シロ猫ピッピの「おいら物語」

生死をさまようガン闘病中に人間の言葉がわかるようになったシロ猫ピッピの物語。ニュージーランドからお送りしています!

Vol.0299■飲んだり吐いたり 

2007-08-31 | ガン闘病記
「8月が終わる~~~♪」
って、アイツは大喜び。なにかと思ったら、おいらが今月も生き延びたからなんだと。
アイツがガンに気がついたのが4月13日。4ヶ月半経ったんだとさ。ふーん。
まっ、今月の更新はけっこうがんばったよな。
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ここ2日くらい、おいら吐いてる。
吐くのは決まってサプリメントだ。流動食じゃない。吐いたあとは、どっと疲れる。なんでだろね。

疲れすぎてあんまり眠れないくらい。そんなときは、薄目を開けたままジーっとしてる。

(寝たくても寝れないときもある。おいらのガンにしっかり足かけて爆睡してるアニキ。くっ、苦しいってば。重いし。でも、あったかいな・・・→)

最初はライジンだった。ゲーって吐いたら茶色いドロドロしたもんが全部出た。
で、1日飲まないでトランスファーファクターだけ飲んでみたら、吐かなかった。

「じゃ、大丈夫かしら?」
って、アイツがまたライジンを入れたら、またゲー。そのあと、トランスファーファクターだけ飲んでもゲー。それだけで、すっごく痩せた。流動食は吐いてないのにな。不思議だけど関係あるらしい。

「こんなに痩せて、いいのか?」
って連れ合いが心配してるけど、イイとか、ワルいとかじゃないんじゃないか?
ワルいに決まってるけど、おいらもアイツも、もちろん連れ合いも痩せるのを止められないんだ。
ちょっとあったかくなったから、痩せても少しは楽かな?前は骨まで寒かったぜ。
日向ぼっこなら、もう毛布は要らない。直接陽に当たってた方が気持ちいいんだ。

まっ、吐かないときもあるから、アイツもあれこれやってるぜ。
水を多くしてみたり、少なくしてみたり。
水が多いとどんどんノドを通るけど、量が多くて苦しい。
水が少ないと口に広がるし飲みにくいし、これもやっぱ苦しい。

ヘンなとこに入れば涙が出るしね。
「かわいそう。」
って言いながら、アイツも涙だ。1匹と1人で涙の目で見詰め合ってんのさ。

でも、アイツはひつこいしすぐ忘れるから、ちょっとすると、
「ピッピ~☆ お薬よ~♪」
ってニコニコしながら戻ってくる。ホントおちおち寝てらんないぜ。
(つづく)

Vol.0298■モリシンイチとヘリコプター

2007-08-30 | ガン闘病記
きのうもきょうも天気が良くってね、助かってるよ。外でゴロゴロ、家でゴロゴロ。
流動食で起こされて、またゴロゴロ。トイレに行って、またゴロゴロ。
夜になったらストーブの前でゴロゴロ。これがおいらの『闘病』なんだと。
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この間の話の続きだけど、
「元の声に戻ってきて、ダミ声じゃないってことはガンがよくなってるってこと?」
なんて聞かれたら、とんでもないね。ガンはどんどんデカくなってる。アイツに数えられないんだから、おいらになんかわかるわきゃない。ただただノドがギューっとなってるさ。首の後や頭のほうもなんかヘンだ。

確かに声は戻ってきてるかな?一時は、
ニ”ャー
ニ”ャー

って感じで、
「ピッピ、かわいそうに。これじゃ、モリシンイチだわ。」
って言って、アイツが泣きながら笑ってた。誰だよ、それ。

それから比べりゃ、よくはなったかな?

