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特別展「家の中のきらわれ生物~天井裏と床下の百鬼夜行~」案内その3 トビズムカデの口

2018-08-02 17:47:24 | 撮影
特別展「家の中のきらわれ生物~天井裏と床下の百鬼夜行~」開展中です!

今回紹介するのはトビズムカデです。

ゴキブリと並んで今回の展示で「見たくないけど見てしまう」「見て知ったら驚き」のきらわれ生物です。

ムカデは咬まれるとかなり痛いことで知られています。

私は実際に咬まれたことがないので自分の言葉で説明することはできませんが、本日入館されたご家族のお父さんが20歳ごろに咬まれた経験を話してくださったので、それを引用します。


「親指の付け根を咬まれてしばらくムカデがぶら下がっていた。叩き落としてしばらくしたらズキズキ痛みだした。あまりに痛くて、指を切り落としたいぐらいだった・・・」

どうですか?

絶対に咬まれたくないですね。




さて、ムカデが咬むといっても、それは口(くち)を使ってではありません。





これはトビズムカデ頭部の腹面ですが、黒く尖っているのが頭部に繋がる第1胴節の肢が変化してできた「顎肢(がくし)」、別名「毒肢」です。

これでガチッと刺すと毒牙注入され、先ほどの痛みに襲われます。

胴体の節についている肢(あし)がもとになっているので、口(くち)ではありません。

肢の先で刺しているのです。


なら、口はどこかといえば、矢印で示している場所。

ちっちゃくてかわいい大顎(おおあご)です。

ここでガジガジ咬んで細かくして飲みこむわけですが、こんな小さい口なら確かに毒で獲物を弱らせてからじゃないと、とても咬みきってのみこめないなー、ということに気付きます。

ムカデの毒はあくまで獲物を動けなくするためのもの。

ゴキブリもよく食べてくれる「益」の面もありますが、やっぱりこのウゾウゾした生き物が家の中に入ってくるのは御免だなー、と思います。

博物館では体長23㎝の巨大トビズムカデの生体を展示中です!

2年前に町内の小学校前で採集してから飼育を始め、この夏で3年目に突入。

キモいけどカッコいいのです。


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