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日本語教師の見た中国とか…

日本語教師が見た中国をつらつらと綴ろうとはじめました。帰国後、大学院生を経て今はとうとう専任日本語教師だ~。

射的

2005-08-14 14:54:26 | 中国
 わーい、写真が登場です。

 ブログに写真を貼り付けただけで、なんだかパソコン技術者になった気分だ。これはテキ屋でもらった景品です、射的で的に当ててもらいました。ぶっさいく~でしょ?

 なんだか捨てられなくて困っています。
  
 さて問題、この子はいったいだーれ?

1、ミッキーマウス

2、ミッキーの着ぐるみを着た内山君

3、逆さに見たらガンキャノンになる




答えがあったらこっちが聞きたいよ~!!

車社会

2005-08-13 21:21:22 | 中国
 中国はアメリカ型車社会へと向けてヒタ走っています。うちの学校の先生も半分は車持ち、学校教師が車を持てる時代になったんですね~。中国の変化は本当に早い!町の渋滞も日に日に激しくなっている気がします。

 「名古屋人はいい車を持つことがステータスだ」

って言ってた作家がいますが、車産業の町、長春にも同じことが言えそうです。

 こんな折り、知り合いの校長先生が車を買いかえたっちゅうので、乗せてもらいました。乗り心地はとてもいいです。  どこの車かなと降りて・・・

 車を見てびっくり・・・日産ティアナ!

びっくりと言ったら失礼ですが、中国市場は日本車の進出が遅く、フォルクスワーゲンとかにメチャクチャ遅れをとっております。それでも日本車と言えば、トヨタが入っているくらいで、なかなか日産をみなかったもので・・・

 私 「なんでまた、日産なんですか?」

 校長「アウディが好きなんですよ。」

 私 「ええ?」

 校長「でも、アウディは高くて買えなかったんです。」

 私 「なるほど」

 校長「で、トヨタを買おうとしたら納車が2ヵ月後と言われ・・・」
   「すぐ納車できる日産にしました。」

なんやそれ!日産の人が聞いたら怒るでえ。

車を選ぶ動機っていろいろだなあ。僕なら断然、小型三輪だけど。

緑化運動

2005-08-11 09:16:20 | 中国
 街の中に緑化しようっていうスローガンがちらほら目につきます。有言実行ってことか、4月には町中の花壇や公園に一斉に花が植えられました。‘一斉’にというのがぴったりで、
 
 「街の隙間という隙間を全部埋めてしまえ~」

という感じで、人海戦術ですよ。あっという間に、花の咲き乱れる街になりました。

 「なりました。」というのは4月の話、全く無責任に花を植えまくったわけで、その後誰が水をやるとか当然決まっていません。私の宿舎前にも数ヶ月間は見事なお花畑でしたが、ここ1ヶ月くらいは、完全に枯れ花畑でした。

 「ちゃんと手入れしようよ~」

と思っていた矢先、昨日花壇を見たら、

 枯れ花を全部引き抜いて、また新しい花が植えられておりました・・・

 「なるほど~これなら常に満開のお花畑だし、種苗業者も儲かるし一石二鳥だ~」

 なんてこと~言えない~♪(キロロの「長い間」風に読んでください)

 
 やっぱりちゃんと手入れしようよ!


でもでも、「大量に生産した商品を大量に消費して廃棄する」これって資本主義の屋台骨ですよね。大量消費、大量廃棄、こうやって経済のサイクルはどんどん機関車のように回り続けるのです、そう考えたらこの無責任花壇も、

 「そちもなかなかやるではないか、おほほほほ」

という気持ちで見てしまいます。

 でもでもでも・・・

 やっぱり手入れしようよ~!