あと寝てる時にノドが鳴ると、
「ヘリコプター!」
ってアイツらが言い出すくらい、ノドがバタバタバタバタ鳴ってたんだ。
あれが鳴り出すと、おいらも止められなくって、うるさくて、まいったぜ。
ヘリコプターって空でバタバタバタバタやってるアレだろ?
ホントにそっくりだった。

でも、それも止まった。

(モリシンイチ?ふん。そんなもんより、ストーブだよ、ストーブ!今夜もまた1個なんだけどね。→)


「な~んだ、やっぱりよくなってるんじゃない。」
って言われそうだけど、大ちがいさ。今は水を飲むと、
グキュグキュグキュグキュ
ってとんでもない音がする。ノドが狭くなってるから水が通るだけでも大変なのさ。

こうやってどんどん変わってく。ガンは生きてるからね、おいらの中でどんどん変わっていってんのさ。おいら?おいらも変わってってるさ。どんどん痩せてきてるからね。
流動食がなかったらもう生きちゃないさ。
(つづく)

Vol.0297■久しぶりに喰ったぜ

2007-08-29 | ガン闘病記
いやぁ、わりぃ、わりぃ。きのうUPしなくて。別にヘタってたわけじゃないんだ。
いつもの通り、アイツのせい。天気はいいし、けっこう元気だったんだぜ。もっと痩せちまったけどね。じゃ、後出しだけど、よろしく。
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かれこれ2週間ぶりかな?おいら喰ったんだ。
連れ合いが新しいネコ缶を買ってきて、アイツがおいらの前に置いた。最初はなんだかわかんなかった。ずっと自分で喰ってなかったからね。
グッと目の前までボールを持ってこられて、いつもだったらここで後に下がるんだけど、ちょっと違うにおいがして、つい顔を前に・・・

口にひんやりしたものが当たった。
そうか、喰いもんか・・・
舌を出してチロチロチロチロ・・・・
まぁ、喰ったっていうより舐めたんだけど、自分で口にしたのはホント久しぶり。

アイツらは大喜び。
これから毎日いろんなもんを持ってくるだろう。ひつこいからね。
だからって喰えるかどうかは、おいらにだってわかんないけど、喰ったほうがいいとは思うよ。やっぱ流動食は苦しい。しないでいいんだったら、絶対にしたくないさ。
苦しくて涙が出るときもある。鼻水が出るときもあるな。口の周りも痛くなってきた。

でも、舐めてるだけじゃ腹はいっぱいになんない。ぜったい、なんない。
やっぱ、流動食しかないんだろう。
二本足がいなかったら流動食なんかない。だから、1匹で生きてる野良猫だったら、おいらはもう生きてないってことだ。

「お腹が空けば食べるだろう。」
って思うかもしれないけど、そうはならないのさ、四つ足の場合。
喰えなくなったら、ホントに喰えない。そのまま生きられなくなったとしても、喰えない。
2回も喰えなくなったおいらが言ってんだから、ホントさ。

なんでかって?
それはおいらにもわかんない。
四つ足には「なんで」はないから。
そういうもんなのさ。

(ゴメンよ。喰えないもんは喰えないんだ。何回持ってきてもらってもね。そういうときはこうやってお尻向けて「ごちそうさま」なんだ→)

(つづく)

Vol.0296■もう数えない

2007-08-28 | ガン闘病記
きのうはけっこう雨が降ってちょっとしか外に行けなかった。
それほど寒くなかったから、毛布でグルグル巻きにされるのもちょっとね。デッキもダメ、毛布もダメで、なかなか寝る場所が決まらなくってウロウロウロウロ。
いつもと違うだけでも疲れるんだ。
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アイツはガンを数えるのをやめた。
8月13日の3個めまでは数えてたけど、もうやめた。
いっぱいありすぎて数えられなくなったからだ。
「これじゃ、まるでブドウね。」
って言ってる。

何個になっても、することは一緒だしね。
アイツは流動食を作り、
連れ合いはトイレ掃除とストーブを着けたり消したり、
おいらは寝てるか起きてるか。

3個めのガンはすぐに2個に分かれた。でもくっついてるから1個みたいな2個。
2個めのもなんかくっついて2個みたいなんだけど、1個みたいな、でも2個か?
耳の後ろや下にも肉球みたいに小さいけどコリコリしたもんがある。これもガンだろう。
すぐにデカくなってくる。

「もう、や~めた。」
アイツはあきらめた。それでいいと思うぜ。おいらのまだノドは潰れちゃない。流動食なら喰えるし、水も飲める。もちろん息もしてるさ!毎日アイツが右と左にグイグイ押してる。

「ピッピってだんだん元の声に戻ってきてない?もうダミ声じゃないわよね。」
ってアイツが言い出すくらい、声も出る。まっ、めったに鳴かないけどね、おいら。
流動食のあとの抱っこが長すぎて下に下りたいときに鳴くくらいかな。
でも、その「ニャー」が少しはよくなってるんだと。
そうかね?

