木曽平沢の漆器祭りに行った。漆器の世界もなかなか面白く、予定外に買いこんでしまった。奈良井は観光地だが平沢は職人の町である。どちらかというと、どの店も売る気より見せる気が強い。やたら制作上の工夫を説明したがる店がある。客応対をまったくしない無口な店もある。商売上手とはとても言えない。その辺がなんだか気に入った。
天気がいいので、開田高原まで足を延ばす。紅葉を見て温泉に浸かり、引き返す。
秋は探すもの。探し出したら、記憶と重ねて確かめるもの。そんな気がした。
木曽平沢の漆器祭りに行った。漆器の世界もなかなか面白く、予定外に買いこんでしまった。奈良井は観光地だが平沢は職人の町である。どちらかというと、どの店も売る気より見せる気が強い。やたら制作上の工夫を説明したがる店がある。客応対をまったくしない無口な店もある。商売上手とはとても言えない。その辺がなんだか気に入った。
天気がいいので、開田高原まで足を延ばす。紅葉を見て温泉に浸かり、引き返す。
秋は探すもの。探し出したら、記憶と重ねて確かめるもの。そんな気がした。
秋晴れに自転車が心地よい。爽やかに乾いた風を浴びながらペダルを漕いでいると、十歳若返ったような気がする。どこまでもこのままサドルにまたがって疾走したくなる。しかし仕事があるからそれも叶わない。職場に自転車を乗りつけると、秋晴れにさよならを告げて薄暗い建物に入る。すると途端に、腰痛持ちだったことを思い出す。いてててと机に手を突く。十歳余計に年を取った気分になる。
太陽は人を若返らせる。なんだかもりもりと栄養を得たような気になる。ひょっとしてそれは、太古、動物と植物が未分化だったころの名残か。
朝の珈琲を淹れ、デスクワークをしながら、もう、外に出かける用事がないかを考えている。