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日本語教師の見た中国とか…

日本語教師が見た中国をつらつらと綴ろうとはじめました。帰国後、大学院生を経て今はとうとう専任日本語教師だ~。

青年海外協力隊募集説明会

2006-10-06 12:20:18 | 日本語教育
 おもいっきりローカルな告知をさせてください。

青年海外協力隊の募集期間がはじまります。それに伴って説明会というものを滋賀各地で行っております。といっても3箇所だけ。

大津市 10月8日 日 14:30 ピアザ淡海 県民交流センター 2階
       JR膳所駅下車 徒歩12分、京阪石場駅下車 徒歩5分
南彦根 10月15日 日 14:30 ビバシティ彦根 JR南彦根駅前 
草津市 10月27日 金 18:30 市立まちづくりセンター 3階
       JR草津駅西口から琵琶湖方面に直進徒歩、約200m

他県の方はココね→http://www.jica.go.jp/activities/jocv/setumei/zenkoku.html

 南彦根会場がピンチなんです。今回で人が少ないと彦根会場がなくなってしまします。彦根会場がなくなるということは、滋賀県北部から説明会が消えてしまうと言うことです。滋賀県北部と言えば、かつでは浅井長政がどどどーんと、お城を構えて、信長に逆らいながらブイブイ言わせていたお国柄。

話がそれた。

滋賀にいるひまそうな人に是非お声かけください。

 最新の募集を見ていると、協力隊の日本語教師はかなり多様化していますねえ。僕の心をわしずかみにした募集内容は・・・

 ケニアで日本語ガイドさんを養成する仕事 

サバンナですよ、サバンナ。八木君と高橋君のサバンナちゃいますよ。第1課の新出単語単語は、きっと・・・ぞう きりん さい かば らいおん

 「ぞうは鼻がながいですね」
 「そうですね、お母さんも長いですよ」
 「きりんは首がながいですね」
 「そうですね、お父さんも長いですよ」

な~んて感じかなあ。いきなり形容詞文の導入ですが。

フィジーの日本語教師も引かれるなあ。南の島ですよ、南の島。頭チリチリになるくらい泳ぎまくってみたいなあ。

日本語教師に限らず、いろんな仕事があります。

   興味ある方はコチラへ  ↓

   //www.jica.go.jp/activities/jocv/job_info/job_list/index.html

ライブ話と見せかけて・・・

2006-10-03 08:51:23 | 日本語教育
オシリペンペンズのライブに行ってきました。初めてだったのでどんなバンドかまったく知らなかったんですが、ボーカルの名前が石井モタコさんだということは知っていました。

「どんなおねーさんが出てくるのかな~」

と思っていたら、奇声を発しながらロンゲのお兄ちゃんが素っ裸で出てきました。めっちゃサイケなバンドでした。女性ボーカルを想像してしまうのは、私が日頃から女性のことばっかり想像しているからではなく、○○コという音の連鎖がそうさせるのです。

「○○コって言うたら女性を想像するがな。」

一昔前(といっても100年くらい前)は、女性の名前に○○コよりもオ○○をよく用いたんだそうな。

おかめ おその おしり(マジでこの名前の人いたそうな) ・・・

だから、○○コなんてのは最近の流れであり、また変わっていく可能性があるんですね~。つまり、○○コという音と、女性という意味の間には何も必然的関係がないということです。このように、音(シニフィアン)と意味(シニフィエ)には必然性がないんだということを言い出したのはソシュールというスイス人です。

「そんなん当たり前やん」と言うなかれ。

当たり前のことをいうのって大変なんですよねえ、きっと。でもでもよく考えると、音と意味には関連があるような気がしてしまうのです。

コケコッコ、ニャー、ワンワン みたいな擬声語がそう。ただ、これも言葉によって違うからやはり必然性は薄いのだ。

池上嘉彦先生は、locomotive(列車)という単語は、じろじろみると何となく列車の形に似ていると述べておられます。

どう?    locomotive   ・・・確かに。

文字と意味にさえ必然性を見いだそうとしてしまうのは、人間の思いこみかな~。

必然性がないということを、言語学では「恣意的である」と言います。一般言語学の創始者とも言われるソシュール。一時、検定によく顔を出していましたが、ここ数年ソシュール関係の問題は出ていません。でもでもやはり、とても大事な人だと思うのです。

はじめて、言葉とは何かをつべこべ論じた人だ(とされている)から。

ライブレポと見せかけて、やっぱり言語の話でした。

牛ドンと言語学

2006-10-02 10:25:00 | 日本語教育
うわ~い、吉野家復活だ~!!

