今、小説をものすごく書きたいのだが、書き方がわからない。書くことから離れて約半年。どうやって書き出せばいいのか、何をどう書けばいいのか、書きたい気持ちはあふれてくるのに、あまりにつかみどころがなくて途方に暮れている。
それだけ、引き出しにたくさんのものが詰まってきたということだろうか。
ライフスタイルデザインカレッジ「サイクリング」の講師白鳥和也さんは、自転車文学研究室を主宰している。サイクリング関連のノンフィクションを何冊も出版されているが、もともと純文学を書いていらした。
「どう? 最近書いている?」
同じフィクションを書く者として、ときどき聞いて下さるのだが、先日も質問され、私はこう答えた。
「それが書いていないんです。……ていうか、書けないんです。時間的な問題ではなく、フィクションが書けないんです」
「ぼくもそういう時期があったよ。何年も書けずに、あるときふいに書けるから大丈夫」
心強い言葉に背中を後押しされたようだったが、「もうこのまま書けないのではないか」という気持ちと「今度書き出すときには、きっといいものが書ける」という気持ちの間で揺れ動いているのも正直なところ。久しぶりに小説を読むと、やっぱり私は小説が書きたいのだなあと実感するし……。
小説って一体、何だろう。
ずっと問いかけてきた問いを、あらためて考える。
自信過剰と自信喪失の間で揺れ動く不惑の女。
さあ、どうなることやら。