「きゃ、カワイイ♪ もう1回鳴いて、ピッピ、お願い!」
って言われるけど、ヤダね。
また鳴いたら、
「キャー通じた通じた!ピッピ、もう1回!お願~い♪」
ってなるからね。キリないんだ、二本足って。

(また撮られちまったよ。ちぇ。慌ててるから自分が影になってるじゃないか。ザマミロだ。

アゴのとこにぶら下がってるガンの他にもいっぱいあんだぜ→)

(つづく)

Vol.0295■ガレージの引越し

2007-08-27 | 猫の海外暮らし
「ひぇ~、“治療なしの場合、悪性リンパ腫では 1、2ヶ月で亡くなることが多い”って書いてある~」
とか言いながら、アイツがパソコンをのぞきながらブツブツ言ってるから、そうらしい。
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「なにやってんだ?」
って思いながらも、外のすんげえ音を聞きながら寝ちまったおいら。
起きたら静かになってた。終わったんだろう。

ちょうどトイレもしたかったし、
「出てみるか。」
と思って玄関に行くと、ドアは開けっ放しだった。外はいい天気。ちょっと寝てる間にずい分あったかくなってた。もう昼だもんな。

えっ?こりゃ、ビックリだ。
外に出るといつもとぜんぜん違う。玄関の横のガレージがなくなってるじゃないか!
あんな家みたいなもんが、どっかに行くのか? ってことはおいらたちも引越すのか?

(朝まで確かにこんなもんがあったのに!→)


どうもそうじゃないらしい。
だって大きい子どもがのんびり濡れた服を干してるし、アイツもキッチンでカタカタやってる。引越しのときはみんな大騒ぎで、それどころじゃない。こんなこと絶対にしてないからな。 そうか、ガレージだけがどっか行ったのか!
(←起きたらこんなになってたんだ。隣の二本足が掃除してるし、いったいどうなってんだ?)

夕方になっても、次の日になってもガレージは戻ってこなかった。
隣のシィンの家のあとはガレージの引越し。
ヘンな話だけど、そういうことらしい。
小さい家みたいだったガレージがあったところに乗ってみた。コンクリートがあったかい。まだにおいがする。クルマのにおいと陽のあたらない埃のにおい。

家の中の箱はガレージにあった箱だったのか。引越してく前に家に入れたんだろう。
とにかく、おいらはどこにも行かなくてよさそうだ。よかった、よかった。
(つづく)

Vol.0294■なんの音?

2007-08-26 | 猫の海外暮らし
「やーねぇ。これじゃ、骨が毛皮着てるみたいじゃない。背中なんかゴッツゴツよ。」
って言われながら、流動食を喰わされてるおいら。
やーねぇ、って言われてもね。自分でなんにも喰わなくなって1週間以上か。
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引越しは隣の家だった。さんざん、おいらたちの庭を歩き回ってたシィンはどっかに行っちまった。
じゃ、うちの家の中の箱はなんなんだ?

前だったら、段ボール箱を見たら徹底的ににおいをかいで、チェックして、上って、爪をといで、中に入って寝心地も確かめて・・・とやらなきゃ気がすまなかったアニキ。
でも、トシとったのかぜんぜん興味がなさそうだ。
おいら?
おいらは元々アニキみたいにマメじゃないんだ。においかいで、それでおしまいさ。
二本足のもんなんて、おもしろいわけないだろ。

きのうは天気がよかったけど、見えないくらい小さい雨が降っててちょっと寒かった。
デッキで昼寝してたけど、中にはいったらアイツが毛布を持ってきたんで、そのままグースカグースカ。外でデカい声がしてワーワーやってたけど、子どもが家にいる日だから、誰か来たんだろうと寝てたんだ。

そのうち、
トンカントンカンギーコーギーコー
トンカントンカンギーコーギーコー
ギコギコギコギコギコギコ


聞いたことない音がして、
キ――――――――――――ン
キ――――――――――――ン
キ――――――――――――ン
キ――――――――――――ン

って、すんげえ音。この近さは庭だぜ。なにやってんだ?

