は逆差別されている」との趣旨の主張を展開した。
森永代表は抗議書提出に先立ち記者会見し、「子どもを守ることだけを考え避難してきた。悔しくて涙が出た」「少しずつ松本での生活基盤ができてきたのに、居づらくなる」との避難者の声を紹介。「被ばく者である私たちの困難さが伝え切れていない」と涙ながらに話した。
山崎市議は取材に「義援金でパチンコに興じる被災者がいるとの報道もある。松本市は放射能対策に一辺倒。行政の在り方として問題はないかと問いたかった」と述べた。
(出来田敬司)