釜石の日々

岩手県釜石市に移り住んで16年8ヶ月が過ぎ、三陸沿岸部の自然の豊かさに感動する毎日。

晩夏

2010-08-22 12:21:42 | 歴史
夕方、外を歩いていてふと空を見るとまさに雲霞のごとくトンボが飛び交っている。朝は庭に出てよく周囲の植木の枝を見るとそのトンボたちが羽根を休めている。北海道に住んでいた時、遮る建物もないせいか、たくさんのトンボが比較的低いところを飛び交い、そのため、車とぶつかって道路にたくさんトンボが転がっている光景によく出くわした。日中はまだ30度を超えるが確実に朝晩は涼しくなって来ている。昨夜、小高い山のシルエットを映し出す月を見ていると、何千年か前にこの東北へやってきた縄文人たちもこの月を見ていたのだな、という不思議な気持ちにさせられた。そして、江戸時代に菅江真澄や松尾芭蕉を東北に惹き付けたものは何だったんだろうと思った。菅江真澄は以前住んでいた愛知県の豊橋の出身であり、芭蕉は最初の勤め先の先輩の出身地で一度その関係で訪れたことのある三重県の伊賀市で生まれている。共に郷里を出た後、二度と郷里の土を踏むことなく、他所で亡くなっている。その間各地を尋ね歩いている。東北は昔も今も何か永遠の謎のようなものを我々に感じさせるのかもしれない。

庭のツツジの木の枝に止まった赤とんぼ