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日本語教師の見た中国とか…

日本語教師が見た中国をつらつらと綴ろうとはじめました。帰国後、大学院生を経て今はとうとう専任日本語教師だ~。

トンガトンガ

2007-06-11 22:35:21 | 日本語教育
タイトルでトンガを畳語にした理由は特にないです。

今の教え子ちゃんは、トンガの子。もんのすごいいかついですよ~。

何が?

顔よ、顔。ザ・仁義なき戦いって感じの顔なのですよ。

でもものすごくかわいい・・・性格が。でもひとつだけどうしても困ったことがあって、なんとかしたいのですが、なんともならない・・・二人称代名詞。

彼はスポーツマンでバリバリ体育系。野郎どもに囲まれて生活しているので二人称代名詞が‘おまえ'しか知らないのです。


 おまえはどこに住んでいるの?

 ここから遠いところ。

 らいねんも、おまえがおしえる?

 おしえるかもしれません。


こら~!!なんやえらいひっかかるがな~。かなり注意しているのに直らないんですよねえ。


でもでもでもでも、これがまたいかつい顔に合うんだ。


似合うんだからいいのかなあ~?


そんなところがまたかわいいの

エジプトからのメール

2007-06-04 22:36:24 | 日本語教育
 前にも書きましたように、春はエジプトでぐだぐだ生活をしておりました。その際カイロ大学で知り合った日本語科の学生さん、モハメドくん(仮称)は、今でもちょこちょこメールをくれるのです。

 うれしい。


 モハメド君は博識。初対面のとき・・・

 私「大阪の関西空港から来ました(滋賀県て言ってもわかってもらえないだろうし・・・)。」

 モハメドくん「tomb period ・・・」

 私「んんん?」「おー、古墳のことね。あるある、大阪は沢山あるよ。」 

などという会話になりました。

 モハメド君はプレイボーイ。かわいいのよ~、弟みたいな感じで、お姉様方からひっぱりだこ。いつも違う女の子と歩いていた。イスラム国っつってもいろいろですね~。カタールではありえない光景でした。
 
 彼はメールにたくさんエジプトの写真を送ってくれるのです。この写真はシタデルという城塞なんだかモスクなんだか博物館なんだかわからないくらいでかい観光地です。僕が唯一訪れた観光地。ピラミッド行かなかったもんね~。

 モハメド君は、クラスでも日本語はできないほうです。だけど、一生懸命、日本語でメールをくれるんです。学習動機なんて何が刺激になるかわからないんだし、僕のメールで日本語学習熱が上がったらうれしいなあと思うのです。


 33歳にもなってはじめてのメルトモだ~。


 細~く長~く行きたいモノです。
 
 

カイロ大学日本語学科

2007-03-16 18:01:31 | 日本語教育
 やっと、本来のブログネタ、日本語教育です。エジプトのカイロには日本語を専門として持つ大学が二つあります。その一つが、カイロ大学。名前からしてかしこそうじゃありません??

 びつくりしました。できる子は、3年生で日本語能力検定2級に合格してしまうようです。日本語能力検定は、漢字検定みたいなところがあって、漢字圏の学生に圧倒的に有利なのです。非漢字圏で2級に受かるのはものすごーーーーくたいへんなこと。

 ここはアフリカですよ。ほんまにすごいと思います。

 教室に入ると、何かしゃべりたいしゃべりたいっていうオーラがムンムン伝わってきます。授業中に質問タイムみたいになり、いろいろ話をしたり聞いたりしました。みんなは会話能力の向上に興味があるようでおもしろかったです。もちろん漢字や文法もしっかりしております。女の子は基本的に髪の毛を隠しており、そうじゃない子はコプト教徒(クリスチャン)です。

 どうやらエジプトは、がんばれば日本語関係の仕事が見つかるようです。また、上位数名は日本へ留学できるしかなり恵まれております。ところが日本の国立大学再編のあおりを受け、例えば大阪外大への留学枠は、去年は4名、今年は1名、来年は0という将来先細り状態のようです。ちょっと悲しい。