アイデンティティ

2005-08-10 12:34:12 | 中国
 中国に来て、のべ、3年が過ぎました。3年っていう数字がポイントだと思うのですが、突然日本人オーラが消えてしまうようなんです。本当に日本人か?って現地の人によく聞かれます。若いころは、

 「国籍不詳のあやしいおっさんになる」

という願望があったのですが、なってみたらそれはそれで悲しいもの。最近どうも日本人扱いしてもらえないんです。特に中国語を話しているという状況ではないのに、日本人に見えないみたい。

 1、日本人教師団の中にいるのに、初対面の人は僕にだけ「ニーハオ」という。

 2、日本人に出会うと、「日本語お上手ですね~」と言われる。←おいおいおい!
 
 3、久しぶりに会った父に、「何人かわからへんなあ」と言われた。←あんたの息子よ。

ばあちゃんなんかよく3年一昔って言うけど、自分も変わっていくんでしょうね。変わらない方がおかしいんですけど。

 昨日宿舎に知らない日本人が部屋を間違って入ってきました。びっくりして振り向くと、

 「あああ、あいあむ そーりー」だってさ。


 うおおおおおお、俺は一体何人なんだ~


 30過ぎのアイデンティティクライシス。


日本料理

2005-08-09 14:48:08 | 中国
 長春には日本料理屋が結構あります。おいしいのもあれば、うーんっていうのもあります。私の宿舎近くにも何軒かあり、たまたま昨日、そのうちの一つに行って参りました。ウラ寂れた通りにある店の名前が・・・

 「福島」

ターゲット狭すぎ!!

 「うわー俺の故郷やんけ~ちょっと入っていくか~」

なんていう客いると思います?そりゃたまにはいるだろうけど・・・その人がその時お腹すいているとは限らないし。中国にいるのに日本食なんか食わねえぜ的な発想の人かもしれないし。実は福島県が嫌いな福島の人かもしれないし・・・

 なんと「福島」の近くにもう一軒日本料理があり、名前は・・・

 「香川」

なんで?

せめて「滋賀」とか「琵琶湖」とかにしたら私が常連になるんだけど・・・

 店で「日本の酒ちょうだい」って言ったら、なんと「いいちこ」が出てきました。ご存じ下町のナポレオンですよ。日本ではあまり飲んだこともなかったけど、なんや昨日はすんごいおいしかったです。北京の輸入業者が日本から入れて、中国全土に流通させているみたいです。

 日本料理屋がどんどん増えて、中国の人が食べるようになるのはなんとなくうれしいですねえ。

 広がれ!!いいちこ愛飲者。

   

カップラーメン戦争

2005-08-07 22:15:06 | 中国
 世界一の市場と言われる中国のカップラーメン市場。スーパーの売り場も半端じゃない!その市場を圧倒的に独占している企業が、康師博と統一という二大メーカーです。個人的には統一はおいしくないと思うのですが、駅のキヨスクから、その辺の汚い店までびっしり流通させております。

 我らが日清はいまひとつ、売り場の隅っこにUFOがちょろっとあるだけ、カップヌードルトマト味っていうのがおいしかったのですが、近所のスーパーからはとっとと消えてしまいました。市場参入は難しいのでしょう。

 話は戻って、康師博と統一。実は両方とも台湾企業なんです。

 「言うこと聞かんかったらせめるアルヨ~!」

って中国は台湾を威嚇することがありますが、経済という中国の首根っこをにぎっているのは台湾なんですよね~。台湾が中国市場にいつの間にかす~と入ってきたように、中国台湾もいつの間にかす~と合流してしまえたらいいんだけど…平和的に。心からそう思います。

 しかしね~


 日清もうちょっとがんばれ!マルちゃんでもいいぞ!