とりあえず、世間の声といっしょに浮かれてみました。別に牛丼をしょっちゅう食べるわけでもないので、さほど私の生活には関わってこないんだけど・・・

吉野家に「つゆだく」という裏メニューがあります。「俺って通だぜ!!」って言いたいがために、私も

「つゆだくお願い!!」

って言ってしまいますが、別に好きなわけではありません。汁が多いだけです。「牛丼」と「つゆだく牛丼」の関係は、基本形対応用形という関係です。ノーマル牛丼が基本形ね。このように世の中には対立する二つのものが、基本対応用という関係にあるというものの見方は、もともと言語学の発想でした。基本形を無標、応用形を有標と呼びます。

ロシア人のヤコブソンとトルベツコイは音韻論の研究において、「p」と「b」の対立は、平等な対立ではなく、どちらかは基本でどちらかは応用である(手を加えている)と考えました。「p」が基本、「b」は声帯の振動を加えたものであるから、応用形だと言ったのです。

細かいことは置いておいて、このように2つのものが対立するときの関係は、無標対有標であるという考えは、いろんなところに使えます。

 食べる    無標
 食べられる  有標


ところで、一昨年の日本語教育能力検定に出た問題です。

「おすしのサビ抜きは有標か無標か?」

なんだかかわいいもんだいでしょ?


手を加えた方が有標ですからね~。もちろんサビ抜きが有標です。


ではでは、ヤキソバ入りお好み焼きは有標か無標か?

これはむずい。

大阪では有標だが、広島では無標である。




スキーマの隙間

2006-09-28 19:31:28 | 日本語教育
「鳥を定義しろ」っていわれたらどうしますか?

飛べる・くちばしがあるとか、いろいろ思いつくのですが、それだけでは鳥のすべてを定義したことにはなりません。

飛べる←ぺんぎん・キュウイはどないやねん。

くちばしがある←カモノハシにもありまんがな。

細かく言おうとしてもうまく定義できないのですが、それでもわれわれは鳥という動物がどういったものか漠然と理解しています。モモンガは鳥じゃないとわかるのです。このようにはっきりとは定義できないけどなんとなく持っている抽象的な知識の枠組みをスキーマと言います。スキーマがあるから、鳥の定義はなんとなくわかるのです。もちろんスキーマは拡張して変化していきます。

また、鳥の典型例はなんだ?と聞かれたら、多くの人はスズメとかの小鳥を挙げます。これをプロトタイプと呼びます。人間はものごとのカテゴリーをこのようにぼやっと流動的に理解しているんじゃないかというのが最近の認知言語学では言われております。

話は変わって、試験の話。テストで四択とかが出されるとやたらに強い奴がいます。団塊の第二世代である私にはよくわかるのですが、四択があるとなんとなく答えがわかってしまうのです。出題者の意図とかもなんとなく見えてしまう。

これを私は試験のスキーマと呼んでいます。

スキーマは多くの事例にあたっていけば強化されていきます。つまりはね、場数を踏めってことですよ。

ちなみに私の弟は試験のスキーマが悲しいくらいにない。

ちょっと本屋さんに行けばわかりますが、認知言語学はいまの流行です。日本語教育能力検定も流行に敏感なんで、ちょこちょこ専門用語が出てきています。

ちなみに私にとって女優さんのプロトタイプは市毛ヨシエさん。

         俳優さんのプロトタイプは永瀬マサトシさん。

ちょっと年齢差があるなあ。

仲間はずれ探し

2006-09-27 10:16:57 | 日本語教育
日本語教育能力検定の定番、仲間はずれはだ~れ?

1 チェコ語
2 ロシア語
3 ポーランド語
4 ルーマニア語
5 クロアチア語

これは実際に出た過去問題ですが、どーよ?こんなんすぐにわかる人はいるのかなあ。

「こんな知識を知っていたって日本語教師の実力とは関係ないズラ!」

なんていう批判が出てきそうですが、検定試験とはそういうものじゃないのかなあ。試験とは、自分は教師になるために前向きに努力をしてきたということをアピールする場なのです。かつ、5000人の受験者の中から1000人だけを選別する場なのです。みんなが知っている問題を出しても意味がありません。

ちなみに、問題の答えは4のルーマニア語。ルーマニアとはローマニアンという意味で、ローマ人の国なのです。つまりイタリア語と近いのです。その他はスラブ語系なのでちょっと離れています。同じ印欧語ですが、その中での違いです。

せめてアジア圏に絞ってくれたらやりやすいんだけど、ちょっと試験範囲が広いなあ。東欧ってのが盲点でしょ?