 話は変わって・・・

 すげーかわいい子にメールアドレスをもらいました。


 まじで、真剣にエジプトで就職活動をしようかなあ。


カイロ物価考

2007-03-15 18:21:59 | 日本語教育
 カイロの物価は興味深い。政府の政策で食糧の価格を抑えているそうですが、食べ物がとにかく安いのです。街角スタンドで立ち食いスパゲティが1ポンド(20円、以後日本円で表示)。庶民の常食コシャリ(パスタ、米にミートソースをぶっかけたもの)が60円から100円。ちいさいピザが30円。

 それに比べ・・・

博物館に800円かけて入っても、ミイラは別料金で2000円。ピラミッドも入るのに2000円。

まあ、観光客からはぶっとろうという政策なんでしょうねえ。ヒルトンホテルに泊まってピラミッドを見て、アブシンベルを見て帰る団体観光客は、エジプトの物価などわからずに帰ってしまうんじゃないでしょうかねえ。「地球の歩き方」には、

 「1ポンド札の使い道がわからない(額が小さすぎて)。」

などというコメントがどうどうと載っています。

 僕は、1ポンド札フル活用やっちゅうねん

団体旅行を批判するつもりはありません。安全で快適な旅行はやはりパックツアーです。ただ、こういった庶民価格もわからないような旅行がスタンダードであるという現状を表しているのが、上記のコメントでしょう。

 「エジプトはピラミッドだけではないということを日本へ伝えたい」

とカイロ大学の学生は言っていました。

おもしろいところはたくさんありますよー。動物園にはライオンが20頭くらいいるのに、入場料はたったの5円。


裏街道まっしぐらやなあ。わたし。

カタールの町でこんにちは

2007-03-14 00:34:43 | 日本語教育
 カタールは小さな国です。アラビア半島の東にちょこんとくっついている半島。人口は百万人もいない国。今は、天然ガスで潤っていますが、将来が心配だなーということで首長が目をつけたのが日本語教育なんだとか。文化立国をめざすとか・・・

 ケンタロー君の学生ちゃんと待ち合わせしたのはドーハにあるスーク(市場)。

 現れたのは、なんとアラファト議長ルックに身を包んだ男の子と、普通の格好をした男の子。口にはフセインひげをたくわえて・・・。

 こんにちはー

不思議な感覚ですね。まさかアラファト議長みたいな方と日本語であいさつするなんて。二人はきっとエリートの子なのでしょう。将来はカタールに利益をもたらすような仕事につきたいなんて、語っておりました。日本の大学生は、そんなコメントするかなー。びっくりしたのは。

 二人ともゲームマニア。

一人は、ファミコン、ネオジオ、セガサタ、プレステ、wii 全部あるんだって。

動機はなんでもいいから、とにかく日本語がんばってねー。


将来クレジットカードやドルを持たないで入国しようとするアホ日本人が来てもやさしくしてあげてよーーー。

地域の日本語

2007-03-02 15:43:38 | 日本語教育
 現在滋賀県には多くのボランティア日本語教室があり、日本在住の外国人の方々が、日本人ボランティアから日本語を習っておられます。先日、その活動にちょっと参加させていただきました。

 日本人ボランティアの方の動機は様々でしょうけど、「なにかお手伝いしたい」という脱経済観念的なもので、私のように職業として日本語を教えているものは、なんだか身が縮む思いでした。

 ところで。

外国人の方は、なぜボランティア教室に来ているのでしょうか?

いろんな方と接してみて、「日本語を学びたいから」という単純な気持ちだけで来ているわけではないなと思うようになって来ました。要は、日本社会に「居場所」が欲しいのではないか?と思うのです。日本人といっしょにダラダラおしゃべりしたり、お茶飲んだりするだけでいいという人が多い気がします。

 よ~し、今日は「は」と「が」を習得するぞ!!

なんていうモチベーションは、日常生活からは出てきにくいと思うのです。

 私がかつて留学していたときも、イギリスに留学しているのに授業以外でイギリス人と接したことはほとんどありませんでした。外国人は、どうしてもその社会から孤立してしまうってことを嫌というほど実感しました。日本語教師は、外国に行っても比較的社会と断絶しにくい仕事だと思いますがね(そこが好き)。

 その孤立を防ぐ風穴が、日本語教室なんだと思うのです。

 ところが現状は、日本人側が「日本語を教える」ということを目標にしている気がします。ここに大きな問題があって、参加する外国人と日本人ボランティアの間に意識の違いがあるのではないかなと思いました。

 だったら、お前がなんとかしろ

って言われても何もできないからでかいことは言えません。

 が、

もんのすごい予算を割いた国際ほにゃにゃらフェスティバルとか、優勝したら旅行券がもらえるスピーチコンテストなんていう活動より、もっと地味でも、各町会館の外国人への開放とかのほうがニーズにあってるのではないかなと思うのです。


 Think globally , Act locally !!


