面河山岳博物館へようこそ!

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特別講演会「害虫100万匹を飼育する仕事の話」はいよいよ明日です!

2018-08-08 22:34:25 | 展示・イベント
特別講演会「害虫100万匹を飼育する仕事の話」がいよいよ明日開催されます。

前回7月29日に台風12号直撃に備えるため泣く泣く延期をしたこの講演会。

講師の有吉立さんは前日既に松山入りされていました。

29日は台風の中、当館の特別展を観覧され、講演会のネタを膨らませてくださったようです。

その日のうちにほぼ延期日を決定し、再び久万高原を訪れることをお約束いただき、高速バスで職場のある兵庫県赤穂市へと帰っていかれました。

そして、明日、久万高原に再上陸です!


特別講演会「害虫100万匹を飼育する仕事の話」

 日時:8月9日(木)19~20時半

 場所:久万高原駅やまなみ・研修室(愛媛県上浮穴郡久万高原町久万202-3)
     ※久万高原町役場の南側の建物

 参加費:無料




この写真は2度目の登場。

今年の5月末に視察に行った、アース製薬赤穂工場内の飼育室入口で有吉さんと一緒に撮ったもの。

お楽しみに!


特別講演会「害虫100万匹を飼育する仕事の話」開催まであと2日

2018-08-07 16:09:05 | 展示・イベント
7月末に台風による荒天のため延期としていた特別講演会が8月9日(木)に実施されます。

講演いただけるのは、アース製薬㈱の研究員、有吉立さんです。

ふだん仕事でどんな害虫を飼っているのか?害虫ってどうやって飼うのか?

害虫飼育歴20年で培われた、飼育技術や失敗談などを交えて分かりやすくお話いただきます。


そんな講師の有吉さんがこのたび、本を出版されました。




タイトルは「きらいになれない害虫図鑑」!

ゴキブリからムカデ、カメムシ、カ、ダニまで、みなさんの知っているありとあらゆる「家の中のきらわれ生物」が紹介されています。


有吉さんは、昆虫学について大学等で専門的に学ばれた方ではありません。

働き始めて、いきなり害虫に出会ってしまったというかなり異色の経歴の持ち主です(なんと美術学校出身で陶芸教室講師もやっていた!)。


ですので、この本では生き物の生態解説もありますが、メインは害虫飼育の(オモシロ)苦労話や工夫、日々の小さな発見などなど。

同僚の方との害虫飼育を通した交流や、虫に対して興味があるわけではなかったというスタンスで発見した虫の面白さなど、とても昆虫専門の研究者としてずっとやってきた!という方には書けない内容がもりだくさんです。

昆虫に興味ない方でも共感しやすい「暮らしと仕事のエッセイ」と言ってもいいでしょう。


この本をきっかけに、これからテレビや新聞などに露出が増えてくると思われる有吉さん。

直接、講演でお話が聞けるのは今回の企画が日本初です。見逃し聞き逃しは損ですよ!



博物館オリジナルのクリアボトルの発売開始!

2018-08-06 23:02:32 | ニュース
8月11日の「山の日」に向けて、当館ではオリジナルのクリアボトルを製作しました。

今年の暑い夏、登山や自然散策時はこれまで以上に水分補給に気を使わなければなりません。

ペットボトルもいいですが、やっぱりお気に入りのボトルにお茶や水を入れていくとテンション上がりますよね。


そこで、ドン!









明治42年に海南新聞(後の愛媛新聞)の連載記事で、探勝地として世に初めて紹介された面河渓。

その後、昭和8年に名勝として指定される頃には、たくさんの絵葉書やパンフレットで紹介されるようになりました。

観光ではなく「探勝」と呼ばれた当時の面河・石鎚行をイメージしたのがこのロゴデザインです。

当時の絵葉書や記念スタンプなどを参考に作成しました。

1点980円、限定100個の販売ですので、ご購入はお早めに!






これは昭和初期発行の絵葉書です。

亀腹橋と書いていますが、現在の鶴ヶ背橋(渓泉亭から第1キャンプ場に向かう所にある橋)と思われます。

ちょうど亀腹前の河原に下りて、上流を撮影した画角。奥は蓬莱渓です。

この時代の探勝の雰囲気がちょっとでも表現できているといいんですが。

特別展「家の中のきらわれ生物~天井裏と床下の百鬼夜行~」案内その4 きらわれ生物の書籍紹介

2018-08-04 12:33:34 | 展示・イベント
特別展「家の中のきらわれ生物~天井裏と床下の百鬼夜行~」開展中です!