ルーマニア語を知らない人は、「恋のマイアヒ」を聞きながら踊りましょう。


まいあひ~まいあふ~まいあは~♪

のまのまいぇー。

わしもコリアで考えた

2006-09-25 09:02:42 | 日本語教育
ちょっっくら誘われて韓国の学会に参加してきました。おもろすぎるので検定対策は一時中断して、コリアンレポート。


 韓国の日本語教育関係者や日本からの研究者が集まり、領事館員なども参加して大盛況のうちに国際学会ははじまりました・・・

 ・・・表向きはね。

行ってみてびつくり。僕の名前がプログラムから消えている!!しかも送っておいた発表原稿も予稿集に載っていない!いっしょに行ったつれも名前が間違っていたり、名前が載っていなかったり、所属が違っていたり・・・も~~~のすごいミスだらけ。

まあまあ、名前も原稿も載っていないのは私だけでした(なんの自慢やねん!)

「大丈夫です、明日にはちゃんとプログラムに追加して原稿は配ります。ちゃんと届いていますから」
 ↑
コラコラコラコラ、ちゃんと届いているならちゃんと印刷してよ~~

次の日、ドキドキしながら、発表会場に赴く。会場は5つあるので、それぞれに司会者がいる。だんだん、自分の番が近づいてきて、そろそろかな~と思っていたら、

司会者「今日の発表者はここまでです」
      ↑
  こら~~~~!!!結局わしのこと忘れているやんか~~~
 
仕方なく、手を挙げて「あの~私は発表者なんですが~~」というと会場はざわめくし、司会者はいぶかしそうに私を見るし、お手伝いの学生は嫌な顔するし・・・

 自分から手を挙げて出て行く学会なんて前代未聞やわ。ごっつしゃべりにくかった。自分で自己紹介して自分でレジュメ配って、・・・かわいそうな私。なによりなによりつらかったのは、観客の視線。どこからどうみても、わたしって・・・

 飛び入りで入ってきたおっさんやん?

 
 その他、興味深かった点を挙げてみます。

 ・初日発表時間は30分くらいだったのに、2日目から15分になった。←ちなみに私は20分かっちりで練習してたからドあせった。

 ・指定質問者がたいてい来ていない

 ・ベルが無駄にでかい←これはただのいちゃもん。

 ・時間が押したぶん、懇親会を短縮して、マッハで終わらせる←笑えたなあ
 
いや~、大変でしたが興味深い学会でした。日本で学会運営をしていて、ありえないことがあまりにも連続するので、私の常識がガラガラ~って崩れる音を聞きましたよ。

 「もっと力抜いてやりなよ~」

って言われているみたいで、なんだか心に響きました。他所を見ると自分らのことがよくわかりますね~。日本の学会も、もうちょっと力を抜けばいいのかな~。

 いやいやいやいや、プログラムに名前くらいは入れて欲しいな。

 よく考えると、私が学会で発表したという記録が全くありません。状況証拠だけになってしまった。

 でもでも、関西人としては

 ・・・ちょっと おいしい。
 

 

「ん」音考2

2006-09-22 19:30:12 | 日本語教育
 二回前にいただいたきけろさまのご質問についてつべこべ考えてしまいました。ちょっとここいらでまとめてみます。

「質問なんですが、六つの「ん」や二つの「ザ行」をそれぞれ別の記号で表現している言語は多いのでしょうか?」 滋賀県 きけろさま 

 日本語はほとんどの音に母音をくっつけてはなす言語です。外来語を見ればすぐわかります。

 basketball → バスケットボール

明らかに原音よりも母音がおおいですね。英語は3つなのに日本語では7つもの母音が使われています。こういった母音がいっぱいつく言語のことを開音節の言語といいます。日本語やスペイン語、中国語も比較的開音節言語です。ところが、日本語は100%開音節ではなく規則からはずれる音があります。

 それが、「ん」「っ」の特殊音素です。これらは子音のみで構成されます。

  さんま     両唇鼻音
  きんにく    歯茎硬口蓋鼻音
  きんたろう   歯茎鼻音
  コンガ     軟口蓋鼻音
 
これらの「ん」の音は、上から順に「ま」行の子音、「に」の子音、「なぬねの」の子音、「ンガ」というガ行鼻濁音の子音、を子音だけで発音したものです。つまり、後ろに母音をくっつけた状態なら、日本人は上のよっつをちゃんと区別しているのです。ところが、