口だけで言うてんと、実行せにゃいかんなあ。

台湾レポート

2007-02-21 13:20:20 | 日本語教育
 台湾よりご報告。

 大学生の日本語学習者に会って、ちょっと考えさせられたことがあり、ブログに向かっております。

 その大学生は、日本語学科三年生の男の子。もちろん台湾人。おどろくほど流暢にしゃべるので、びつくりでした。

 「アニメとゲームが好きです。」

この前のイラン人学生とは正反対で、サブカルチャーから日本語に興味を持ったタイプのようです。しかし、サブカルから入って、ここまで流暢にしゃべれるとはたいしたもんですよー。本人はビンナン語と中国語のバイリンガルなので、日本語の音もかなりきれいです。

 おねーちゃんも日本語学科出身で日本へ留学したそうです。だから、その学生さんも日本へ行きたいとか・・・

 ところが・・・


「両親は早く、兵役を済ませて、就職してほしいと言っています。」


 お、重い。

 留学か兵役か、という選択肢に、ちとショックでした。

音楽における言葉の力

2007-02-17 16:41:13 | 日本語教育
 とうとう家のCDラックがいっぱいになってしまいました。約1000枚収納できるはずだから、CDが約1000枚達成だ~。ここいらで、音楽における歌詞をつべこべと考えて見たいのです。

 そもそも音楽を商品として消費者に届けようとするならば、当然最大公約数の消費者に受けなければなりません。ということは、歌詞の内容もおのずと制限されてしまい、多くの人の実感を伴うようなものになります。音楽の歌詞が圧倒的に

 愛、人生(青春)、応援

の三本柱から構成されていることは、そのせいでしょう。三本柱にからんでくる言葉を順列組み合わせすれば、それっぽい歌詞が出来ます。

 いつの日か 君の 夢がかなうから
 僕は応援するよ 心から ♪  ファイト! 

ありがちな歌詞をベタに並べただけで、それっぽいでしょ?(まあ、こんなバカ単純ではヒット曲はでないと思うけど・・・)。あんまり変なテーマでは共感できないですもんねえ。

  二日酔いはつらいぜ べいべー ♪
  徹マンしたら、肌がタバコくさいぜ おーいえい♪
    ↑
  こんな歌詞あったら、僕は惹かれるんだけどなあ。・・・たぶん売れない。
  

 こうやって(どーやって?)、最大公約数の共感を狙っていくと、ほとんどの歌詞の内容が似たり寄ったりになってしまいます。結果的にメロディーがよければいい。という流れになってしまう気がします。もはや、言葉の力などあまり重要ではない(と思う人も出てくるはずな)のです(すんげー極論だけど)。

 そんな空気を反映して出てきたのがB-DASHというバンド。歌詞を紹介します。「SECTOR」より。  
 
 会いWEすポンどぅーりへーりすぽーれ来 法輪意  ♪
 愛おんぶスペーリ源中うぉーれ来          ♪


 なんのことかわかる??

 ところがところが、メロディーがかっこいい、演奏がすごい!ってこともあって、2003年6月のオリコンチャート10位です。つまり、これを買った人は、歌詞の内容なんてまったく気にしてないってことですよねえ。

 僕もCDを2枚買ったけど、やっぱ、寂しいものがありますねえ、一言語学者として・・・ただ、音楽はめっちゃかっこいいです(ちゃんとした歌詞の歌もあります)。

 
 ただ・・・中古CD屋を回ると、どこの店にもB-DASHのCDがぎょーさん並んでいます(僕は結構好きだから売らないけど・・・)。一般的にはやっぱ、CDを所有しようとするモチベーションが下がって、売られてしまうんじゃないでしょうかねえ。

