釜石の日々

岩手県釜石市に移り住んで16年8ヶ月が過ぎ、三陸沿岸部の自然の豊かさに感動する毎日。

庭の菅の花

2013-06-29 19:13:38 | 文化
今日も朝から山背が漂い、気温は18度までしか上がらない。半袖だとやや肌寒く感じるので、長袖に替えた。今思えば北海道の釧路の霧も山背のためだったのだ。北海道では山背という名前は聞かなかった。釧路は釜石とは異なり、霧が流れるのは山頂だけではなく、地面の高さまで霧が流れれるため、車の運転はフォグランプを点け、酷い時には2~3m先が見えない状態になった。すっきりと晴れた釧路のイメージはない。今日の釜石は時々霧雨が降るが、本格的な雨にはならず、小高い山の山頂付近だけに霧が流れる。庭では百合や菅の花が次々に開いて来た。日光黄菅も咲いた。百合や菅は今日のような霧雨が時々降るような天気の日が似合っているのかも知れない。庭の花たちを見ていると、とても穏やかな気持ちになり、目に入る光景からは変わることない時の流れしか感じられない。人だけが何かむやみにあがいているようにしか見えない。鳥や獣たちも何世代にもわたって変わらぬ時を過ごして来ている。人だけが自然の時の流れに逆らって来た。進歩やより良い暮らしを求めて。しかし、今日のような日には、時々、人はどこに向かっているのだろう、と疑問が湧いて来ることもある。時代とともに人は不幸せさが拡散して来ているのではないか、とさえ思えて来る。人は夢が持てれば、活力が湧き出て来るのだろう。しかし、今の日本でその夢が持てるのだろうか。日本の未来に暗い影が射して来ている。花や小鳥たちを見ていると、もっとゆっくりとした時の流れに入り、一度、人も自然の一部として、自然に帰る発想が必要なのではないか、と感じる。人も自然の一部だと思えば、どんな時代が訪れようと、人は乗り切れるだろう。庭の緑の中でひときわ明るい菅の花を見ていて、とりとめのないことが頭に浮かんで来た。
庭の菅の花