日本語教師の見た中国とか…

日本語教師が見た中国をつらつらと綴ろうとはじめました。帰国後、大学院生を経て今はとうとう専任日本語教師だ~。

若者言葉の行方

2008-06-13 07:15:33 | 日本語
 「きれかった」「すきくない」「変かった」「元気くない」「大丈夫くない」なんていう言葉使いが、ちょっと検索するだけで、ガンガン出てきます。かなり、関西でこの特徴が見えること、若者特有であること、そんな理由から、この例をみても、ピンとけ~へんわ~という方もおられることでしょう。そういう方は、他言語の話だとでも思って、読んでください。

 きれいだった すきだった 変だった 元気だった 大丈夫だった

これらはすべて、きれいナ、すきナ、変ナ、元気ナ、大丈夫ナ、という変化をすることから、すべてナ形容詞または形容動詞などと呼ばれております。もともとナ形容詞だったこれらが、冒頭のような使われ方をすると、いわゆる日本語の乱れになります。

 ~かった ~くない

この活用は、イ形容詞、または形容詞などと呼ばれる品詞の活用です。つまり、言葉の乱れには規則性があるってこと。冒頭の例はすべて、以下の規則にのっとっています。

 ナ形容詞→イ形容詞的活用

この大きな流れの中で、個々の若者言葉が発生しているんですね。これだけはっきりした流れがあれば、これは立派な言語変化です。ちょっと変な言葉使いって、話し手にとってはおもしろいんでしょうねえ。若者は言葉をいじって遊べる心の余裕があるのでしょう。ただし規則を破ったら、変すぎておもしろくない、これが若者心理なんだと思う。

 うつくしだった かわいではない うれしだった

こんな言い方絶対せえへんやん?イ形容詞をナ形容詞で活用したものです。

 ところが!!こういった流れに一石を投じる芸人登場!「世界のナベアツ」ですよナベアツ。彼のフレーズ「オモロ!!」、よくよく考えると、これがおもしろい。

 おもしろい→オモロな

という変化をしています。これは大きな流れに逆らう「イ形容詞→ナ形容詞的活用」の例になります。

 裏の裏をかく。これぞベテラン芸人ですよ。

 本人は、そこまで考えてへんやろけど。

 
 ちなみに、オモロってのは、90年代からスチャダラパーとかが使っていたけどね…

 んんん、こんなまじめなブログ書いたん、めっちゃ久しぶりやなあ。

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4 コメント

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Unknown (ai)
2008-06-13 16:06:18
んー、確かに、ナ形容詞→イ形容詞は言う人がいますね。丈夫くない、とか。。

え?ナベアツのオモロって変形するんですか?(笑)
私は単に大阪弁の「おもろい」を短く言ってる
だけかと思いましたが・・。


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ん? (管理人)
2008-06-14 02:10:55
変形っていうかすでに品詞が変わっています。本来「おもしろい」っていうのは「おもしろい人」という形で修飾するイ形容詞です。それを「オモロな人」という形でナベアツは使っていて、ナ形容詞化しています。短縮も関わっているけど、根本は品詞が変わってしまっているっていうところですね~
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Unknown (ai)
2008-06-14 14:00:50
私は、「オモロー」って言ってるのしか
聞いたことがありませんでした。。

「オモロな人」とも言ってたんですね!!
失礼しました。それなら変わってますわ~。

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ナベアツ (管理人)
2008-06-17 12:22:50
また注意して見てくださいませ。

自分のことをオモロな芸人だとのたまっておられます。
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