釜石の日々

岩手県釜石市に移り住んで16年8ヶ月が過ぎ、三陸沿岸部の自然の豊かさに感動する毎日。

地方にこそ自然エネルギー活用の潜在力がある

2013-06-07 19:22:13 | 社会
今朝は愛染山は無論、その周辺部の山もまったく見えなかった。家の近くの低い山も上は霧雲が流れており、出勤後、職場の3階の高さにある駐車場から市街地を眺めると、向かいの山までほとんど霧が流れて見えなくなっていた。海から流れて来た山背のせいで、職場近くまで来ると潮の臭いが漂って来た。全国各地を移り住んで来た同僚の話では、「山背」と言う表現は東北の太平洋岸だけでなく、日本海側でも使っているそうで、西では福岡でも「山背」と言う言葉を使っていると言う。ただ、福岡の場合は東北のような霧の流れる「山背」ではなく、北東から吹いて来る風を言うのだそうだ。天候的には北海道でも東北と同じような変化を経験したが、北海道では「山背」と言う言葉は聞かなかったように思う。山背が流れる時は、冷たく湿った空気が漂い、当然、気温は下がる。今日も最高気温は18度だ。しかし、最低気温が15度で、普段より気温差は少ない。 米国の経済・金融情報通信社、ブルームバーグBloombergは6月4日、"Japan Set to Overtake Germany as World’s Largest Solar Market"、「日本はドイツを抜いて、世界最大の太陽光市場へ」と言う記事を載せた。太陽光発電施設設置は2012年はドイツが760万Kwで1位であった。Bloomberg New Energy Financeは当初、本年度の世界一の太陽光市場は中国になると予想していた。今年の中国の太陽光発電設置は630万-930万Kwで、米国は370万-430万Kwと予想している。しかし、日本では政府の再生可能エネルギー電力固定価格買取制度が追い風となり、690万-940万Kwの予想となった。太陽光発電協会によれば、今年1-3月の国内モジュール(太陽光パネル)出荷は前期比で73%増となる。昨年7月に電力固定価格買取制度が始まり、13年度の太陽光発電買取価格は1Kw時当たり37.8円(20年)で、中国やドイツの2倍以上になる。世界的な風力発電の業界団体であるGlobal Wind Energy Councilの資料によると、2012年に全世界で新たに設置された風力発電設備の容量は合計で4万4711Mw(4471万kW)に上り、前年比10.0%も増加している。近年は毎年4万Mw前後の増加を続けており、大規模な原子力発電所が毎年40基ずつ増えているのと同じ効果が得られている。2012年の新規設置容量は、国別では、中国が最大で1万3200MWに達し、全体の3割を占め、米国が1万3124MWで続いており、両大国だけで全体の59%を占め、3位以下を大きく引き離している。日本は中国と比べると150分の1の規模で、88MWしかない。自然エネルギーは地方こそがその潜在力を有しており、地方経済の活性化のためにも、有利な電力固定価格買取制度を利用して、積極的に地方が参入して行くべきだと考える。岩手県は四国4県の広さを持ち、90%は山地である。東の北上山系は丘陵地が多く、釜石などもすでにその丘陵地で風力発電に参入しているが、その後の伸展がほとんど見られない。岩手県では北上山系北端の葛巻町が自然エネルギー発電の先陣を切っている。電力自給率は180%に達している。葛巻町は横浜市に匹敵する広さがあり、97%が標高400m以上であり、約86%が森林のため、酪農と山ぶどうを利用した製品作りに力を入れて来たが、1999年から風力発電に力を注ぐようになり、現在に至った。今では全国的にも注目されるようになった。風力発電には野鳥たちがプロペラで害されるなどの問題もあるが、太陽光発電は景観以外は自然への影響はさほど見られない。地域の自然を保全した上で、自然エネルギーの活用をもっと積極的に進めて行くべきだろう。
向かいの山に山背が流れて、山頂部が見えない