☆ 知新 温 (Arata On) ☆ のお菓子だぁ~い好き!

食空間カメラマン 知新 温 (あらた おん)の日々是修行←話題脱線中
◆ 最近、不定期更新になってます!(詫) ◆

【 オピニオンリーダーが語る 「厨房談義」 第23回 】

【オピニオンリーダーが語る「厨房談義」第23回】
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の様子を掲載して頂いております!
作例写真も合わせて掲載しておりますので、お時間のある際にご覧下さいませ。

写真製版って何?

2008年02月25日 | ヲタクの館!写真講座

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グループ展も目前に迫って参りました。(*日時&在廊日等、先週の記事参照。)
今週と来週は、私の出品作品について、簡単な解説をさせて下さぁい。
 (本当は、先入観を持たずに見て頂くのが一番なのですが。仕事の都合により、会場で、
  皆様とお話しできる時間が少なくなってしまいました。。少しばかりの説明を。。 詫 。)


     
【ポリマー樹脂版による写真製版 紙:ハーネミューレ 複写にてデータ化】

前回に引き続き、写真製版による作品を、組写真で出品することにしました。
写真製版の制作過程を、かいつまんでお話してみますと。
 1) 写真を撮影し、ポジ原稿を作成する。
 2) 機械印刷用の感光性樹脂板に露光し、像を焼き付け現像する。
 3) 作成した版にインクを詰め、プレス機で圧をかけて紙に刷り上げる。
*撮影+リトグラフ+銅版の技法を合わせた作業工程といったイメージです。

この技法は、20年位前に、北欧の写真家が凸版印刷用の製品を使って行った
のが最初とされ。従来の劇薬を使用するフォトグラビュールとは、別のものです。

さて、なぜこの技法を、自分の作品制作に取り入れてみようと思ったかというと?
 1) 元々、浮世絵のファンであったので、版画に興味があった。
 2) 写真界のデジタルへの移行期に、データ画像の品質に懐疑的だった。
 3) 印刷の仕組みやインクの透過性などを、深く学べると考えた。

しかし、現実は甘くなかった・・。日本では、版画家が独自の描画で、この技法
に取り組んでいたため。写真描写の再現は、文字通りゼロからのスタートでした。

失敗の山。何の成果もなく費やされる時間。自分、バカじゃないかと思いました。
 1) とにかく、版が出来ない。半年、露光時間のデーター取りの日々。
 2) インクの詰め方、調色、多色刷り混色の着地点が読めない。
 3) プレス機に圧を、均等にかけられない。一度に刷れるのは一枚のみ。

泣きが入って、さらに半年。モノクロプリントの応用から、一筋の光明が。
光重合など、化学的考察の課題は未解決ながら。多くを得ることができました。
*’大馬鹿者は、得をするのだっ!’。座右の銘を勝手に作ってみました~。

 1) 改めて、銀塩フィルムの解像能力の高さに気が付いた。
 2) インクの特性や機械製版の仕組みを、体感して理解できた。
 3) 版画作家さんの自由で創造的な仕事に触れて、手作業の持つ力強さや、
    作品に対する思い入れの深さ、が生み出す”美”を見ることが出来た。

まだまだ、道半ばではございますが。試行錯誤の道中を、皆様に見て頂きたく、
作品を展示致します。今回は、版の大きさを約2倍に。黒バック&中間階調の
残るライティングで撮影。完成版が出来上がったのは、1ヶ月前でした。(汗)

今後は。「写真でしかできない」、「版画でしかできない」を、組み合わせて、
『写真製版でしか表現できない』作画を目指して、創作を続けて行くつもりです。

もし興味をお持ちの方で、私の在廊日に会場にお越し頂けましたら、声を掛けて
下さい。今回使用した版を、お見せ致します。今後の糧に致しますので、ご意見
ご感想をお寄せ頂けると、幸いです。

 今日の写真は、前回、第4回展に展示した写真製版の作品を。
  撮影は、白バックにバック飛ばしで、製版し易いライティングになっています。
  二版二色刷り。二つの版に変化を付けるため、絞りは対照的に設定しました。