なだれ込み研究所の一日

物語作家を目指すもの書きが、ふとしたことから変な事務所で働くことに!
日々なだれ込んでくる人や仕事、モノやコト観察記。

建築展が始まる

2007-08-25 07:30:31 | スローライフ
24(金)25(土)26(日)の三日間、「スローな住まいの建築展in掛川」が開催される。ハウスメーカーという選択肢のなかった生活者が、建築家紹介システムと出会い、一人の建築家を選び、地域の工務店とともに建てた木の家を会場としている。
完成見学会としなかったのは、こうした「生活の器」としての住まいづくりを大切に考え、地域の人たちと手間ひまかけた家づくりをしてきた姿勢が、そのままスローライフ掛川の提案する豊かな生活と一致する部分が多かったこと、そして多くの方が様々な形で協力してくれる体制が整ったからである。

今回の建築展では、つくり手側の想いが聞ける。建築家だけでなく、現場監督、職人といった普段は裏方に徹する人たちの生の声が聞けるのである。
この建築展開催までのプロセスに最初から関わり、みんなの想いを聞き、家づくりに関わった多くの人の話を聞く中で、驚いたこと、知らなかったこと、たくさんの発見があった。そんな様々な発見を、来て頂く方々とも共有したい。

トークで一部進行を任された。人前で話すのは苦手だし、緊張するし、進行なんて初めてだ。でも、プロセスを知り、様々な方に取材し、驚きや発見に感動したことを多くの方に感じてもらいたいし、そうした想いを引き出すことが私の役割なのかな、と思った。

キーワードは、
・あいまいさが心地よさを生む
・収まりの良さとは何か
・小さな差を大きな差と感じる感性

緊張して引き出すどころか、真っ白になっちゃったらどうしようとか不安はあるが、なんとか頑張ってきます。皆さん、ぜひ来て下さい。

http://slowhouse.seesaa.net/

第1回掛川市景観市民講座(語録)

2007-08-18 21:51:11 | スローライフ
8/5(日)に実施された掛川市景観市民講座「第1回 河口と海岸の景観を考える」。あれこれ語るよりも、講師、参加者の語録を読んで頂くことで、この講座がどれほど有意義で面白かったかがわかって頂けると思う。

[講師:鉄矢悦朗氏]
・景観はつくっていくもの。
・植生が豊富という日本的である事をもっと大事にして、景観のデザインも考えていけばいい。
・景観にとって何が主役か考えること。
・景観は、隠されたエピソードをその土地の人が語れるかどうかで魅力が出てくる。
・プロセスを経ることで、エピソードが生まれる時間ができる。語れる時間がある。語れる景観になる。
・見慣れる怖さを感じて欲しい。見慣れたら、「やばい」と思った方がいい。
・目立たなくては売れない状況が、デザインをペテンにする。消費者の質も問われている。
・「海へ走って行きたい」「砂の上を転がりたい」、そういった期待感がある景観を。
・畑や茶畑も景観として捉えるような仕組みを取り入れることが大切。
・世界遺産があるように、市民が勝手に「掛川遺産・子どもたちに語り継ぎたい景観」「掛川遺産100選」を選んでしまえばいい。

[講師:小川博彦氏]
・遠州の海は山から砂が運ばれてくるから波が幾重にも来る。遠浅の海でなければない。砂がなくなればこの風景はなくなる。
・流されている砂の大事さ。砂が上流から流れてこなくなる現実。海辺の景観を考えるとき、背景としてきちんと考えなくてはいけない。
・人は水際を歩きたい。水にさわってみたくなる。海と人がつながる場所。海と人との交流が、人の作法がなくなったことで規制だらけになってしまった。
・「弁財天海浜公園」と書かれた木の看板の後に、注意書きだらけの看板がある。大事なことが書かれているのはわかるが、海へ走り出したくなる気持ちにストップをかける。

[参加者より]
・今まで、観光パンフレット的な見方しかしていなかった自分に気がついた。色々な見方で景色を見ることの大事さを感じた。
・昔は弁天も国安も賑わいがあった。人のいぶき、交流があった。
・海は命が継承される場。生命を育む場。そういう場所が減っていることは驚異である。
・菊川は一級河川、国の管轄。弁財天川は二級河川、県の管轄。どっちがいいかはそれぞれの価値観だが、弁財天川の橋の安普請が妙にほっとさせる。
・「日本一」ということよりも、地域にとってどうなのか、住む人、訪れる人にとってどうなのか、ということが大事なのではないか。

スローな住まいの建築展in掛川

2007-08-17 20:15:43 | スローライフ

8/24(金)25(土)26(日)の3日間、NPOスローライフ掛川主催の「スローな住まいの建築展in掛川」が開催される。地域の素材、地域の人材を生かした住まいづくりの実例として、完成した新築のお宅を会場に、様々なプログラムが行われるのだ。

8/24(金)と25(土)の進行はS藤さん、26(日)の進行はなんと私の予定。人前に出るのはとっても苦手なのだけれど、S藤さんが出られないのだとしたら、企画、打ち合わせから同席している私が進行役になるのが、どう考えても一番いいと思った。こうしてだんだん逃げられなくなるのね……。