  あんい     鼻母音
  パン      口蓋垂鼻音

このふたつは、「ん」のときにしか現れない音になります。上のよっつに関しては日本人もちゃんと区別していると言えます(母音をつければね)。

 ちなみにお隣の韓国や、中国、さらにはインドネシア語なんかでは、日本人なら「ん」としか表現できない音を二つもっています。上の例で言うと「きんたろう」の「ん」と「コンガ」の「ん」を区別するのです。日本人には難しいですねえ。中国語の壁と私は呼んでいます。しかし、六つとも「ん」の音として区別している言語は聞いたことがありません。特に「あんい」の「ん」なんてのは、フランス語では母音になりますし、分類も変わってきます。

 一言で言えば、日本語の「ん」はなんでもありだなあってこと。

 ただし鼻を共鳴させるという共通点はありますからね~。

 すげー、めっちゃ硬いブログになってもうた。

 むむむ、アクセス数の落ちて行く音が聞こえる~。

「ん」音考

2006-09-20 08:30:55 | 日本語教育
 音声の話は反応がよかったので、調子こいてもう一発。

 今回は「ん」の話。

「ん」には6種類の音があります。
  
  さんま     両唇鼻音
  きんにく    歯茎硬口蓋鼻音
  きんたろう   歯茎鼻音
  コンガ     軟口蓋鼻音
  あんい     鼻母音
  パン      口蓋垂鼻音

この6単語はすべて違う種類の「ん」です。6つもあるっちゅうことは、ほぼ平仮名の常識を脱線しております。

 「何いうてんねん!、「ん」はひとつやんけ~」

なんて思ってしまうのは、日本人が「ん」という記号だけしか持たないから。外国人から見たら雑多な音の組み合わせに過ぎません。共通点といえば、すべての「ん」は鼻の奥の空間を共鳴させているということだけ。後はまったく異なった音です。

 さんまさんまさん

 こんがこんがこん

と言ってみて、最後の「ん」の口を鏡で見るとわかります。完全に音の出る場所が違います。

日本語教師の卵さんに読んでもらいたいな~と思って専門用語もつけておきました。


がんばりんちゃいよ~。

ビバ、受験生

2006-09-18 17:34:14 | 日本語教育
日本語のざ行は、音声的にみると2種類あります。

 ざじずぜぞ za ji zu ze zo
 
 ざじずぜぞ dza dji dzu dze dzo

専門的にいうと、摩擦音のざ行と、破擦音のざ行ですが、日常会話において「かざり」という時の‘ざ’は前者、「ざぶとん」という時の‘ざ’は後者になります。微妙に舌が上あごにくっつくのが後者の特徴。

ちなみに、上のアルファベットを見るとわかるように、い段の‘じ’は表記が違います。これはざ行において、‘じ’だけ他の音と種類が違うからなのです。音の出る場所が‘ざずぜぞ’よりも後ろなんです。

まあまあ、細かい話はどーでもいいんだけど・・・。

外国人にはこういった一貫性のなさが気になるものです。日本語の‘ん’なんて6種類の音からできているんだもの。ざ行の例もしかり、日本語教師は少なくとも基本的な日本語の特徴くらいは知っておくべきだという発想から、日本語教育能力検定試験などというものが毎年行われております。

 あんなもん受けてどうすんねん、などという批判はあるものの、やはりきっちり勉強してから教えたいという姿勢はすばらしいですね~。
 
 今年もいよいよもうすぐです。

 受験生がんばれ~。

 

おわかれの季節

2006-09-09 08:44:27 | 日本語教育
 9月は日本語教師にとってお別れの季節。

 多くの国では9月、10月が新学期なので、学生さんとお別れなのです。それだけじゃなく、海外に出て行く日本語教師もこの季節にお別れになります。今年は知り合いが5人も出て行きました。エジプト2人、カタール1人、インドネシア1人、中国1人、日本語教師はいろんなところへ行けるのが魅力ですね。

 親友のピンニャオ(頻尿:日本人よ)もインドネシアに行ってしまいます。彼は個人契約という形なので、出発までのトラブルがいろいろありました。一番の問題は労働ビザ。

 なんでそんなにもめるねん!!