ガサ入れ

2005-08-06 23:47:19 | 中国
 海賊版天国のこの国、なんでもかんでもコピーを作ります。町の繁華街にあるビルはワンフロアすべて海賊版のソフトが売っています。個人商店が100軒くらい入っている集合商店っていう感じです。プレステ1・2、ゲームボーイ、パソコンソフト、これらはだいたいみんな日本製。一日本人として、

 「うちらの大事な輸出品を勝手にコピーしやがって~」

って思ってしまいます。ソフトは一枚4元くらい(約50円)。もちろん日本製だからゲームは日本語で展開していく。ドラクエなんかどうやって遊ぶんだろう?ファイファンもあります。
 
 おもいっきり、おおっぴらに売っているんですが、エロソフトだけはこそこそ売りに来るんです。

 「エロいのあるよ、買わない?」

なぜか、こそこそ言ってきます。

 「この国でエロいのは禁止なんだ。でもいいぞ~ひひひひ」

なんて言っているんです。

 「俺ってそんなに欲しそうな顔してるか?」

それは置いといて、エロだけじゃなくて、プレステもゲームボーイもパソコンも禁止のはずだぞ~。なんでゲームソフトはおおっぴらに売るんだよ!とずっと不思議でした。こんなこと言い出したらCDも違法なんですけどね。

 今日たまたまその集合商店を通ったら(エロソフトを買いに行ったわけじゃないよ!)、店は全部開いているのに、商品が全部片付けてあるんです。つまり、お店は全部開いているのに、店員がいるだけで何も売らないっていう状況なんです。ガサ入れが入るということですが、こんなアホな状況あります?全部の店が開店したまま、売り物がないんですよ。検査官も気づくけよ~

 今日わかったこと


 「ゲームソフトも違法であり、それを了解の上で店員は売っている」


 WTO加入ってなんなんだ~!!

トンパ文字

2005-08-05 15:47:13 | 中国
 トンパ文字ってご存じですか?中国の雲南にいるナシ族の文字で、世界で現存する数少ない象形文字です。象形文字とは形から意味がわかる文字のことで、例えば、


      


これで、「ねずみはいちごが好き」って表したとしたら、象形文字です。

 宿舎の近くに、トンパ文字グッズの店があり、おもしろいのでいつも冷やかしていたのですが、店員さんがやたら詳しいのです。これはどういう意味?とか聞くと、すぐに答えられるんです。中国でなかなかこういうプロフェッショナルな店員さんに会うことはないんですよ。

 私    「ひょっとしてナシ族の方ですか?」

 店員さん 「そうです、長春育ちですが・・・」

ひゃー、びっくらこいた。この店員さん、器用にトンパ文字をカリカリ書くんです。それだけで神秘的な女の子に見えてしまう。

 冒頭の例を見たらわかるように象形文字ってのはなかなか使い勝手が悪く、

 「太郎が母親を思って泣きそうになったとき、次郎は東京でアルバイトしてたかもかも」

なんていう複雑な文は書けないでしょうね。どうやって絵であらわすねん!ってことですよ。だから、ナシ族でも宗教的な儀式にしか使わないということです。それも納得できます。

最後に自作の象形文字で一言。


       


パン ツー まる 見え 



古すぎ!!!!!

タクシーのメーター

2005-08-02 14:33:42 | 中国
 両親が国へ帰りました。空港でお見送りした帰り、ちょっと急いでいたのですが、ぼったくりタクシーを避けてウロウロしていました。そこへ角刈りの明らかにうさんくさいおっさんが寄ってくるんです。顔はあらいちゅう(志村けんの前任者)にそっくりなので、以後、あらいさんと呼びます。

 あらいさん「なんだバカヤロー、乗ってけよ(これで笑える人は30代後半だ~)」

 私    「○○街まで20元(260円くらい)だったら乗る」

 あらいさん「そりゃ無理だ、そこなら30元(390円くらい)かかる」

 私    「20元じゃないのね」

 あらいさん「なんだバカヤロー、メーター通りに払え(もう一回使ってみた)」

メーター通りならめちゃなぼったくりはできないだろうし、何より急いでいたので乗り込みました。しゃべっているとこのあらいさん、やたらと「メーター」という言葉を乱発するんです。今朝両親と空港まで来たとき、メーター通りで20元でした。だから帰りも同じように20元だろうと思っていたのが甘かった!

