おはようございます。
「公益財団法人 日本自然保護協会」 「理事長 亀山 章」さんの「リニア中央新幹線環境影響評価準備書に対する環境保全の立場からの意見書」です。
最初に「・・・日本自然保護協会では、地形・地質などの基盤環境、自然保護、生物多様性保全などの観点からリニア中央新幹線環境影響評価準備書を点検、評価した結果、以下に示すような問題点があることから、本事業をいったん凍結し、再度事業選定を含めた手続きをやり直すことを強く求める。」 「また、国土交通省には中央新幹線小委員会を再度招集し、事業の必要性、安全性を含めた議論をやり直すことを求める。」としています。
指摘されている問題点は、5点です。
「問題点1:いくつもの活断層を横切る本計画は人命を軽視した計画であり看過できない。」
「JR東海の公開した準備書では、『活断層は出来るだけ避けるように計画しやむを得ない場合はできるだけ短く通過する。』とされている。しかし、断層が動いたときに、地盤の変位を止めることは現在の技術では不可能で、活断層の活動はトンネル構造物に被害をもたらす。」
「鉄道のようなインフラ整備においても、日本の自然環境の特性に併せた計画実行が必要である。」
「問題点2:南アルプスの隆起量の評価は科学的に誤っており、『工事中はもとよりその後の維持管理においても問題はない。』という記述には根拠がない。」
「➀議論に相応しいデータが用いられていない。」
「②地殻変動の様式やメカニズムが示されていない。」
「③トンネルでありながら、地表面の浸食を想定した隆起量を採用している。」
「④『変位が蓄積するものではない』という解釈は誤りである。」
「⑤『工事中はもとよりその後の維持管理においても問題はない』という記述は根拠がない。」
「問題点3:生物多様性への影響の回避措置が科学的に妥当でない。」
「・・・クマタカ・オオタカ・ノリスに対する環境影響の低減措置について、人口巣の設置が上げられている。・・・・このように最新の知見において妥当性や評価が確立されていない方法を保全措置としている本準備書の記載は科学的に妥当とはいえない。」
「問題点4:山梨実験線での失敗が検証されていない。」
「・・・山梨実験線の延長工事では、少なくとも3ケ所で水道水源が枯渇している。」
「・・・なぜ枯渇が予測できなかったかを明らかにした上で、今回の影響予測を行うべきである。」
「・・・こうした環境への影響を極力避けるためにも、地下水への影響に関しての予測はやり直すべきである。」
「問題点5:建設残土の処理計画に具体性がなく、地形・地質学的に危険な場所がある。」
「・・・処理場所が決まっていないので影響は予測できない。早急に残土処理計画を具体的に示すべきである。」
「参考図1:リニアの路線と断層及び地すべり地との関係」「参考図2:南アルプス地域の保護地域」と併せ7頁貼り付けます。
<コメント>
日本自然保護協会の「意見書」は5項目と少ないですが、ポイントを絞り重要な点を指摘されています。
活断層を横切る危険性、南アルプスの地形・地質学的な評価の誤り、生物多様性への措置の間違い、実験線での水源枯渇の教訓が生かされていない、残土処理対策が具体的に示されていない問題等々について科学的な見地から具体的に指摘されており、とても参考になります。
中津川市への「申入書」に添付して出そうと思います。
以 上
「公益財団法人 日本自然保護協会」 「理事長 亀山 章」さんの「リニア中央新幹線環境影響評価準備書に対する環境保全の立場からの意見書」です。
最初に「・・・日本自然保護協会では、地形・地質などの基盤環境、自然保護、生物多様性保全などの観点からリニア中央新幹線環境影響評価準備書を点検、評価した結果、以下に示すような問題点があることから、本事業をいったん凍結し、再度事業選定を含めた手続きをやり直すことを強く求める。」 「また、国土交通省には中央新幹線小委員会を再度招集し、事業の必要性、安全性を含めた議論をやり直すことを求める。」としています。
指摘されている問題点は、5点です。
「問題点1:いくつもの活断層を横切る本計画は人命を軽視した計画であり看過できない。」
「JR東海の公開した準備書では、『活断層は出来るだけ避けるように計画しやむを得ない場合はできるだけ短く通過する。』とされている。しかし、断層が動いたときに、地盤の変位を止めることは現在の技術では不可能で、活断層の活動はトンネル構造物に被害をもたらす。」
「鉄道のようなインフラ整備においても、日本の自然環境の特性に併せた計画実行が必要である。」
「問題点2:南アルプスの隆起量の評価は科学的に誤っており、『工事中はもとよりその後の維持管理においても問題はない。』という記述には根拠がない。」
「➀議論に相応しいデータが用いられていない。」
「②地殻変動の様式やメカニズムが示されていない。」
「③トンネルでありながら、地表面の浸食を想定した隆起量を採用している。」
「④『変位が蓄積するものではない』という解釈は誤りである。」
「⑤『工事中はもとよりその後の維持管理においても問題はない』という記述は根拠がない。」
「問題点3:生物多様性への影響の回避措置が科学的に妥当でない。」
「・・・クマタカ・オオタカ・ノリスに対する環境影響の低減措置について、人口巣の設置が上げられている。・・・・このように最新の知見において妥当性や評価が確立されていない方法を保全措置としている本準備書の記載は科学的に妥当とはいえない。」
「問題点4:山梨実験線での失敗が検証されていない。」
「・・・山梨実験線の延長工事では、少なくとも3ケ所で水道水源が枯渇している。」
「・・・なぜ枯渇が予測できなかったかを明らかにした上で、今回の影響予測を行うべきである。」
「・・・こうした環境への影響を極力避けるためにも、地下水への影響に関しての予測はやり直すべきである。」
「問題点5:建設残土の処理計画に具体性がなく、地形・地質学的に危険な場所がある。」
「・・・処理場所が決まっていないので影響は予測できない。早急に残土処理計画を具体的に示すべきである。」
「参考図1:リニアの路線と断層及び地すべり地との関係」「参考図2:南アルプス地域の保護地域」と併せ7頁貼り付けます。
<コメント>
日本自然保護協会の「意見書」は5項目と少ないですが、ポイントを絞り重要な点を指摘されています。
活断層を横切る危険性、南アルプスの地形・地質学的な評価の誤り、生物多様性への措置の間違い、実験線での水源枯渇の教訓が生かされていない、残土処理対策が具体的に示されていない問題等々について科学的な見地から具体的に指摘されており、とても参考になります。
中津川市への「申入書」に添付して出そうと思います。
以 上