っちゅうくらいにトラブリます。ビザ申請したのが春休み。英文の履歴書やらハンコやらをインドネシアに持っていったんですよ。それを向こうの引き受け先機関がインドネシアの外務省へ持って行って手続きをする。

 まだかな、まだかな、・・・待つこと5ヶ月。

 やっとビザが降りました。それはインドネシア外務省から、インドネシアの引き受け先機関におりたっていうこと。それから日本に来るのがまた時間かかる。

 まだかな、まだかな、・・・ピンニャオのファックスが調子悪いから別のファックス番号を教えてくれと言われる。

 まだかな、まだかな、・・・別のファックスにもうまく送信できない。
                  ↑
              この時点で原因は向こうのファックスやろ!!

 まだかな、まだかな、・・・スキャナで取り込んだビザがメールで到着。これを日本のインドネシア大使館にもっていかねばならない。

 この時点で9月3日。ちなみに新学期は9月4日に始まります。

 まにあうかっちゅうねん!!

 しかもしかも・・・ビザの居住地が・・・「TOKYO」って書いてある。ピンニャオは大阪の人。まだまだトラブルが予想されますね~~。うふふふふふ、他人事だとこんなに楽しいのね~~

 ただいま9月9日、とっくに新学期は始まっています。なのになのに・・・ピンニャオは相変わらず日本でぐだぐだぐだぐだ。

 もう5回も送別会したっちゅうねん!!
        

みんなの遠足

2006-09-06 08:53:15 | 日本語教育
大学院の留学生や教え子たちが日本のザ・田舎を見るため私の実家に集合いたしました。いいだしっぺは、ベトナムのグエンさん(仮称)。

 「うわ~お米(稲のこと)がたくさん」と言っては写真をパッチリ

 「うわー農業機械」と言っては写真をパッチリ

 「うわー山!」と言っては写真をパッチリ。

なんや、変なところにばっかり興味があるのね。もうちょっとあるやん、写真のポイント。うちの隣なんて茅葺の家なのよ。

留学生のみんなが田舎の何に惹かれるのかっておもしろいですね。携帯電話の電波が入らないことにみんな大盛り上がりでした。オクラを知らない留学生は、じろじろ見ながら、

 「これはものすごく苦いに違いない(意訳)」

ってしかめっつらしていました。←苦くないっちゅうねん!

同じ留学生がししとうを見ながら、

 「これはものすごく辛いに違いない(意訳)」

ってしかめっつらしていました。←辛くないっちゅうねん!!

 「ベトナムの田舎も景色はとてもきれいです。でも住宅の環境はあまり整っていません。」

うんうん、確かに、私の実家は携帯も使えないくらいド田舎ですが、お風呂もあればインターネットも使えます。その辺はちょっと違うのでしょうね~。

うちに来たのはみんなアジア(ベトナム、中国、台湾)人でした。みんなお箸でご飯を食べるし、出したものをなんでも残さず食べるし、やっぱアジアは同じ文化を共有しているんだな~って思いました。

さ~て、そろそろ夏休みも終盤だ。

32歳にもなって宿題がたまっている私。

ハクビシン現る!

2006-07-24 13:24:40 | 日本語教育
 先日「サルにトマトを食べられた。」と書いたんですが、その後の調査で、サルではなくハクビシンだということがわかりました。

 ハクビシンって覚えてます?

 SARSのときに犯人扱いされて中国で大量処分されてしまったかわいそうなタヌキ。

 中国語で、「果子狸」といいます。この名前はなかなかうまいですねえ、トマトとかみかんとかを好んで食べているのです。広東料理で食材になるのもうなづけます。きっとおいしいはず。

 納得している場合じゃないがな。なんで中国の狸が滋賀県にいるねん?

実は誰かが逃がしたらしいのです。きっとSARS騒ぎのあたりじゃないかなあ。とにかくそれらが山の中で大量繁殖して、今じゃ滋賀の北部にも大量生息しているらしいのです。

 滋賀は、琵琶湖にブラックバス、山にハクビシン、困ったものです。

 とはいうものの、日本語教師という職業柄、「外来種を排斥すべきだ~!!」などと声を荒げて言うのは、職業倫理?に反します。だからといって、外来種も国産種も仲良くしよう!なんていうのは理想論なのかなあ。日本の狸はどうしているんでしょうね~。今や、まわりを闊歩しているのはハクビシンばかりです。

 とりあえず、「平成狸合戦」でも見て勉強するかな。


 実が食べられたトマトの木を眺めながら、在日外国人問題を考えたしもうたよ。


 

虹はほんまに7色か?