 やたらとメーターの上がりが早いんです。どうやらあらいさんは左手でメーターを操作しているみたいなんです。ガガガガガーと料金が上がり、あっという間に20元。やられましたね~。しかし人間ウソつくときはわかりますねえ、「メーター」通りっていう言葉を乱発する裏には

 「メーターはいじってあるんだぜ、イヒヒヒヒ」

っていうメッセージが隠れていたんですねえ。な~んだメーターいじってるのかとわかったとたん、むかついてあらいさんの会話を無視してやりました。あらいさんも慌てて、一生懸命しゃべってくるんですが、こっちは無視。

 「メーターがね、こうなってるんだよ」

 「ほら見ろ、20元では無理だろ~?」

当たり前やんけ!おっさんのメーター、インチキやん。とっととけんかして降りればよかったんですが、時間がなく我慢我慢。最終的にはメーターがちょっきり30元を指して到着。

・・・んなアホな話あるかいな。

まあ10元くらいでガタガタいうのも大人げない話です、ただ外人はアホやから引っかけやすいわ~って思われるのは嫌かな。この間あらいさんが「メーター」って単語を17回発しました。

 う~ん、たった10元だますのにもかなりの労力がいるんだなあ。



 もうちょっとこう、エレガントに私をだまして~!!

骨董品? 3

2005-08-01 15:12:47 | 中国
 父親がアンティーク時計を買いたいなどと申すので、またまた先日骨董品屋ビルへ向かいました。前パンダコインを探し歩いたことのあるビルです。最初の店に入っていきなりビンゴ!すんげーかわいい時計を発見。ビー玉みたいに球体をしていて、中心部に時計をはめてあるのです。ちょっと古い感じがして、父親も私も一目惚れ。

 私 「これいくら?」
 
 店主「それは清朝中期の品物だから高いんだ、700元(9000円くらい)。」

 私 「そんなにするの?」

 店主「1600年くらいの品物だぞ~」

なるほど、そんな古いなら高くても仕方がないなあ、買うのはちょっとやめとこ。うん?でも1600年頃ってすでに清朝中期だったかなあ。なんや怪しくなって、時計をまじまじと見たら・・・・・

 「omega quartz」

って文字が目に入ってきました。

 「あ~そうかそうか、清朝の太祖ヌルハチは馬に乗りながら、オメガの時計してたのか~」 

なんて思うかコラ!

どんどんどん、乗り突っ込み、どどんどどん、失敗~(安田大サーカスより引用)

 どうも、こちらの人は言葉に重みがない。言葉なんて所詮主観的なものやから多少真実からずれるのは仕方のないことです。でもでもあまりにも軽すぎるってのはなあ~、特に骨董品屋のおっさんなんて慎重にしゃべらにゃいかん仕事やと思うんやけどなあ。僕なんかは言葉は超重くあるべきだなんて思ってしまうタチです。

 「必ずあなたを幸せにします」
 
な~んてセリフはシャレでも言えないなあ。「そんなこと俺と付き合ってみなわからへんがな」って思ってしまう。

帰りにちょこっと寄った露店で、骨董品屋のと同じ時計が100元で売っていました。

アンティークの道は険しい。 

旅で出会った素敵な人 3

2005-07-31 10:18:20 | 中国
 高句麗の山城遺跡は、広大な山脈の谷間に点在していました。その谷間の土地も今ではすっかり農地になっており、農地の隙間に遺跡がポツポツあるっていう感じです。遺跡から遺跡へ移動する途中に、農家の人が野菜を売っていたり(もちろん違法なんだろうけど)して、観光地のくせになかなかいい感じなんです。