でも、眠くなるトランスファーファクターをしこたま飲んで眠くてしょうがないし、
ガンだし、おいらは見に行かないでそのまま寝てた。
「行くの?行ってもいいけど、おじさんたちいっぱいいるから、気をつけてね。」
ってアイツが玄関で言ってる声がしてたから、アニキは行ったんだろう。

さすが、防人ネコだ。
なにやってんだ?あぁ、眠い。

(庭の安全を守るアニキ。いつもご苦労だニャン。
でっ?変わった事は?→)

(つづく)

Vol.0293■引越し?! 

2007-08-25 | 近所の猫
庭によく来るようになった偽チャッチャ。アニキみたいなトラ猫だ。
「後姿なんかそっくりだよ。『チャッチャ!』って呼んだらすっ飛んで逃げてったけど。」
って連れ合い。確かにヤツはアニキに似てる。どうもおいらの偽者もいるらしい。
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アイツと連れ合いが話してる。
何度も何度も、『ヒッコシ』って言ってる。
『ヒッコシ』って、引越しか? 
冗談だろ。おいら、ガンでこんなに弱ってんだけど。

しかも、部屋にはこんなもんが
ホントか~。今度はどこ行くんだよ。もうおいらにゃ数えらんないくらい、何回も何回も引越してるっていうのに。トホホホホ・・・

・・・って思ってたら、引越しは隣の家だった。
そう、隣。つまり、シィンの家だ!
「これで1匹庭をウロウロするネコが減るわけか。」
って連れ合い。
「でも、白黒のタビちゃん色のを見かけるようになったじゃない。偽チャッチャもよく来るし。」
ってアイツ。おいらの引越しじゃないなら、なんでもいいや。

引越しの日は天気がよかった。部屋みたいにデッカいトラックが来た。でも外はちょっと寒かったから、おいらは家の中で寝てた。二本足の声がずっと聞こえてた。ガタガタ、ゴトゴトいろんな音もする。寝ててもいつもと違うのがよくわかった。

そのうち、
ニャーニャーニャーニャー
鳴いてる声がはっきり聞こえた。
シィンだ。

ケージに入れられて荷物と一緒に外に並べられてんだろう。焦ってるし、怒ってるし、哀しそうだ。必死に二本足を呼んでる。
でも誰も来やしない。みんな忙しいんだ。それが引越しさ。
おいらとアニキが何回もやったことのある・・・

あきらめるんだな。
すぐに新しい家に着くし、すぐに新しい家にも慣れる。そして、前の家のことはどんどん忘れちまう。もう戻ることは絶対にないからね。それが引越しさ。
じゃ、うちの家の中の箱はなんなんだ?

(シィンの家。「誰もいない」って書いてあんだろ?→)
(つづく)

Vol.0292■目指せ1日10回

2007-08-24 | ガン闘病記
夜になるとストーブがつく。おいらのためなんだって。そうかもな、その部屋にはおいらしかいないから。アイツらもアニキもいない。濡れた服があるときもある。
「ピッピのおかげで、洗濯物が乾くニャン。」
って連れ合いが言ってる。そりゃ、どうも。
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例えば・・・・
朝7時半。
9時半。

出かけたアイツが帰ってきて、
11時。
また出かけて、帰ってきて、
3時。
なんかやってて忘れちゃって、
6時。
自分も飯作ったり喰ったり片付けたりして、
8時半。
今度は忘れないで、
10時半。
「もうそろそろ寝なきゃ!」って言いながら、
1時半。

これがおいらの毎日の流動食。
まっ、1日7、8回ってとこだな。1回10cc。時間は適当。
アイツは10回喰わしたいみたいだけど、そんなに喰ったことないな。
この間にも、朝8時半、夜9時とかにライジントランスファーファクター飲んでんだ。
忙しいぜ、おちおち寝てもいらんないよ。

アイツも大変だけど、おいらも大変。
10ccったって苦しいときは苦しい。スルっといくときもあるけどね。
でも、これでどんどん痩せてくのはちょっとよくなったかな?そうでもないか?
太るわきゃないけどね。
タビが1回で喰っちまう量を3日ぐらいかけて喰ってんだぜ、おいら。

