あしたは アタシの 風が吹く

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わが性と生

2012年07月11日 21時33分54秒 | アートな世界
出家後の瀬戸内寂聴さんが、「『性』の扮飾決算」という題で連載を依頼され、
平成元年8月号~平成2年8月号まで、『新潮45』に連載されたものを
文庫本化したもの。

1度、絶版になったけど、最近、復刻されたみたい。

出家前の瀬戸内晴美と出家後の瀬戸内寂聴の往復書簡という手法で、
『性』について綴られている。

もし私が天性好色で淫乱の気があれば、
五十一歳で、ああはすっぱり出家は出来なかったでしょう。
しかし文学少女の姉の傍らで私も読書家でした。
性に目覚める環境が情緒的に豊かな十歳の頃には、
世界の淫書に読みふけり神秘的なエロスの領域に踏み込んでいたわけです…。

この文章からも分かるように、自らの『性』について語られた本。

徳島での少女時代の性に関する思い出、自身の結婚生活から、
子宮作家と呼ばれた頃のこと、出家時の僧や尼の様子、高齢者の性愛、
そして源氏物語に至るまで、自らの性の体験・見聞についてを
飾らず、隠さずに描いている。

寂聴さんが語ると可愛らしく、晴美さんが語ると生々しい。
どちらも同じ寂聴さんが書いているハズなのに、まるで別人のよう。
その書き分けがすばらしくステキ。

性の書物、性の道具、性に憑かれた人たちについても語られていて、
実名で書かれた登場人物は、誰もが知っている有名人だったり。。。

決して卑猥ではなく、性文学としての奥深さが感じ取られる一冊。

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