 一番奥のほうにある遺跡へ向かう途中、小さい女の子が野菜や果物を売っているのが見えました。どー見ても「親にやらされている」っていう感じなんです。

 「お前が店番すると観光客はひっかかるんだよ~」

なんて言われているのかも。女の子は退屈らしく、ずーとカブトムシをいじって遊んでいるんです。そこへ現れた我々観光客のカモが二匹(父と私、他の二人はしんどいといって来なかった)。

 私   「カブトムシ見せて~」

 女の子 「あげるよ~」

 私   「いやいやいいよ、見るだけ」

本当は欲しいんだけど、小さな子から30過ぎのおっさんがカブトムシを取り上げるなんて絵的に痛いので我慢しました。な~んかかわいいんです、カブトムシをいじっているしぐさとか、一人ぼっちで退屈そうな感じとかが・・・

 遺跡を見た帰りに、果物を買ってあげようと、もう一度女の子の所へ来ました。

 私  「そのスモモちょうだい、いくら?」
 
 女の子「10元」

 私  「量が多すぎるから半分にしてよ。」

 女の子「ダメよ」

 私  「う~ん、困ったなあ、じゃあ、10元あげるから半分だけもらうよ。」

 女の子「それもダメ~!」

どうやら誰かに教えられたとおりにやってるみたいで、金は払うけど、半分だけ持っていくなんていうアホな客は想定してなかったみたいですね。それがまたかわいい。こっちはぼったくられていることも承知で、それでも農家にお金が落ちるならいいかなあと思っておりました。

 私  「じゃあ、全部もらうよ。」

 女の子「シエシエ」

 私  「もう一回カブトムシ見せて。」

 女の子「あげるよ」

 私  「いいよいいよ」

やっぱり欲しかったなあ。

なんとなくうれしい気持ちで帰る途中、ふと振り返ると、どこからか現れたおっさんが女の子に渡したお金を取り上げて帰るところでした。な~んかせつないですねえ、大人っていやねえ。農村はまだまだ貧しい生活なんです。無邪気にお金をおっさんに渡している女の子がけなげでした。

帰りに食べたスモモはすごくすっぱかったです。

旅で出会った素敵な人 2

2005-07-30 10:23:23 | 中国
 中国の田舎の観光地には、運転手なんだかガイドなんだかよくわからない人がたくさんいます。ポン引きみたいに寄ってきて、ガイドを請け負うんですが、本職は運ちゃんなんです。今日紹介するLさんもそんな運ちゃんだかガイドだかよくわからない不思議な人です。

 「車乗りませんか~」

と声かけてきたのが彼との出会いでした。私は普段、ポン引きを無視しています。 
 「やっぱり、追われるよりも追いかけたいの、うふ」

な~んていう乙女心でしょうか。しかし彼は、なんやめちゃくちゃ純朴な顔してたので、私もついつい話にのってしまいました。目をみて、彼に決めました。

 車をチャーターして遺跡へ連れて行ってくれと、値段交渉しました。彼の車を見てびっくり、なんとバイクの後ろに座席をくっつけたバイタクなんです。こっちは両親とつれとで4人だから、かなりギュウギュウに座らなければなりません。

 「なんか絵的におもろいなあ」

ということで、とりあえず乗り込みました。乗ってみてびっくり、バイクがボロイボロイ。たぶん集安のバイクを全部一列に並べたら、後ろからベスト5には必ず入るであろうというボロさ。

 ガガガガ、ブスブスブス、ぼこんぼこん。

ちょっとした坂道でもひーひーという悲鳴が聞こえます。な~んかSな気分で嫌だなあ。

 この運ちゃん、本当にまじめで、一生懸命観光スポットを説明してくれるんです。こっちは運ちゃんとして雇ってるんだから、説明は予想していませんでした。
ただ、彼は真面目すぎるんです。