もっと喰えんのかどうかはわかんないな。腹が減ってるかどうか、よくわかんないんだ。でも吐いたりはしないから、腹の中にはガンはないのか? ノドにはいっぱいあるけどね。

(あーあ。とうとう撮られちまったカメラ目線写真。流動食喰い終わって、というか流し込まれ終わって、まだ目が白黒してる瞬間。ちぇ。ぬかったぜ!まっ、目ヂカラ写真ってことで。→)

(つづく)

Vol.0291■イノウエ・ピッピ

2007-08-23 | ガン闘病記
ぜんぜん喰ってないんだ。流動食ばっかりだ。でも痩せるのは止まったかな?
夜になってカリカリ1個喰ったらアイツに褒められた。
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流動食だと腹が減る。
「じゃ、自分で食べれば。」
って言われるだろうけど、それができないのがガンなんだ。目の前に飯があってもね、喰えないものは喰えない。喰えるときもあるけど、舐める程度さ。

流動食は1回10cc。いちおう2時間おきなんだけど、1時間半おきにして、アイツらが出かけちゃったり、おいらがグースカ寝すぎて3時間なかったり、いろいろさ。でもまあ、アイツが家にいる限りは何度も抱っこで、「アーン」なんだ。

問題は夜だ。
あんまり寝ないアイツだけど、それでも2時間よりは寝る。寝たら流動食はない。
おいらも一緒に朝まで寝ちゃうときもあるけど、最近みたいにちょっとあったかいと目が覚めるときもある。

アニキがハフハフ喰ってる音がする。においもする。
「そういや、腹減ったな。」
って思う。そういうときはアイツのとこにいく。
流動食はアイツしかできないからね。連れ合いはトイレ掃除専門なんだ。

アイツは寝てる。
寝ててもおいらが来たのがわかると寝ながらナデナデするときもある。でも、アイツの頭の中のテレビはぼんや~りしててなんにも映ってない。やっぱ寝てるんだ。そういうときどうするか。

アイツの上に乗るんだ。
こんなに軽くなったおいらだけど、乗っかられるとわかるみたいで頭のテレビがつく。
「ご飯?」
ってアイツが聞く。外に行きたいときはドアをカリカリするからね。アイツはもっさりもっさり起きだしてキッチンへ行くってわけさ。

だから最近のおいら、
イノウエ(胃の上)さん
って呼ばれてんだ。

「イノウエ・ピッピか。すごいじゃないか、ネコのくせいに苗字があって。」
って、連れ合いは二ヤニヤ。起こされるくらいならトイレ掃除専門でよかったって思ってるんだ。

(2週間前はまだこうやって自分で喰ってたのにね。今じゃ、
「イノウエさん」だ→)

(つづく)

Vol.0290■連れ合いストーブ

2007-08-22 | ガン闘病記
アニキがどっかでケンカしてきたみたいで、目ヤ二が止まんない。
おいらはガンでも、アニキにはいつもの生活が続いてるんだよね。
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「はい、足開いて。」
って、アイツ。
「こんなんでよければ。」
って、連れ合いがベッドの中で足を開く。

「じゃ、ピッピちゃん、おやすみ~♪」
って言いながら、アイツがおいらを連れ合いの足の間に置く。上から毛布もかける。
夜はこれがけっこうあったかい。どうせアイツは仕事でまだまだ起きてるからね、連れ合いとおいらは先に寝ちゃうんだ。

「これじゃ、寝返りが打てないんだけど。」
「かわいい、ピッピのためでしょう。」
そうだ、そうだ。連れ合いの足はデカくてちょうどいいんだ。隣にアニキが来ることもある。2匹で足を両側から挟んじゃったりしてね。連れ合いはじーっと寝てるぜ。
けっこうガマン強いみたいだ。

ホントはストーブをずっとつけててほしいんだけど、連れ合いが寝るときは消しちゃう。
だから寝るときは連れ合いストーブしかないのさ。後からアイツが来たら、2人の間に動くときもあるけど、おいらも寝てるからね。そのまんま連れ合いの足の間で朝まで寝ちゃうときもけっこうあるかな?
これからも頼むぜ。
(そりゃ、アニキが一番あったかいんだけどね。やっぱ毛皮だぜ、毛皮!→)

(つづく)