2006-07-20 12:10:03 | 日本語教育
 「虹は何色あるんでしょう?」

って日本人に聞いたら、

 「そりゃー7色だろ。」

と返ってくるはずです。ところが、実際に虹を見ながら数えてみて、7色とも認識できる人がどれくらいいるでしょうか?これは7色だと習ったから7色だと認識するのであって、実際に境界線をひくのは難しいのです。

 アメリカでは虹は6色だと習うそうです。言語によっては虹を2色だというものもあります。(井上京子「もし右や左がなかったら」)

 こういった考えをつきつめていけば、

 「色を認識するのは言葉があるからだ」

 という極論になります。つまり、言葉があるから物事を区切ることができるようになるのです。こういう考えをサピア=ウォーフの仮説といいます。


 話は突然変わって、私の家庭菜園。 

 いつかは来るとおそれていた奴らがきました。・・・ニホンザル軍団。

ニホンザル軍団と言っても、芸を覚えてて観光客からおひねりを集めるといった社会的な軍団ではなく、各家庭の家庭菜園を集団で荒らし回るという暴力集団です。私の渾身の力作、トマトの木がやられてしまいました。

 まあ、やつらも腹が減ってるんだから仕方がない。

興味深いのは、奴らは、赤いトマトだけをしっかり選んで食べていることです。

 
 話は戻って色の話。

つまり、ことばを持っていなくて、色を認識できないはずのお猿さんでも、緑と赤の違いはわかるのです。サピア=ウォーフもびっくり。まあ、色に関しては研究が進んでいて、このお猿さんの選択も説明はできます。

 でもでも、皮を残して食べるのはやめてよね~。


 うちは無農薬なのよ。

外国人が見た日本のテレビ

2006-07-04 22:03:45 | 日本語教育
 初級の学生が真顔で僕に聞いてきました。

 「せんせ~なんで、日本のテレビは料理番組ばかりやねんの?(意訳)」

 う~ん、言われてみたら確かに料理関係が多いですよね。しかも学生が気になるのは・・・

 「みんな、リアクションいっしょやんか。食べたらしばらく沈黙して、大げさに振る舞う(意訳)」

 う~ん、言われてみたらおっしゃるとおり。

初級の学生にとって、日本語はほとんど聞き取れないので、リアクションとか表情とか絶叫とか、そういったものばかり目が行くのです。うちらとはちょっと違ったテレビの見方をしていることでしょう。

 外国人に言われるとはっと気づくけど、今まで考えたことなかったなあ。

 たぶん、安易に安定した視聴率を稼げるのでしょうね。

 料理の味をブラウン管の先に伝えるって、よく考えたら大変なこと。だから、みんな金太郎アメみたいに判で押したようなリアクションをとるんでしょうね。

 そう考えると、グルメレポーターで頭角を顕してきた・・・

 ヒコマロって偉大だ。 

 グルメレポートのふらんす革命や~~!!!

くじら論争

2006-07-02 17:21:23 | 日本語教育
 いつかは出くわすと思っていましたが、とうとう当たってしまいました。

「なんで日本人はくじらを食べるのか?」

などという議論。ヨーロッパの学生は好きですねえ、この手の議論。そもそもブタや牛を食べてもいいのにくじらはダメだなんてのは、思いっきりヨーロッパ中心的世界観であり、あまり好きではありません。かといって学生相手に議論するのも先生の立場上よくないかなとも思うのです。

 前にも少し書きましたが、日本人は古来四足動物は食べなかったのです。そういう文化背景があるからこそ、くじらは食べるのです。な~んて説明も説得力があるんだか、ないんだか。

 もちろん、くじらを取りすぎて資源がなくなるというのは大いに批判されてしかるべきなんですけど。


 「先生はくじらが好きですか」

と聞かれて、言葉に詰まってしまいました。

 よく考えたら、さほど好きでもないなあ。。。

だから、正直言って、捕鯨が禁止されること自体を切実に問題視している日本人は少ないかもしれません。でも、鯨を食べるのは野蛮だなんていう批判は、ヒジョーに問題だと思うのです。

 ベジタリアンが言うのならわかる。

 速攻で「ゴメン」ってあやまります。


 でもでもでもでも、牛だってヒンズーの人々には神の使いなんだからね。

 ・・・牛がなかった。