 「あれが北朝鮮の町です、おおきな絵はキムイルソンです。」
 「あれが町のお墓です。」
 「向かいの町を見たければ、ボートに乗ってください。」

「そんなん見たらわかるがな~」って言いたくなる話もあるんですが、とにかく真面目にいちいち話してくれます。38才、妻子持ち、まじめ一筋で生きてきたんでしょうね~、浮気なんかせずに(これは私の主観)。その家族の生活を背負っているのが、あのポンコツバイクかと思うと、

 「僕は降りて、後ろから押しますよ。」

って言いたくなります。なんやバイクから哀愁がただようんですもの。

 結局2日間とも彼にお世話になって、お別れのとき。

 運ちゃん「みなさんが帰るのは2時50分のバスだから、その時また駅まで送ります。」

な~んていってくれて、な~んかセンチメンタルな気分でした。いったんホテルに帰って、2時くらいからロビーで彼を待っていました。いい客を捕まえたら、そっちに行ってしまうだろうなあとは思いつつも、なんとなく彼を信じて待っていました。・・・・・・・・・・・ところが2時35分になっても彼は現れません。

 「あ~旅の縁なんてせちがらいなあ」

と思いつつ別のタクシーを捕まえ、バスターミナルまで行きました。なんとなく心は沈んでおりました。ところが、バスターミナルに着いたら、Lさんがいるんです。
 
 Lさん「何してるんだよ~早くしないとバスが出てしまうよ。」

私は「何もくそも、あんたを待っていたんやんか~」て言おうとしたその時、ふと気が付きました。

 「中国語の‘送’は‘見送る’の意味で、‘駅まで送る’という意味ではない」


うおおおおお、結局私の聞き取りの問題かよ~。疑ったりしてごめんよ、Lさん。

 あ~それにしてもあのバイクはボロかった。

旅で出会った素敵な人 1

2005-07-29 10:37:43 | 中国
 ちょっくら高句麗遺跡のある集安まで行って来ました。同じ吉林省にあっても、電車で一晩かかるという僻地です。この町は好太王の碑文や、城跡などの世界遺産があります。また、北朝鮮との国境の町でもあります。観光的なことはガイドブックを見れば載っているので、ここでは田舎町で出会った素敵な人を紹介します。

 夜行で着いてすぐタクシーに乗り、ホテルへ行きました。

 「どうせなら北朝の国境ギリギリのホテルを取ってやろう」

と、国境の川に面したホテルを予約していたおきました。ホテルに着くと、いきなりチマチョゴリを着た女の子がそうじしてるんです。しかもあまり中国語が通じない。胸には北朝鮮のバッジをつけており、どうやら働きに来ている子のようです。北朝鮮の人は中国でいつもバッジを付けております(長春でもたまにいます)。曽我ひとみさんも最初はそうだったけど、みんな海外ではバッジをつけるようですね。

 後で知ったことですが、このホテルは北朝鮮との合弁会社で、集安には一軒しかないそうです。つまり、北朝鮮の人が働いているのは、この町で私の泊まったホテルだけみたいです。両親を連れていたので、

 「聞いてないよ!!なんかトラブルがあったらどうしよ~(ダチョウ倶楽部より盗作)」

なんて思ってしまいましたが、そう思う自分が情けないですね。北朝鮮の人がみんな拉致に関わっているわけもなく、「日本人がみんなチョンマゲしている」っちゅうくらい事実にそぐわないステレオタイプです、猛烈に反省。

 北朝鮮の子は全部で3人いました。父がいちびって

 「アニョアセヨ~」

とヘタクソな朝鮮語を連発していたので、最初は我々が朝鮮族の中国人だと思ったらしく、朝鮮語でガーっとしゃべってきました。こちらに通じるわけもなく、

 「ごめんよ~うちらはわからないんです。」

とつまらぬいいわけを私がする羽目に。まったく親父はいつも無責任にしゃべる。その中の一人、Yさんはすご愛嬌があって、人懐っこいんです。日本人が珍しいようで、一生懸命中国語でしゃべってきてくれます。おたふくソースのトレードマークみたいな顔してるんですが、笑うとかわいいんです。
 
