ota-broadcast

日々の気になる出来事を私なりの切り口で動物たちに報道させます。
時事ネタ、エンタメなんでもありの駄ブログです♪

明徳義塾高事件 日記で何を語ったか2

2005年07月01日 | THE NEWS[時事ネタ]
※7/1深夜 追記しました

彼はコントロールを失った。

<明徳義塾高>逮捕の高3生徒 日記に殺人予告する書き込み

彼は高校生活の中で様々な葛藤があった。
人に対する怒りの感情をどうコントロールすればいいのか
模索していた。それは写真であり絵であり、
日記だったのかもしれない。

※以下日記一部引用
2005/6/28 (Tue)
ストレスがそろそろ危険線を越えそうです。
こんな感じの憎悪と殺意は初めてです。
※引用ここまで


彼が言うきっかけは「触れた触れない」些細な事。
私だってこういう経験はある。
以前まで仲の良かった友人に
訳も無く体当たりされ「何すんねん」と怒ると
「お前が邪魔なんじゃ」と言われ驚いたことがある。
そいつには誕生日に大好きなお城のプラモデルを
プレゼントしたりする仲だった。それだけに驚いた。
私の場合はそれで収まった。
しかし彼と被害者はそれだけで済まなかったようだ。
以前から嫌な奴と思っていたし、
この事件までに彼なりにいくつか
被害者に対し、自分なりに津波を起こしていた。
だが、被害者は後に来る大きな波に気づかなかった。
そして事件前日。

※以下日記一部引用
2005/6/29 (Wed)
明日こそは殺そう。
また「明日こそ」にならないように、
ちゃんと殺そう。
殺したら私は多くの迷惑をかけるだろう。
やはり家族に迷惑をかけるのは気が咎めるが、
そういうことを考えるのは止めよう。
私とあれは同じ人でも、
私とあれは全く異なった人間だ。
いや、人間を辞めてしまえ。
私は人間以外の存在となれ。
思考を停止しろ。自己を消せ。別人になれ。
人は壊れやすいが死に難い。
出来る限り壊せ。命を壊せ。明日殺れ。

もう会えないかもしれませんね(^^
※引用ここまで


当日、刺す前に防水スプレーを吹き付けたのは、
自分の沸点を高めるための
相手を怒らせる手段だったんだろう。
それほど彼は最後まで自分をコントロールしようと
必死だったんだと思う。でも、止められなかった。
止められないように自分で仕向けた。
そしてプレッシャーは現実で解放した。

彼の日記には大なり小なりの心の葛藤が垣間見える。
彼にとって周りに不快を感じる人間が多かった。
次第に人に対する怒りの感情である"嫌な自分"から
逃げることが難しくなっていき、
では"嫌な人"から逃げられるかと言えば、
現実は家出するなり自殺なりしなければ逃れられないと気づく。
やがて自分を消すか人を消すかという極論を導き出す。
いじめなど人間関係に悩む多くの子供は
ここで暴走を始めてしまうと考える。
その時、親でも先生でも、友達でもいい。
彼が発する津波というエネルギーを防ぐ防波堤が高かったなら、
人を殺めたり、自分を殺めるまでにはいかなかったはずだ。
彼も日記に綴っている。「話す力がほしい」と。
津波は「今から行くよ」などと言わない。
津波を予測するのは周りの人間。
地震は防げなくても、そこから発する津波の被害を
最小限食い止めることはできるはずなのに、
そこが出来ていなかったのではと考える。

彼はなんとか自分をコントロールしていた。
でもそれを狂わせる人間が周りに居た。
しかし短絡的に存在を消すという結論を下すまでに、
なんとか回避しようと必死だった。
が、それはいつまでも自分を狂わせる。
「なぜ関わらないようにしようとしてるのに
お前から関わってこようとするんだ」
こういう葛藤は私にだって常にある。
ただ、私は言葉で解決する方法を知っている。
彼は言葉ではなくナイフで解決してしまった。

