ブログの師匠であり、私のonimasa名付け親でもあるK1さんの11/28のブログが面白かった。タイトルは「ハードから自分たちの手作りへ」
ある温泉街では、航空会社の飛行機の小型化により、旅行代理店へまとめて割り当てられる座席が減り、お客さんが減っているという。しかし、実際減ったのは「格安の旅行ならどこでもいい」というお客さんであり、残ってくれたのはリピーターだった。そういうお客さんの質の変化を見抜けず、景気が戻ればお客さんが戻ると、サービスを見直さなかった自分たちにも反省すべき点はあると、まちづくりに取り組んでいる方がおっしゃったそうだ。
お客さんの質――。この言葉には、はっとさせられた。
先日の森町のワークショップで、Sさんが同じようなことを言っていたのだ。
「これからのライフスタイルツーリズムは、ある意味、訪れる人を選ぶ観光なのかもしれない」
旅行だったらどこでもいい、というお客さんではなく、例えば「星の好きな人に来てほしい」「野菜の大好きな人に来てほしい」「鮎やアメノウオなどの川魚が大好きな人に来てほしい」、そんな訪れる人を選ぶツーリズムが今の時代、可能だというのだ。
昔の広告は大量に広告を出し、買いたい人をさがすマスマーケティングだった。今はインターネットの普及で、「私はあなたに売りたい」というワンツーワンマーケティングの商売が成り立つようになった。
たとえば、インターネットのブログを通じて、「掛川のまちにはこんないい風景がある」「天竜浜名湖鉄道沿いの道はすごくいい」と、県内外に住むサイクルストたちのあいだで盛り上がっているということを、地元の人たちは知らない。「知る人ぞ知る」情報である。
そういう情報をもとに、サイクリストたちは掛川を訪れてくれる。来たくて来てくれる旅人なのである。「訪れる人を選ぶツーリズム」とは、「こういう場所に行きたい」「ああいう場所でこんなことをしたい」という明確な、あるいは漠然としたイメージを持つ旅人が、多くの情報の中から選びとってくれた結果として成り立つツーリズムなのかもしれない。だとすると、受け入れる側も、そういう人たちに対してどんなサービスができるのか、どんなおもてなしができるのか、真剣に考えなくてはいけないのではないだろうか。
NPO法人スローライフ掛川が、昨年度国交省のモデル調査事業でしたことは、ハード面ではなく、まさにそういうソフト面でのおもてなしを充実させることだった。そのためには、まず、地元の人が地域の魅力を知らなくてはならない。
調査事業の中で、私も運動オンチながら24㎞の道のりを自転車で走った。走ってみて、自転車がこんなにも愉しく、気持ちのいいものだと初めて知った。
自転車というのは、歩きでは行けない遠くまで行くことができ、車では感じられない空気感を感じることができる。「こんな細い道に入るの?」というときのワクワク感。細い道から角を曲がり、風景がぱっとひらけたときの気持ちのよさ。のどかな田園風景の中を風を切って走る爽快さ。すべて、走ってみなければわからないことだった。
「掛川って、こんなにも素敵なところがあったんだー」
自転車というツールを使うことで、五感や感性が全開に解放される感じ。
こういう感じをわかってくれる人に、掛川に来てもらう。「訪れる人を選ぶツーリズム」とは、そういうことなのではないだろうか。
K1さんのブログを読みながら、そんなことをふと考えた。と同時に、場所は遠く離れていても、固有名詞を変えればどこの地域でも通じることがあるのだということ。
「掛川に是非行きたい!」というお客さんに、たくさん来てもらいたい。そのとき、自信を持って、実感をもって、「素晴らしい!」と紹介できるよう、住んでいる私たちがちゃんと「まち」を「みち」を「風景」を知らなくてはいけない。そういうことから、たぶん「まちづくり」というものは始まっていくのだと思う。
K1さんのブログはこちら。
「北の心の開拓記」
