シロ猫ピッピの「おいら物語」

生死をさまようガン闘病中に人間の言葉がわかるようになったシロ猫ピッピの物語。ニュージーランドからお送りしています!

Vol.0291■イノウエ・ピッピ

2007-08-23 | ガン闘病記
ぜんぜん喰ってないんだ。流動食ばっかりだ。でも痩せるのは止まったかな?
夜になってカリカリ1個喰ったらアイツに褒められた。
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流動食だと腹が減る。
「じゃ、自分で食べれば。」
って言われるだろうけど、それができないのがガンなんだ。目の前に飯があってもね、喰えないものは喰えない。喰えるときもあるけど、舐める程度さ。

流動食は1回10cc。いちおう2時間おきなんだけど、1時間半おきにして、アイツらが出かけちゃったり、おいらがグースカ寝すぎて3時間なかったり、いろいろさ。でもまあ、アイツが家にいる限りは何度も抱っこで、「アーン」なんだ。

問題は夜だ。
あんまり寝ないアイツだけど、それでも2時間よりは寝る。寝たら流動食はない。
おいらも一緒に朝まで寝ちゃうときもあるけど、最近みたいにちょっとあったかいと目が覚めるときもある。

アニキがハフハフ喰ってる音がする。においもする。
「そういや、腹減ったな。」
って思う。そういうときはアイツのとこにいく。
流動食はアイツしかできないからね。連れ合いはトイレ掃除専門なんだ。

アイツは寝てる。
寝ててもおいらが来たのがわかると寝ながらナデナデするときもある。でも、アイツの頭の中のテレビはぼんや~りしててなんにも映ってない。やっぱ寝てるんだ。そういうときどうするか。

アイツの上に乗るんだ。
こんなに軽くなったおいらだけど、乗っかられるとわかるみたいで頭のテレビがつく。
「ご飯?」
ってアイツが聞く。外に行きたいときはドアをカリカリするからね。アイツはもっさりもっさり起きだしてキッチンへ行くってわけさ。

だから最近のおいら、
イノウエ(胃の上)さん
って呼ばれてんだ。

「イノウエ・ピッピか。すごいじゃないか、ネコのくせいに苗字があって。」
って、連れ合いは二ヤニヤ。起こされるくらいならトイレ掃除専門でよかったって思ってるんだ。

(2週間前はまだこうやって自分で喰ってたのにね。今じゃ、
「イノウエさん」だ→)

(つづく)