言葉で出来ないものをナイフではなく
写真や絵に託していたように継続できていれば
このような事は起きなかったのかもしれない。
あくまで私の仮説ですが、
高校を退学し、美術学校の道に進みたいと彼が気づけば
そことは違うとても明るい道が開けたのではと考える。
彼がもう少し自分が思う以上に
視野を広く持ちポジティブになれていれば・・・・
そう思うと本当にやるせない事件だと思います。

もちろん罪はきちんと償って貰わなければいけません。
たった一度コントロールを失っただけで
罪を背負っていかなければならない苦しみや悲しみ。
それは自分だけではなく家族や親戚、
周りの人間全てがこれから一生背負うことになることを
よく考えてこれからを生きて欲しい。

※追記 7/1深夜

彼の日記には、今の子供たちが抱える問題が
痛いようによく見て取れるのです。
おぞましいと思われる文章も多いし、
自己中だ、自己陶酔だと感じたり、
その思考に恐ろしく感じる人も少なくないでしょうけど、
あまり彼を上から斜めに見るんじゃなく
ちょっと角度を変えて読んであげてみれば
その辛さがきっと伝わってくると感じるのです。

今朝の「情報ツウ」でテリー伊藤氏が
「こういう人間は誰かを悪に仕立てて
自分の存在を示さないと生きていけない
今もきっと警察の誰かを悪者に仕立てている」
みたいな事を言ってましたが、
まったく違うと思います。
彼は「悪は近づくな」というメッセージを
日記で送り続けてます。
彼本心が悪を仕立てて自分を正義の存在として示すなんてことは
この日記を読む限り考えられません。
もちろんこれは私が感じた私の意見ですが。

人気ブログランキング
よろしければクリックお願いしますm(_ _)m

最新の画像もっと見る

3 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
Unknown (大きい子)
2005-07-01 19:09:32
自分にも経験があるのですが、一度憎しみに支配されると、そこからぬけだせる人と、ぬけだせない人がいます、自分は、後者ですがその人との接触を断つことで何とか、大事に至らずにすんでいますが、彼には自分で最悪の事態を回避する術がなかったのでしょう。まあ世の中、人を傷つけても平気な人も、いますのでそうな人は、気をつけないとそのうち、誰かに殺されますよ、そんな時代に誰がした
返信する
Unknown (machine)
2005-07-01 23:15:42
今日の朝ニュースでこの少年の日記を見てからすごく気になって、ネットでいろいろな人の書き込みを見ました。

でもどの書き込みも彼のことを激しく非難する内容でとてもショックをうけました。

わたしは彼の日記を読んで、共感してしまった。

相談する相手なんかひとりもいなくて、話をしても理解されない、むしろ不快に思われる。

わたしは彼に出会いたかったと思いました。

そしたらお互い少しは救われたんじゃないかなんて。
返信する
いらっしゃいませ (ota)
2005-07-02 00:47:07
皆様コメントありがとうございます。



>大きい子さん



私も記事に書いたように言葉で返すかそれでも無理な場合こちらから接触しないようにします。

そうする事が自分にも相手にもいい事なんだと割り切ります。それができるうちは憎しみに支配されていても一線を越えることはないでしょう。

ただ、彼の場合はまだ高校生で、高校を辞める(被害者らから逃げる)という選択肢を選べなかったことがなおさら彼が自分自身を追い込んでしまったんだと思うのです。

高校を辞めるなんて他人が簡単に言うなと思うかもしれませんが、彼の気持ちが分かるだけに辞めさせてやりたかった。もっと素晴らしい才能を磨く道を選んでくれたら・・・と感じたのが本心です。



>machineさん



彼は日記を読んだ限りいたって普通の少年だと感じましたし、とても冷静に自己を分析する事ができる少年だと思いました。そういう意味で彼の辛さに私も共感しました。同じような気持ちを抱いた時期が私にもありましたから。

ただ、罪は罪です。それは法が裁けばいいし、過ちは償わなければいけない。が、それ以上にそんな彼がどうしてこんな強行を起こしてしまったのか。そこを考えてあげることが私達が非難よりもまず考える必要があるのではと思って彼寄りな記事を書いたんです。

私も彼に出会えていたならきっと通じる所はあったと思います。そう思うとなおさらやりきれません。
返信する

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。