ゆうちゃんは、ネコジャラシで遊ぶのが大好きである。 | |
「わーい! ネコジャラシだー!」 たったったっ |
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ばびゅーん | |
はっし | |
「わーい! 楽しいなー!」 ごろん ごろん |
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「わーい、わーい」 ごろごろごろ |
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「こらあっ! やめんかーっ!」 | |
びくっ | |
「ゆうちゃん! ここに来てから、もうすぐ一年になるんだろ?」 | |
「いつまでも子供じゃないんだから! そんな遊びはやめなさい!」 | |
「お、大人は遊ばないの……?」 | |
「もちろんだ。大人は遊んだりしないのだ」 | |
「私くらいの大人になれば、たとえ目の前にネコジャラシがあっても……」 | |
「こんなことや!」 | |
「こんなことや!」 | |
「こんなことは!」 | |
「しないのだ。わかったか」 | |
「ぜんぜん説得力ないよ……」 |
名探偵ホおむズ 事件簿029 |
ヨーロッパ全土を股に掛ける大怪盗、アルセーヌ・ルパン。 | |
ロンドン暗黒街の帝王、モリアーティ教授。 | |
もしも、この二人が手を組めば、強大無比の悪の組織ができる! ―― と、モリアーティは考えた。 |
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「おっ、ルパンじゃないか! 丁度いい。ちょっと話があるんだ」 「ん? 何だ?」 |
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「どうだ、おい。私と手を組まないか?」 「お断りだ!」 |
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「こ、断るだと?」 「私は常に独立自尊! 誰とも気脈を通じるつもりはない!」 |
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「そう言わずに! な?」 「わっ!?」 |
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「な、おい! 一緒に仕事をしようよ~」 「や、やめんか。ベタベタするな」 |
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「なあ~、いいだろ~? 悪の組織を作ろうぜ~」 「ちょっ、おいやめろ! 近付くな!」 |
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「なっ、なっ? いいだろ~? 頼むよ~」 「わ~っ!!」 |
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「はぁはぁ……。た、助けてくれ、ホおむズ!」 | |
「むっ、どうした?」 | |
「実は、かくかく、しかじか」 | |
「何っ! モリアーティめ、許せん!」 | |
「おいっ、モリアーティ! 貴様を逮捕する!」 「た、逮捕だと? 何の容疑で?」 |
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「容疑は、窃盗未遂だ!」 「せ、窃盗!?」 |
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「ルパンの唇を、奪おうとしただろう……!」 | |
「誤解だあ~っ」 |