雫と瞳と

2011年05月27日 17時39分10秒 | B地点 おかか

 

 

「ねえ、おかか先生」
「何だい?」
「水玉って、きれいだね」
「ほら、これ見てよ」
「僕、葉っぱの上の水玉が、大好きなんだ」
「うむ。確かに美しいな」
「だが、ゆうちゃんのお目々は、もっと綺麗だぞ」
「え? 僕の目? そんなにきれい?」
二人のそんな会話を、おむさんはじっと聞いていた。
おかか先生はこのところ、目の具合が良くない。
だから、薬入りのフードを食べたりしている。
そんなおかか先生だから、
ゆうちゃんの美しい瞳が、うらやましいのだろう。
おむさんは、先生の気持がわかるような気がした。
けれど、口に出しては言わなかった ―― 。

 

 

 

 

 

 

 

 

 


つかむとかむ

2011年05月26日 16時49分53秒 | B地点 おむ

 

 

名探偵ホおむズ 事件簿024

 
「久し振りだな、ホおむズ」
「むっ、貴様は、怪盗ルパン!」
「チャンスだぞ、ホおむズ! 奴を捕まえろ!」
「証拠がないのだよ……」
「うう……そうか……悔しいなあ」
「ふっふっふ。私は証拠を残すようなヘマはせん」
「くっ! いつか必ず、貴様の尻尾をつかんでやる!」
「できるかな。ふっふっふ」
「で、できるとも!」
「今すぐにでも!」
「!?」
ガブッ
ずこー

「そりゃ尻尾を『つかむ』じゃなくて、『かむ』だろー!」
いきなり尻尾を噛まれたルパンは、ほうほうの体で逃げ去った。

「た、助けてくれ~」
「ざまを見ろ! わ~っはっはっは!」
「おいおいホおむズ……真面目にやれよ……」
「細かいことは気にしない! わっはっは~!」