 やはり、言葉の力は大事なのです。

 ちょっと安心してる自分がいたりして・・・

やばいなあ

2007-02-14 10:55:32 | 日本語教育
 「イランからの手紙」にいろんな反響があったもんだから、次の一手が書けなくて困っております。

このブログは、言葉や文化についてつべこべと考える比較的反社会的・非生産的なブログであり、特に社会派ブログでもありません。ここいらでまあ、思い切って通常のダラダラブログに戻りますよん。


 オノマトペという語彙があります。ドンドンとかピヨピヨといった類の語を指します。擬音語擬態語などということもあります。留学生にはこれらの語彙の習得が非常に難しいとされています。特に日本語は擬態語を発達させており、外国人にはとっつきにくいんだって~

 昔の教え子ちゃん(中国人)のコメント

 「日本のサービス業はすごいですねえ。みんな、ネコネコしています。」

 はははは、当時、中国のサービス業はひどかったからなあ、よほど印象的だったんでしょうねえ~。しかも、ネコネコってかわいい。このまま使いたいくらい。

 先日会った台湾人留学生のコメント

 「ちょっとそこでゴロゴロしていました。」

ええ!?町の中でゴロゴロ??きっとウロウロって言いたかったのでしょうねえ。上級学習者になると、こういった微妙なミス(意味は伝わっているんだからミスではない。)があって、会話に思わぬはずみがつくんですよねえ。

 昔、日本語学校の生活指導を担当していたころ、生活態度について柄にもなくお説教をしていました。

 「なんで、毎晩大声を出して飲み会をやるんですか?」←よく考えると愚問だなあ

 「すみません、頭がフワフワしていました。」


 あははは、もうお説教なんてやる気なくなってしまいます。


 日本人同士ではありえない会話のはずみ・アクシデントみたいなモノが外国人と話しているとあるのです。  

 
 僕はそれが好きでたまらないのです。

イランからの手紙

2007-02-08 11:20:46 | 日本語教育
 去年のことだったと思いますが、イランの某大学で日本語教師の求人が出ました。行ってみたい!とは思ったものの、資格があわなくて断念したことがあります。・・・時は流れて2007年、先日友人の日本語教師から来たメールには、なんと、

 今私はイランにいます。

わお!!世界は狭いなあ。友人が求人に応募していたのでした。その手紙が心に残ったので、みなさんにも読んでもらいたいなあと紹介いたします。

 はじまりはじまり~

 前回の日記で学生の向学心の強さを書いたところ、「大して実用的価値もない日本語をそこまで熱心に勉強する理由はなんなのだろうか」という内容の返事をはじめ、反響をいただいた。短期滞在でそこまでのことが理解できるのかどうかは分からないが、とにもかくにも教室編の第二弾である。

 朝、8時からの授業、時間が早いこともあるのか、学生がぱらぱらと遅れてやって来る。少し、遅れてやって来るグループが落ち着くまで待とうかと思い、質問を投げかけてみた。「この前、皆さんに聞いたところでは、卒業してもなかなか日本語を使う機会はないということでしたよね。例えば、日本の会社も英語がしっかりできる人がほしいということでしたよね。それなのに、皆さんの中には鏡の前で一人で会話練習している人や、バスの中で友だちと会話練習している人もいます。どうして、そんなに頑張ろうという気持ちになるのか教えてくれますか」と率直に質問してみた。学生はすぐには答えない。ちょっとだけ答えを待つと、「好きだから」との答えがあった。「それだけ?」、「好きだからです。だから、頑張ります」、「何が好きなんですか?」、「日本語が好きなんです」。この学生、言いたい内容が日本語でうまく言えないからこう答えているのではないようだ。本当に好きなんだろう。どうして好きなのか言語化できなくても彼女にとっては真実なのだ。他の学生は「私は日本語について高い目標を持っています。4年間では、そこまで行くことができません。だから、卒業しても勉強を続けていきます」と発言した。「でも、卒業しても日本語を使える場所がないでしょう」と聞くと、「できれば翻訳がしたいのですが・・・」との答えだった。真面目な学生にとって日本語を学ぶ動機は何かの手段や利益のためではない。ただ、学びたい、もっと向上したいという思いである。