http://blog.goo.ne.jp/komamasa24goo/
ある温泉街では、航空会社の飛行機の小型化により、旅行代理店へまとめて割り当てられる座席が減り、お客さんが減っているという。しかし、実際減ったのは「格安の旅行ならどこでもいい」というお客さんであり、残ってくれたのはリピーターだった。そういうお客さんの質の変化を見抜けず、景気が戻ればお客さんが戻ると、サービスを見直さなかった自分たちにも反省すべき点はあると、まちづくりに取り組んでいる方がおっしゃったそうだ。
お客さんの質――。この言葉には、はっとさせられた。
先日の森町のワークショップで、Sさんが同じようなことを言っていたのだ。
「これからのライフスタイルツーリズムは、ある意味、訪れる人を選ぶ観光なのかもしれない」
旅行だったらどこでもいい、というお客さんではなく、例えば「星の好きな人に来てほしい」「野菜の大好きな人に来てほしい」「鮎やアメノウオなどの川魚が大好きな人に来てほしい」、そんな訪れる人を選ぶツーリズムが今の時代、可能だというのだ。
昔の広告は大量に広告を出し、買いたい人をさがすマスマーケティングだった。今はインターネットの普及で、「私はあなたに売りたい」というワンツーワンマーケティングの商売が成り立つようになった。
たとえば、インターネットのブログを通じて、「掛川のまちにはこんないい風景がある」「天竜浜名湖鉄道沿いの道はすごくいい」と、県内外に住むサイクルストたちのあいだで盛り上がっているということを、地元の人たちは知らない。「知る人ぞ知る」情報である。
そういう情報をもとに、サイクリストたちは掛川を訪れてくれる。来たくて来てくれる旅人なのである。「訪れる人を選ぶツーリズム」とは、「こういう場所に行きたい」「ああいう場所でこんなことをしたい」という明確な、あるいは漠然としたイメージを持つ旅人が、多くの情報の中から選びとってくれた結果として成り立つツーリズムなのかもしれない。だとすると、受け入れる側も、そういう人たちに対してどんなサービスができるのか、どんなおもてなしができるのか、真剣に考えなくてはいけないのではないだろうか。
NPO法人スローライフ掛川が、昨年度国交省のモデル調査事業でしたことは、ハード面ではなく、まさにそういうソフト面でのおもてなしを充実させることだった。そのためには、まず、地元の人が地域の魅力を知らなくてはならない。
調査事業の中で、私も運動オンチながら24㎞の道のりを自転車で走った。走ってみて、自転車がこんなにも愉しく、気持ちのいいものだと初めて知った。
自転車というのは、歩きでは行けない遠くまで行くことができ、車では感じられない空気感を感じることができる。「こんな細い道に入るの?」というときのワクワク感。細い道から角を曲がり、風景がぱっとひらけたときの気持ちのよさ。のどかな田園風景の中を風を切って走る爽快さ。すべて、走ってみなければわからないことだった。
「掛川って、こんなにも素敵なところがあったんだー」
自転車というツールを使うことで、五感や感性が全開に解放される感じ。
こういう感じをわかってくれる人に、掛川に来てもらう。「訪れる人を選ぶツーリズム」とは、そういうことなのではないだろうか。
K1さんのブログを読みながら、そんなことをふと考えた。と同時に、場所は遠く離れていても、固有名詞を変えればどこの地域でも通じることがあるのだということ。
「掛川に是非行きたい!」というお客さんに、たくさん来てもらいたい。そのとき、自信を持って、実感をもって、「素晴らしい!」と紹介できるよう、住んでいる私たちがちゃんと「まち」を「みち」を「風景」を知らなくてはいけない。そういうことから、たぶん「まちづくり」というものは始まっていくのだと思う。
K1さんのブログはこちら。
「北の心の開拓記」
http://blog.goo.ne.jp/komamasa24goo/