 「ニーハオは日本語でなんていうの?」
 「あなたはガイドさん?」
 「なんで日本人が中国語はなすの?」
 「ごはん前にビール飲むの?」

なんやイチイチ質問がかわいいんです。話を聞くと、3年契約で働きに来ているようで、毎日仕事があり、結構大変そうなのです。あまり根掘り葉掘り聞くのは失礼だと思うんですが、親父が酔っ払っていろいろ聞きたがり、通訳するのがほんまにうざかった。
 
 僕がちょっと気になったこと、中国人従業員と北朝鮮人従業員があまりいっしょにいなくて、なんか中国人側が威張っているように見えました(これは主観かもしれないけど)。中国人側は漢民族ばかりで、朝鮮語ネイティブの3人はマイノリティー、確かに大変だと思います。来てから一年半経つというYさんも中国語の教科書を持って一生懸命中国語を覚えていました。1年半の割にはめちゃくちゃ上手です。僕とのコミュニケーションもほとんど完璧。長春に一年半もいるくせに未だに、

 「シャオジエ~(おじょうさ~ん)」

しか中国語ができないおっさん(これは私の父ではない)を知っているだけに、かなり驚きました。

 とにかく明るくて、細かい配慮ができて、すごくいい印象を持ちました。Yさんはあと1年半で帰国します。帰国後何をするのかなんてわかりませんが、日本人に対してどんな印象を持って帰るんでしょうか、ちょっと気になりました。

 「日本人は世界一礼儀正しいですね、二番目は朝鮮人です。」

 な~んて言ってたけど、ちょっとだけでも本音だったらうれしいなあ。
 

日本語ガイドさん

2005-07-26 16:06:19 | 中国
 この町(長春)には、満州国時代に日本人がぶったてた国務院(国会議事堂)がそのまんま残っています。形は日本の国会議事堂とそっくり。今は、吉林大学の校舎の一部として使われています。そこへ両親を案内して行ってまいりました。

 建物に入ったらいきなり日本語ペラペラのおじいちゃんが出てきてびっくり。ものすごいモンゴル顔(朝青龍系)で、かつモンゴル語なまりがあり、すぐにモンゴル族だとわかりました。この町でモンゴル族の人に会うのは久々なのでなんかうれしくなってしまいました(私は昔、内モンゴルにいました)。気になったのは、おじいちゃんの日本語。

 「じゃあ、これから案内してあげます。」
 
 「これから説明してあげます。」
 
 「じゃあ、君、答えなさい。」

なんて言うんです。「おいおいおいおいガイドなんか頼んでないよ~」って言いたくなります。悪気がないのはわかってても、「なんか偉そうやなあ」って思ってしまうのが日本語母語話者の性。
 
 日本語教育の初級で「~てあげます。」「~なさい。」を導入するとき、すごく注意が必要です。この二つの文型は自分から使わないほうがいいっていうことをしつこく言うようにしています。初対面の外国人に

 「私の国を紹介してあげます。」

なんて言われたら嫌でしょ?「~してちょうだい」っていうつもりが、「~なさい」になってしまう学習者も多いです。いきなり言われたらムッとしてしまいます。

 こういう観光地で日本語ガイドが出てきたら、これはもう必ず最後にお土産売り場に連れて行かれます。ガイドしてもらった負い目もあるし、なかなか何も買わずには出られません。なんやかんや勧められていると、父がそれに乗せられて、気が付いたら・・・

 満州時代の町の地図30元×2枚、DVD50元、絵葉書10元×2枚、計130元(1700円くらい)

買わされておりました。思いっきりぼったくられていることはわかっていても親の手前黙っていました。でもでもそのガイドさん、うちらをカモと見て、さらにもっとDVDを買わせようと、押してきます。観光地で日本語ができる人に会うと間違いなくこのパターンになって悲しくなってしまいます。あまりにうるさかったのでついに切れてしまいました。

