河北新報
福島第1原発事故の除染廃棄物の中間貯蔵施設の建設候補地の中で、福島県大熊、双葉両町の候補地の面積は両町全体の8分の1を占め、人口では5分の1に当たる。施設には除染廃棄物が長期保管され、人は近づけない。建設地の国有化で地権者も離れ、無人化に拍車を掛ける。対象範囲には双葉町役場などの主要施設も含まれ、両町の将来像に影を落としている。
候補地は地図の通り。面積は大熊町側が約11平方キロで町全体(78.7平方キロ)の約14%、双葉町側は約5平方キロで全体(51.4平方キロ)の約10%に当たる。
人口では大熊町が全体(約1万1000人)の約22%に相当する約2400人、双葉町が全体(約6500人)の約15%の約1000人が住民登録している。廃棄物の保管期間は30年間で、その間、広範囲に立ち入りが禁じられる。
既に大熊町の面積の約62%、双葉町の約96%が5年間帰れない帰還困難区域に指定されているが、施設建設によって帰還不能期間が延び、避難指示が解けても帰れない可能性がある。
国は建設地を買い上げる考えで、地権者の町外定住が進み、無人状態の中、広大な放射性物質のごみ置き場だけが残る。
候補地内の主な施設は大熊町が熊町小、熊町幼稚園、大熊東工業団地。双葉町は役場のほか、双葉工業団地、双葉総合公園があり、いずれも中間貯蔵施設の運用期間は使用できない。
候補地は楢葉町にもあるが、面積と人口は町全体の約3%ずつにとどまる。
大熊町の候補地内で農業を営み、原発事故で会津若松市に避難した渡部隆繁さん(64)は「3代続いた家業を支えた土地を手放すのは悔しいが、諦めざるを得ない。国に土地を買い取ってもらい、ほかの地に居住拠点を求める」と古里を離れる決意をした。
大熊町の渡辺利綱町長は「中間貯蔵施設の計画が示され、町を離れたい人が増える心配はある。戻れる人は戻れる環境をつくりたい」と語った。
2013年12月17日火曜日