遠藤周作の傑作小説「侍」を読了した。
これは、江戸時代の初期に
イスパニア(スペイン)との通商を狙った幕府に任命され、
はるばるローマまで赴いた支倉常長を描く純文学である。
支倉は、その任にあたるため、キリスト教の洗礼を受けた。
彼は、2年にわたる航海の果てに、
親書を携えてローマ教皇と謁見した。
返書を勝ち取ることはできなかったが、
また、苦難の旅を続け、日本に帰還する。
ところが、その間に幕府の方針が変わっており、
キリスト教は迫害されていた。
彼は、旅の詳細と、自らが、目的達成のために洗礼を受けたことを
報告した。
しかし、結局、切支丹迫害の方針をとる幕府の命により、
切腹させられる。
その生涯を詳細にわたって語ったのが、
この小説である。
発表当時は、爆発的な売れ行きであった。
「侍」の生涯は、どんな意味をもつのだろうか?