釜石の日々

岩手県釜石市に移り住んで16年8ヶ月が過ぎ、三陸沿岸部の自然の豊かさに感動する毎日。

秘される瀬織津姫

2010-08-10 12:53:55 | 歴史
今年の夏はほうとうに異常な暑さだ。地元の人でもこの時期に30度を超える経験は初めてだと言う。夜は虫が鳴くせいか多少涼しさが出てきたかと思うが。匠の方に今朝、職場で小川の奥にある人に知られていない滝の写真を見せていただいた。若手の匠の方が携帯で撮った写真だと言う。岩手の山は基本的に岩石の山なので水が流れるところに滝が見られやすいのだと思う。しかも岩手の場合は、この滝の神様として瀬織津姫(せおりつひめ)が祀られていることが多い。釜石へ引っ越す前は愛知県の岡崎市にいたが、この愛知県のかって豊の国と呼ばれた東三河でもやはり瀬織津姫が祀られているところが多い。瀬織津姫は北海道から九州まで全国で祀られているが、岩手県が最も多く、愛知県がそれに次ぐようだ。しかし、「瀬織津姫」の名は不思議なことに古事記、日本書紀には登場しない。『延喜式』の「六月晦大祓の祝詞」の中に瀬織津比売・速開都比売・気吹戸主・速佐須良比売の四神、祓戸四神(はらえどよんしん)と記されており、これらの神々を祓戸大神とも言う。瀬織津姫は穢を川や海に流す神とされ、宮中でかって行われていた「六月晦大祓」では祝詞として瀬織津姫の名が出ているにもかかわらず、何故か、記紀はこの神を無視する。天照大神よりさらに古い縄文の神のようなのだが。


野萱草(のかんぞう) 先日のはもう少し赤味が強かった。薮萱草が八重に対しこちらは一重