Vol.0289■目ヂカラ

2007-08-21 | ガン闘病記
きょうも飲んでんぜ、トランスファーファクターライジン
あと、流動食のネコ缶も。
もちろん、水も。
腹がちゃぷちゃぷだよ。
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きのうの続き。
ガンでこんなにガリガリのおいらが「元気」ってどういうことよ?!
って言われるだろうけど、問題はホントにガンだけなんだ。
まっ、最近は喰えないってこともあるけどさ。

それ以外は変わってないんだよな。
痛くもない。
痒くもない。
吐かない。
腹も下ってない。
(おいらがカメラ目線しないもんだから、アイツが抱いて連れ合いが写真を撮るなんて汚い手を使ってきた。フン、その手にゃ乗んないよ。いつもよりギューっと目つぶっちゃうもんね→)

ちょっと脱水症状になるときもあるけど、水なら自分で飲める。
トイレも外でした方がいいけど、めんどうくさいから部屋のトイレでしちゃう。
寒けりゃ寝てるし、まっ、あったかくても寝てるな。

「こんなに痩せても鼻はピンクだし、みずみずしいし、毛並みも真っ白でワルくないわ。」
「なんたって目にチカラがあるよな。チャッチャの方が糖尿病だからどんよりしてる。」
「目ヂカラか・・・」
って、アイツらが言ってるから、見た感じも「元気」なんだろう。

最近じゃアニキもまた寄ってくるようになった。
四つ足は弱って妙なにおいがし出したヤツのそばには行かないし、ハーって追い払ったりするんだけどね。
アニキはヤじゃないみたいだ。

(←ちぇ。まだ撮ってたのか。ひつこいニャン。ぶっくりふくれてんのが2個めのガンさ。アイツが押しまくって今じゃ耳の下だ)

ホント、問題はガンだけなんだよな。
(つづく)

Vol.0288■ライジンの1週間

2007-08-20 | ガン闘病記
きょうはけっこうあったかくて助かったよ。
昼間はドアも開けっ放しだから、好きに出たり入ったり。
サンデッキで昼寝するだけだけど、気持ちいいんだな~、これが。
家の中とじゃぜんぜん違うぜ。
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EEMライジンを飲んで1週間経った。
これのせいかどうかはわかんないけど「ちょっと喰おっかな」って思うときもある。
今じゃ、ボールを持って追いかけられてんのは糖尿病のアニキじゃなくておいらの方。
アニキはなんだか一生けんめい自分で喰ってるよ。
アイツも連れ合いもおいらのことで忙しいからね。

でも、いつも喰えるわけじゃない。
喰うったって舐めるぐらい。腹がいっぱいかどうかよくわかんないから、すぐやめちゃうんだ。それに舌も疲れるし。だから流動食も続いてるよ。好きじゃないけどさ。

ガンも増えた。
デカいガンが2個もできてる右とは反対の左にもできてきた。
8月13日にアイツが泣きながら言ってた。
「これもやっぱりガンだわ。かわいそう、お誕生日なのにね。」

ノドの両方でガンがデカくなってったら大変だけど、今のところ3個目は小さい。
でもね、2個目もあっという間にデカくなったからどうなるかはわかんないな。
まっ、いいこともあるけどそうでないこともあるってことさ。

ライジンはまぁ飲みやすいかな。吐いたことは1回もない。
ヤな感じはしないから、あのにおいをかいでも逃げ出したりはしないぜ。
ホントにヤならどんなに病気でも嫌がるもんさ。病気のときだから、ヤなもんはホントにヤなんだ。あの化学療法の薬みたいに。

まあさ、ガリガリだけど、けっこう元気なんだ、おいら。

(著者近影→
こんだけ痩せると寒いのはかなわないんだ。
でもどういうわけか、けっこう元気だぜ。カメラ目線はしないけらね、ガンでも)

(つづく)

Vol.0287■やってきたライジン

2007-08-19 | ガン闘病記
獣医に行かないから、家でいろいろやってんだ。
まっ、おいらにはその方がいいんだけどさ。
こんなときにクルマ乗るなんて、カンベンだよ~。
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「来た、来た、来た、来た!!!」
アイツが騒いでる。
なにが来たんだ?なんかおいらに関係ありそうな感じ、って思ってたらホントにそうだった。
ほらな、四つ足の方がデリケートなんだ。

「ピッピ、きょうからこれも飲もう!
EEMライジンって言うの。
日本から送ってもらったのよ。これキノコなの。これでメンエキリョクつけて、ガンと戦うのよ。がんばろうね、おいしいといいね!」
キノコ?
メンエキリョク?