 日本人や、日本語の歌、ドラマ、映画などにほとんど接する機会がなく、日本へ観光で行きたくてもビザを取得するのは極めて難しい。そイランと日本の政治的関係は必ずしも良くない。しかし、多くのイランの人は親日的である。レストランに行っても日本人であることが分かると「そうですか、日本人ですか」と微笑まれることが多い。また、限られた情報ソースのなかでイランの人は日本について知ろうとしている。今日、日本語学科の事務室にいると、テヘラン大学の工学部の学生が訪れ「日本が大好きなんです。日本のアニメは素晴らしい。日本語はとても、とても美しい。だから、ちゃんと勉強したいのですが、その方法を教えてもらえませんか」と目を輝かせて質問していた。逆に、イランに対してこれほどの興味、関心をどれだけの日本人が持っているのであろうか。日本で伝えられるイランとは核兵器を開発しようとしている危険な国、イスラム原理主義的な国、どこか危なく、掴み所のない国といったところだろう。目先の利益のためではなく、純粋に日本語が好きで、日本に興味があるという理由で、ここまで熱心に日本語を学ぼうとしている学生の存在を日本の皆さんに知ってほしい。そして、万が一にもアメリカ主導でイランに空爆などという企てを起こしそうになったら大きな声で反対を叫んでいただきたい。私の学生やその隣人を危険には晒せないのだ。


株価上昇 ↑

2007-02-04 14:14:04 | 日本語教育
 日本語学習歴8年の台湾人留学生と先日遊んだ日本語教師歴8年の私。

 冒頭から連体修飾が多すぎて、なんのことだかわかりにくいですねえ。その留学生に質問されたのが、以下の質問。

 「この植物はなんですか?」

その指差しの先にあるのは、葉牡丹でした。幼少のころ私は母が育てていた葉牡丹をキャベツと間違えてかじり、ひどい目にあっていたので名前ははっきり覚えていました(あ、別に食糧難の時代とかとちゃいますよ)。

 「ハボタンといいますよ。」

 「ひえー、私はこの質問をたくさんの日本人にしましたが、答えた人は初めてですよ!!」

およよ、なんだかわからんけど、どうでもいいところで私の株価が急上昇していく音が聞こえますね~。調子に乗って、「あれは南天です。カラスがつまんでは、父の車の上に糞をしていきます。」などと、余計な説明までしてしまったっちゅうねん。

 日本語教師の評価って、よくわからんもんですね~。さんざん準備した文法解説に、みんなまったく反応してくれないときなんかしょっちゅうなのに、飲み会でモンゴル語の歌を歌っただけで株価が上昇することもあります。

 なんやわからんけど、結果オーライ。 


 田舎モンでよかった

ハーチルさんのメガネ

2007-01-11 17:16:26 | 日本語教育
 今日は絵本に挑戦(絵はないけど・・・)。それでは勝手にはじまりはじまり~・・・ 



ハーチルさんはインドから来た留学生です。毎日一生懸命日本語を勉強しています。ハーチルさんにはとても大事なものがありました。それはインドから持ってきたメガネです。

 「いいメガネですねえ。」

と先生に言われましたが、ハーチルさんは意味がわかりません。ニコニコしてごまかしました。ハーチルさんはホームステイをしていました。ある日、ホストマザーの子供と遊んでいたら、子供がハーチルさんのメガネをかけたいと言いました。やさしいハーチルさんはメガネを子供に貸してあげると、子供は

 ポイッ

とメガネを投げてしまいました。メガネは床にあたり粉々に割れてしまいました。でも安心、ハーチルさんは同じメガネをもうひとつ持っていました。

 ある日、ハーチルさんは大学で勉強しているとき、疲れたのでメガネをはずそうとしたら、手が滑って落としてしまいました。当たり所が悪く、メガネは片方だけ割れてしまいました。困ってしまいましたねえ、ハーチルさんにはもうメガネがありません。仕方なくハーチルさんは片目だけのメガネをかけて勉強しました。困っているハーチルさんに先生は言いました。

 「次から日本へくるときには、メガネを三つ持ってきましょうね。」

今度はなぜかすべて意味がわかったので、ハーチルさんも友達もみんなで大笑いしました。

 ははははははははははは

でもハーチルさんは片目メガネをかけながら、心の中で思いました。

 「笑い話じゃないっちゅうねん!」



いや~、いいですねえ、最後にインド人なのに関西弁でつっこむあたりが秀逸です。っていうか、人名以外ほとんどノンフィクションです。ハーチルさんはメガネをインドから送ってもらい、いまは新しいのをかけております(後日談)。

おしまい。

M1と関西弁

2006-12-27 13:32:42 | 日本語教育
 僕の中で年末の一大イベントと言えば,M1(正式名称は漫才グランプリかな??)なんですが,視聴率は関西で30%強なんですね~.