家の中に出てきた謎の昆虫、小さくて黒くて何だかわからない、家で何かに被害あるのかなあ、気になるなあー

そんな時役に立つのが、ネット検索!ではなく、図鑑です。

ネットでその謎の生き物の情報を探すとなると、的確な検索キーワードが必要になります。

今回の場合は「家の中 黒い 小さい 虫」、これで画像検索をかけると、運がよければその虫の写真がヒットするかもしれません。

少し生き物に詳しければ検索キーワードはより詳細になるでしょう。

「衛生害虫 甲虫 微小」

こっちのほうがヒットする可能性は上がるかもしれません。


こうやって辿りついたサイトには写真が豊富な場合もあれば、画像の荒いものが1点だけということもあるかもしれません。

また、ネットの情報が怖いのは、正確性に欠ける場合がある点。

間違った情報をネットから引用して、またそれがどこかで引用される。そんなケースは多々みられます。

「W」で始まる有名な百科事典サイトでも、そのようなことがあるのを知っておいたほうがいいでしょう。



そこで最も信頼がおけるのが、やはり書籍です。

何重にも複数回の校正を経て、世の中に送り出される書籍は、このネット全盛時代にあってもまだまだ高い信頼性を誇っています。

また、生き物の名前を調べるのに、図鑑の紙をパラパラめくりながら探索するのは、実はマウスをカチカチしてページを行ったり来たりするよりも効率的。

ということで、今回は家に出てきた「きらわれ生物」の正体を明らかにするのに、とてもとても役に立つ図鑑を2つ紹介します。



左から

 安富和男・梅谷献二,2007.原色図鑑 改訂新版 衛生害虫と衣食住の害虫.全国農村教育協会.

 近藤繁生・大野正彦・酒井雅博,2015.わが家の虫図鑑 新装改訂版.トンボ出版.


これらは専門家でもお世話になる図鑑で、本屋さんでもネットでも簡単に手に入れることができます。

この2冊があればほぼ正解に辿りつけるでしょう。

パラパラ眺めていても面白い!

でも、値段が高いのが一般の方にとってはハードル高いでしょう。

それぞれ4,000円、2,800円(税抜)です。

一度買えば一生もの!と言われても、なかなか手を出しにくいのが実際。

まずは図書館や本屋さんで実物を手にとってみて下さい。



特別展「家の中のきらわれ生物~天井裏と床下の百鬼夜行~」案内その3 トビズムカデの口

2018-08-02 17:47:24 | 撮影
特別展「家の中のきらわれ生物~天井裏と床下の百鬼夜行~」開展中です!

今回紹介するのはトビズムカデです。

ゴキブリと並んで今回の展示で「見たくないけど見てしまう」「見て知ったら驚き」のきらわれ生物です。

ムカデは咬まれるとかなり痛いことで知られています。

私は実際に咬まれたことがないので自分の言葉で説明することはできませんが、本日入館されたご家族のお父さんが20歳ごろに咬まれた経験を話してくださったので、それを引用します。


「親指の付け根を咬まれてしばらくムカデがぶら下がっていた。叩き落としてしばらくしたらズキズキ痛みだした。あまりに痛くて、指を切り落としたいぐらいだった・・・」

どうですか?

絶対に咬まれたくないですね。




さて、ムカデが咬むといっても、それは口(くち)を使ってではありません。





これはトビズムカデ頭部の腹面ですが、黒く尖っているのが頭部に繋がる第1胴節の肢が変化してできた「顎肢(がくし)」、別名「毒肢」です。

これでガチッと刺すと毒牙注入され、先ほどの痛みに襲われます。

胴体の節についている肢(あし)がもとになっているので、口(くち)ではありません。

肢の先で刺しているのです。


なら、口はどこかといえば、矢印で示している場所。

ちっちゃくてかわいい大顎(おおあご)です。

ここでガジガジ咬んで細かくして飲みこむわけですが、こんな小さい口なら確かに毒で獲物を弱らせてからじゃないと、とても咬みきってのみこめないなー、ということに気付きます。

ムカデの毒はあくまで獲物を動けなくするためのもの。

ゴキブリもよく食べてくれる「益」の面もありますが、やっぱりこのウゾウゾした生き物が家の中に入ってくるのは御免だなー、と思います。

博物館では体長23㎝の巨大トビズムカデの生体を展示中です!

2年前に町内の小学校前で採集してから飼育を始め、この夏で3年目に突入。

キモいけどカッコいいのです。