なだれ込み研究所の一日

物語作家を目指すもの書きが、ふとしたことから変な事務所で働くことに!
日々なだれ込んでくる人や仕事、モノやコト観察記。

代表、ミルで豆をひく

2006-10-31 22:36:00 | スローライフ

今日は、I村代表がミルでコーヒー豆をひいてくれた。
美味しいコーヒーが飲みたいなあと思いながら、出先からヘトヘトになって戻ってきたら、ちょうど事務所にI村代表がいたのである。
「I村さ~ん、美味しいコーヒーが飲みたくありませんかぁ?」
まるで誘導尋問のような誘いかけ。「飲みたいねえ」と言ってしまった代表自らの「豆ひき」となったのである。

I村代表が事務所で待機していたのは、市民大学のようなものを市民主体で立ち上げたいと考えているM市の方が見える予定になっていたからだ。こちらの持つ情報を提示しながら、先方がどんなことを考え、今どんな段階で、どんな問題を抱え、どんな方向に進もうとしているか、理解しようと努めた。

話を聞いてみると、市民主体で動き出しているその団体は、学校の先生や元議員さん、区長さん、民生委員の方などが多いという。
動きづらいだろうなあと率直に思った。そうした人たちをひとくくりに考えてしまうことの危険性を感じつつ、それでも私には、地域のため、市民のため、子どもたちのため、環境のためと、一生懸命活動し、崇高な目的を掲げられるほど、自分とはかけ離れたものを感じ、違和感を覚えてしまうのだ。

面白いからやっている。
粋だからやっている。
美しく感じるからやっている。

そうした感覚的なものが第一にきてもいいじゃん、と思う。すごく不真面目でテキトーに聞こえるかもしれないが、そうではないのだと。大まじめを大まじめにすることよりも、大まじめを大ふざけでやった方が、真摯で、真っ当で、健全な場合もあると思うのだ。「面白い」という感覚的な実感が大事だからこそ、その感覚的なセンスや質がより問われる。だから私には、わかりやすい立派さよりも、より素晴らしい。

なーんて、どんどんエラソーになる私の横で、I村代表は淡々とミルで豆をひいている。今後、M市の方々がどう動いていくのか楽しみに思いつつ、美味しいコーヒーをゆっくりと味わった。

代表にコーヒー豆をひいてと頼める、ホッチキス止めが頼める、封筒ののり付けが頼める、こんなNPOだから、きっと私もここが好きなのだろうと思った。NPOも市民活動も苦手(ほんと言うと、ちょっと胡散臭いと思っていた)私だけれど……。
この恵まれた環境の中で、ここに居られることにあぐらをかかず、謙虚さを忘れてはいけないと、ミルをひく代表の姿を見ながら思うのであった。

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2 コメント

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スローライフ度アップしてますね! (ニンジン角砂糖)
2006-10-31 23:03:21
K住さんのスローライフ度が相当アップしてきていることが伝わってきますね!

「テストで悪い点を取ってしまう」っていうショック、根が真面目な日本人にはやっぱり効くんですねえ…

ところで、「粋だから」っていい理由ですね。
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スローライフ度と忙しさの関係 (管理人)
2006-11-01 18:32:01
ニンジン角砂糖さん、私のスローライフ度、アップしてますかねぇ? 忙しくなればなるほどスローライフ度がアップする、というのもなんか不思議です。
「粋だから」って理由、いいでしょ? 自分が野暮ったいから、よけいそう思うのだと思います。
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