 私    「あのねえ、DVD50元なんてむちゃくちゃやろー」

 ガイドさん 「これは100元のを50元にしてあげているのです。」

 私    「何言うてんねん、DVDの相場は一枚6元や!俺の給料月2000元やで。」
      「給料2000元の教師にとって、50元のDVD安いと思うか?」

 思わぬカウンターを中国語で食らって、ガイドさんしょんぼり。

 ガイドさん「実は上司に言われて50元で売らされているんです、高いのはわかってます。定価は15元なんです。」

そんな素直に謝られたら、こっちがまたまた罪悪感を感じてしまうもんです。しかも言わなくてもいいのに定価まで教えるなんて・・・結局そのまま50元で一枚だけ買いました。でもでもでもでも、反省しなければならないのはこっちです。

僕はいつもこう思います。

「物価の安い国で価格差を楽しんでる日本人の自分と、物価の高い国から来た人間を騙そうとする中国人は、全く同じ原理で動いている。」

だから僕がガイドさんを責める資格なぞないんです。

もうひとつ反省、実は僕の給料は、3000元です。1000元サバ読みました。

保安トリオ

2005-07-25 18:27:47 | 中国
 私の住んでいる宿舎(ホテル←ホテルって言うのはおこがましいようなホテル)には、ものすごい数の従業員がいます。共産主義の名残か、どう考えても余剰職員だろっていうのがたくさんいます。毎日ロビーで偉そうに(お客用のソファーに)座っているおっさんがいて、誰やねんって思っていたら、宿舎の副責任者だとか。(抜いた鼻毛をソファーになするなよ!!)
 
 副食堂長、副コック長、副経理…副○○なんつう役職がいっぱいあって、もちろん‘副’がつかない役職もいっぱいあって、幹部だけでもすごい数、しかも仕事はほとんどしない。時々お客と酒飲んで大騒ぎなんぞしています。

 「にゃにゃにゃにゃ~ぎゃーぎゃー」

すんげーカラオケがヘタクソなやつがいると思ったら、それも副責任者。思いっきり客に迷惑かけています。大声でガナれば点数が高くなるんですよ、中国のカラオケ。なんかおかしいよなあ。

 その中で‘保安’という仕事があります。これは警備員のことで、勤務の日は夜もロビーで過ごすという結構大変なお仕事です。大変なわりに給料が安いので、すぐに辞めてしまいます。だから常に新人さんばかりなんです。今なんて、3人いる‘保安’はすべてティーンネイジャー、しかもヒョロヒョロ、もちろん武術の経験もないし、なにか技術があるわけでもないし、‘ただそこに立っているというだけ’の警備員さんです。たぶんけんかしたら3人がかりでも和田アキコには勝てないでしょう。先日死んだねずみを触るのが嫌だとかなんとかで、卓球仲間の日本人日本語教師‘I’が呼び出されて、わざわざねずみの屍骸処理をやらされておりました。

 少し前までは20代の子がいて、かなり落ち着いており安心できました。彼はちょっと元Uターンの土田に似ており、もうちょっとしゃくれてたら土田そっくりなのになあといつも惜しがっていたら、突然仕事を辞めてしまい、今の超軟弱保安トリオになってしまいました。写真とっておきたかったのにな、しゃくれていない土田。

 とりあえず若い子を入れて埋めるという人事、全然仕事をしない幹部、不満っちゅや不満ですが、ああやってお気楽に生きていけるゆる~い人生ってあこがれるなあ。・・・な~んて向こうから見たら、

 「日本語教師の方が、よっぽど楽やんけ~」

って思っているかもしれませんね。確かに授業がないときはヒマそうに見えるかも。

 一応いつも忙しそうに見せる努力はしているんだけどなあ。