さて、今回の建築展。建築家との出会いを求め、オリジナルな建築を志向する生活者が、建築家紹介システムと出会い、シルエットの美しさと機能美を現代に活かす建築家と出会い、日本の伝統建築の技術を持ち合わせる地域の工務店と出会うことで、ありたい生活のための住まいづくりを実現した一例としての紹介である。
建築家に設計を依頼した生活者、建築家、現場監督や職人さんなど、様々なトークを聞くことができる。開催時間帯ならいつでも入場可能。実際の建築空間を体感しながら、常設コーナーやトークイベントを見学することができるというわけだ。
K-mixが後援なので、ラジオでCMを聞いた方も多いかもしれない。

今日もちょうど現場に行ってきたのだが、今回の建築家の設計らしい、すみずみまで生活者のための建築だなあと感じた。そのあたりの話も、「建築現場を談義する」の中で引き出せたらと思う。
気持ちのいい家です!
ぜひ、ご来場下さい。

ということで、久々の記事は、リハビリも兼ねてNPOスローライフ掛川の事業の紹介でした~。
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「スローな住まいの建築展in掛川」
日時=8/24(金)25(土)26(日)
会場=掛川市下垂木 <入場無料>
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質的豊かさ。自然との共生感覚。生活における地域の再認識。風土を活かし、味わいのある豊かな生活を志向するとき住まいはどうありたいですか。NPOスローライフ掛川は、地域の素材、人材、技術を活かした木の家のつくり方を提案します。
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詳細をblogでご紹介しています
http://slowhouse.seesaa.net/
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8/24(金)17:00~20:00
8/25(土) 9:00~20:00
8/26(日) 9:00~17:00
●見学
 3日間の上記開催時間帯なら、いつでもご入場・ご見学いただます。

●常設コーナー
 地域の建築家14名の詳細ファイル、建築模型をご覧いただけます。
 建築家と工務店による、住まいづくり事例紹介パネルを展示します。

●トーク
 テーマによってゲスト(施主ほか)、建築家(フロムフォー登録建築家)
 をはじめ、鈴木建設、フロムフォー、NPOの担当者が登場。住まいづ
 くりに関する興味深いトークを繰り広げます。(各回約30分)
 24(金)
  18:00 オープニング
  19:00 トーク「建築家との住まいづくりへの第一歩」
 25(土)
  10:00 トーク「どのようにしてこの建築ができたか-1」
  13:00 トーク「建築家と工務店との住まいづくりを検証する-1」
  15:00 トーク「建築現場を談義する-1」
  17:00 トーク「木の住まいづくりと工務店の役割」
 26(日)
  10:00 トーク「どのようにしてこの建築ができたか-2」
  13:00 トーク「建築現場を談義する-2」
  15:00 トーク「建築家と工務店との住まいづくりを検証する-2」

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主催/NPO法人スローライフ掛川
http://www.slowlife.info/
協賛/株式会社 鈴木建設
http://www.cs-suzuki.jp/
住まいづくりレシピ館 フロムフォー
http://www.fromfor.com/
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※お施主様のご厚意により、限定3日間のみ会場として使用させて
  いただきます。作法と節度と持ったご来場をお願い申し上げます。
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NPO法人スローライフ掛川 連絡事務所 
〒436-0091 掛川市城下5-10.1F
TEL.0537-22-0654 FAX.0537-22-0786
E-MAIL: project@slowlife.info

清楚な建築、正直な建築

2007-08-03 23:31:42 | ビジネスシーン

8/4(土)、8/5(日)、株式会社鈴木建設の完成見学会が行われる。
コンセプトは、
生活デザイン+清楚な建築
=現代の民家
である。

建築家のO澤氏が設計監理を担当し、日本の伝統建築を得意とする鈴木建設の施工。
様々な人に取材する中で浮かび上がってきたキーワードは、
・当たり前に建っている清楚な家をつくろう。
・地域の景観に対して正直にやった正直な建築。
・あなたの住みたい家は隣のうちみたいな家じゃないのか。
・自分の家を知っていくプロセスが、自分の家を愛するプロセス。
・本物、作法を知った上でのデザイン。
である。

8/4(土)の新聞折り込みとして、印刷物が折り込まれる。
そのデザイン、写真、仕立て、つくりを、すみからすみまで見て下さい。
文章表現担当として、私は裏面の構成、編集に特に心をくだいた。
建築家と家を建てようなどと思ってもみなかった生活者が、建築家と出会い、どう変わったか、何に気づいたか。
工程会議のレポート。取材した私自身の驚き。
建築家と現場監督の何気ない会話。
棟梁の職人としての発言。

そんな様々な人の想い、人と人との出会いを通じて、ひとつ「家」というものができていくストーリーを、私なりにランダムに並べることで、何かが浮かび上がってくるような表現物にしたかった。
真剣に「家」に考えてくださる方に、ぜひ、実際に足を運んでいただきたい。住まいづくりに関わったすべての人の想いが、何も語らず、静かに迎え入れてくれる。