とにかく「トランスファーファクター」みたいなもんらしい。あっちはウシとチキン、こっちはキノコ。みんな喰いもんなんだろう、おいらに喰わせるくらいだから。
「トランスファーファクター・プラス」みたいにマズくないといいけどな。

どうせ、スポイトにみ~んなまぜちまうから、おいらはなにがなんだかわかりゃしない。
アーン
ってやられて、下向いたときにはもう
ゴックン
なのさ。

飲んでみたぜ、ライジン。
う~ん。なんて言うかだな。そんなに飲みにくくはなかった。
咳も出ないし、むせもしない。もちろん吐かないしね。
「トランスファーファクター・プラス」よりは飲みやすいかな。
それに、なんだか喰いたくなってきたんだ、これ飲んだら。
(つづく)

Vol.0286■ちょっとでも

2007-08-18 | ガン闘病記
へへへ。更新続いてるだろ。
これってまとめてUPしてるからなんだ。仕事なんかしてないでUPしろよな。
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流動食が始まった。
飲むときは苦しいけど、なんにも喰わないよりはいいんだろう。しかたない。
ヤだけどがんばって飲んでるよ。

(こういうので飲むんだ。1回10cc。中身はいつも喰ってるネコ缶
味はおんなじなんだけどね~→)

1日目は大変だった。
スポイトの中の固まったネコ缶がかたまりのまんまプシって飛び出てきたりしてさ。
口の中にプシって広がるから、おいらはゲホゲホ。でも吐かなくてよかったよ。吐いちゃえばもう1回だからね。

あんまり水っぽいと魚が少ない。
あんまり魚が多いとスポイトからうまく出ない。
うまくいくときも、いかないときも。
アイツの服にはねたり、おいらのヒゲに飛んだり。
喰ったような、喰ってないような・・・

でも、2日やったらちょっと元気が出たかな。
もちろん、自分で喰うよりはぜんぜん少ないけど、ちょっとでも腹に入るのはいいんだろう。
自分でも喰ってるつもりだけど、
「舐めてるだけで、ぜんぜんお腹に入ってないわ。」
ってアイツは言ってる。そうなのか?
ノドも腹もギューっと詰まってる感じでよくわかんないんだ。
(つづく)

Vol.0285■流動食 

2007-08-17 | ガン闘病記
前のガンのときはあんまりいろんなこと覚えてなかったけど、今度はしっかりしてるから、なにが起きてるのかよくわかって、それはそれで大変だぜ。とうとう流動食だ。
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急に喰えなくなっちまったおいら。
「あっという間に骨と皮・・・」
ってアイツが言ってたから、そういうことなんだろう。

痩せちゃうと元気が出ない。だから、あんまり散歩にもいかない。
外でトイレがしたくても、家の中のトイレでもいいか、って思えちゃう。
なんかめんどうなんだ。ただただ寝ていたい。

それに痩せると寒くてかなわない。
ホントに寒いぜ~。だからこれ以上くっつけないくらいストーブにくっついて寝てたら、
「大変だ~、ピッピが熱くて持てない!」
って連れ合いが言い出すくらい、おいらカチカチ。
でも、自分じゃそんなに熱い感じがしないんだ。これも痩せたからなんだろう。

「ムリよ、ピッピ。このままじゃ、死んじゃうわ。あなたは太ってて蓄えがあるから、なんとかもってるけど、この調子じゃもたないわ。イヤかもしれないけど、流動食始めるからね。」
あいつはそう言って、「トランスファーファクター」を飲むときのスポイトにネコ缶を入れて持ってきた。

どうやってこんなに水みたいにするのかね。
手があると、いろいろなことができんだな。
飲むネコ缶か~。
(つづく)

(ちょっと前まではおいらの方がハフハフ喰って、あいつらはボールを持って糖尿病のアニキの後を追いかけまわしてたのにね。変われば変わるもんだ→)