 70%くらいあると思ってた.マジで・・・

優勝者,去年のブラマヨに続き今年のチュートリアルも共に関西ではメジャーです.関西の芸人さんが東京へ出ていくのはなんともうれしいものです.

ご存知ダウンタウンも,東京で成功するにはえれー時間がかかりましたねえ.ダウンタウンの成功と,関西弁の普及は関係があると思うんだけどなあ.

 ところがところが,最近テレビの浜ちゃんとかを見てると,

 「そうなっちゃった」

みたいな,関東っぽい発話が目立ちます.つまり,関西弁ではなく少しずつ変化しているんですね~ダウンタウンの言葉は.

 このような関西弁の動態的な状況を研究しておられる真田先生は,共通語と方言との接触による混交形式を

 ネオ方言

と呼んでおられます.キンキキッズの発話なんかも聞いてるとおもしろいですよ~.「『キンキ』を名前にしている以上関西弁しゃべらないかん」という立場と,「じゃニーズなんだからあんまりベタベタ関西弁はね~」という立場がせめぎあっております.

 ネオ方言は,一度日本語教育能力検定に出ています.

 
 個人的にはトータルテンボスがすごく好きなんだけど・・・

 最後はM1の話に戻って,おわり.
 

昔話の話

2006-12-21 10:50:08 | 日本語教育
 またまた引き続いて昔話について。なんと、別の教材でも昔話に関する読解が出てきたのです。「トピックによる日本語総合演習 中級後期」では、日本の昔話を単に紹介するのではなく、昔話について論じているエッセイが教材として提示されています。

 細かい話はおいておいて、授業で学生さんと話をした結果、日本と韓国では共通するものや異なるものがあると知りました。

 こぶとりじいさんは共有している

 一寸法師、かぐや姫は共有していない

お隣の国だから、どっちかがどっちかに伝えたんでしょうねえ。
 
 興味深いのは、「王様の耳はロバのみみ」というポルトガルの話、実は、チベットにもあるんですよ。チベットでは「王様に角がある」って言うらしいですが・・・こういった話に共通点があるのは、人間の無意識をベースにしているからなんだとか・・・

 『昔話の深層』(河合隼雄)によると、このへんの話はユングが指摘しているようです。

 
 昔話を集めて、あーだこーだ議論がなされていたなんてしらなんだわ。


 僕が好きだったお話は・・・ 「グリとグラ」


 グリムってなんか悲しいのが多くて不思議だったなあ・・・

南の島から南の島へ

2006-12-18 13:41:14 | 日本語教育
 授業で使っている教科書に、「うらしま太郎」が出てきました。読解文としてでてくるのですが、この手のパターンの話は、他の国にもあるというのを聞いたことがあったので、学生さんと昔話についてお話ししました。

 「マレーシアには似た話はないですが、マレーの話は、インドネシアとフィリピンでかなり共通していますよ。」

 この話題に、びびびっと来る人は言語通だ。

マレー語とインドネシア語とフィリピンのタガログ語は、すべて、オーストロネシア語族という同じグループです。オーストロネシア語族ってのは、西はアフリカのマダガスカルから、東はチリのイースター島まで広がる、超広域言語群なんです。当然、人々はカヌーで移動したはずだから、もんのすごい距離ですよ(ヒマな人は地図みてみて)。

 一体なんで人々は無理して移動したのか??

 一体どうやって、こんな長距離を移動できたのか??

謎とロマンが混在するおもしろい言語族なんです。興味ある人は「海を渡ったモンゴロイド」って本がおすすめです。

 ちなみに、私は、琵琶湖の真ん中にある島までボートで行ったことがあります。

 
 それでけで、じゅうぶんしんどい。


 インドネシアから、イースター島まで移動するなんて考えられへんわ。


 「カヌーで行ったら百万円あげる」


 って言われても行かない。