宮柊二の歌~その4~ 2018-12-05 23:09:09 | 短歌 宮柊二の歌。 歌をつくるのは、 苦しいのか 楽しいのか わからない。 だが、歌を作り続ける自分がいる。 いずれも、嘘でなく、真実でもない。 その2つの思いのたゆたいが歌われる。 ‥‥‥ 苦しみて歌つくるわれ楽しみてうたつくるわれいづれぞわれは 施療待つ待時間にて手首などに十六本の鍼打たる やめてゐし煙草を再び吸ひそめぬ喉を素直に煙はとおる
「介護と死」~歌人として、娘として~ 2018-12-05 22:57:37 | 短歌 米川千嘉子は、 現代に生きる歌人である。 多くの人と同様に、 父を介護し、看取った。 歌人としての時間を削り、 やりたいこともおさえて、 父と向き合う。 「時間をチコにかえしたい」 という父。 それでも、 米川千嘉子は、 時間を削り続けた。 ‥‥‥ 時間をチコに返してやらうといふやうに父は死にたり時間かえりぬ 訪ふたびに着替えるやうに老いてゆく水のごとかる歩みを父に
「とどまるというひとつ」歌人田井安曇 2018-12-05 22:40:59 | 短歌 政治にかかわり、 安保闘争にかかわり、 韓国の詩人金芝河への 弾圧を歌った。 「詩と政治」 という アポリア にかかわり、 生涯を 捧げた 田井安曇。 2首。 ‥‥‥ とどまるというひとつにも弩のごとき努力をして過ぎむのみ 詩はついに政治に勝てぬことわりをしめぎにかくるごとく見しむる
「死に際の歌」~浜田到~ 2018-12-05 22:24:05 | 短歌 49歳にして逝った歌人、 浜田到。 岡井隆に認められた 浜田は、 抽象的な「死」を歌った。 「死」に 面した時、 人は孤独になる。 寄り添った妻とも、 別々に 死ななければならないのだ。 そんな浜田の歌を 2首 挙げる。 ‥‥‥ 死に際を思ひてありし一日のたとへば天体のごとき量感もてり 汝が脈にわが脈まじり搏つことも我の死後にてあらむか妻よ
宮柊二の歌~その3~ 2018-12-05 20:38:04 | 短歌 戦いをくぐり抜けた 宮柊二には、 味わい深い歌が多い。 戦時中の 肉激戦の記憶が、 そのような 歌をうたわせるのだろう。 なにげない 日常の中に、 そうした背景を感じさせる歌が 多いのだ。 竹群の歌を3首。 ‥‥‥ あたらしく冬きたりけり鞭のごと幹ひびき合ひ竹群はあり 幹立ちの青くするどく竹群はある折々に脅もつ このあした霜おける路へだてつつ迫りくとおもふ暗き竹群
自分が変わるしかない 2018-12-05 20:17:11 | 人生 つきあっていると、 他人の悪口ばかり言う人がいる。 だれかが、 あなたに悪口を言えば、 あなたは その人が 自分の悪口を 他人にも言っていると 思った方がいい。 まことにめんどうなことだ。 そういう人は、 たいがい、 誰も何も言わなくても、 みんなに嫌われている。 そういう人に、 忠告すれば、 さらに 攻撃される。 だから、 だれもなにも言わない。 彼(彼女)は、もっと嫌われる。 結局、そういう人は、 救われない。 自分が、 そういう人間なのかもしれない、 と 反省することから始める。 もし、自分がそういう人間なのだったら、 自分が 変わる以外に 解決の道はない。 反省しよう。
池上彰の憲法入門~その2~ 2018-12-05 18:46:06 | 憲法 わかりやすい 憲法入門書として、 「池上彰の憲法入門」を 紹介した。 それでも 読むのは大変、 と言う方がおられるので、 要点を 示しておく。 まず、 明治憲法との違い。 日本国憲法が、 誰によってつくられたか。 よく 「アメリカのおしつけ」 といわれるが、 かならずしも そうとばかりいえない ことを 証明。 時事問題との 関わりも示す。 朝鮮戦争や 東西冷戦。 国の統治機構。 司法、立法、行政の関係。 国民の権利と義務。 最低限の生活の保障をについて。 第九条問題。 とくに、 憲法第九条 については、 詳しく説明している。 改憲、 護憲 によって 何がどう変わるか、 も 明らかにしている。 とはいえ、 この程度の ことは、 国民として 知らなければ 恥ずかしい。 憲法については、 理解して、 自分の意見が言えるように しておきたい。
短歌の地域サークル つじどう会 2018-12-05 18:34:58 | 短歌 月に1度 開催される 短歌会に出席した。 会員5名。 月ごとに、 各自3首の歌を 合評する。 短歌を発表するだけでなく、 地域の情報や 世界情報を論じる。 会員のあいだで、 歌人の話などもでる。 ご婦人方の 考え方、 生活なども 伺えて、 貴重な時間となっている。
土岐善麿の歌~その1~ 2018-12-05 18:20:14 | 短歌 土岐善麿は、 新聞の社会部記者として 活躍した。 一方で、 すぐれた短歌も 多く残している。 ‥‥‥ りんてん機、 今こそ響け。 うれしくも、 東京版に、 雪のふりいづ。 遺棄死体数百といひ数千といふいのちをふたつもちしものなし ~日中戦争の報道写真をみてつくる~ あなたは勝つものと思ってゐましたかと老いたる妻のさびしげにいふ ~第2次世界大戦後に歌う~
伊藤左千夫~短歌と小説~ 2018-12-05 18:06:33 | 短歌 伊藤左千夫は、 1864年に生まれ、 1913年没。 短歌は、 それまで、貴族等がたしなむ 余技とされていたが、 一般庶民も参加できる、 として、 搾乳業を営みつつ、 短歌をつくった。 正岡子規に師事し、 「アララギ」を創刊し、 島木赤彦 斎藤茂吉 土屋文明 等を 育てた。 のち、 野菊の墓 等、 すぐれた小説も 創作した。 代表的な歌。 ‥‥‥ 牛飼いが歌よむ時に世のなかの新しき歌おおいにおこる