シロ猫ピッピの「おいら物語」

生死をさまようガン闘病中に人間の言葉がわかるようになったシロ猫ピッピの物語。ニュージーランドからお送りしています!

Vol.0238■猫のプライバシー

2007-03-30 | 猫の海外暮らし
「さぁ、チャッチャ、富士山だニャン。」
「どうだ!きょうはピナツボ山だぞ!」
糖尿病のアニキに喰ってほしい連れ合いは、毎日ご飯を高~く山盛りにして喰わしてる。
その山にも名前があるんだと!いいかげんにしろっ、二本足!
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おいらたち四つ足にもいちおうプライバシーがある。
みんなの前でトイレをしようが、その後お尻を舐め舐めしてキレイにしようが、プライバシーはあるんだ。トイレも舐め舐めも、そんなのどこでやろうが、誰が見てようがへっちゃらさ。
問題は寝るときだ。

「えぇ!いつでも、どこでも、誰とでも寝てるじゃない!」
って言われるだろうけど、そうでもないんだぜ、ホントのホントは。

「いつでも」 まぁ、こりゃしょうがないよな、四つ足だから。
1日中寝てても不思議はない。特においらたちはトシだし。そりゃ、二本足の何倍も寝るさ。

「どこでも」 これはいろいろ考えてるんだぜ、これでも。まず、あったかいところ。それから柔らかいところ。特に今みたいに涼しくなってくると、あったかいところは大事だ。誰かが起きたばっかりのグチャグチャのベッドなんて最高だ。あったかいし、からだがすっぽり収まるスポットもいっぱいある。ソファーや椅子とは比べらんない。ベットメイクなんて、ホントに迷惑!

「誰とでも」 ここがプライバシーのポイントなんだ。アニキとくっついてアイツらが勝手に「ハート寝」って呼んでるように寝てるときもあるけど、それは昼間ぐらい。昼は二本足の夜みたいなもんだから、なにもかも忘れて必死で寝てんのさ。だから、静かにしてくれよな。頼むよ。
「きゃ~☆ 宇宙一カワイイ猫め~っけ!!!」
なんて、突然抱っこしてくんなくていいから。

でも夜はだいたい違う部屋で寝てる。
最近のアニキは大きい子の部屋で。でもベッドじゃなくて、大きな椅子でぬいぐるみと一緒に寝るのが好きなんだ。昼もけっこうそこにいる。
おいらはアイツらと寝てるぜ。2人に挟まれてるとあったかい。連れ合いの足の間もいいんだけど、うっかり挟まれると大変なんだ。あっちは起きないし。


アニキがアイツらと、おいらは小さい子と。
アニキがソファーで、おいらはアイツらと。
アニキがソファーで、おいらは小さい子と。
だいたい、これのどれかだ。なっ?おいらたちにもプライバシーってあるんだぜ。
(つづく)

Vol.0237■猫の士農工商

2007-03-27 | 猫の海外暮らし
「うちの子どもたちラグビーやってるのに、どうしてテレビの試合は観ないのかね?」
「プロを観れば勉強になるし、面白いのに。ピッピの方がよっぽど観てるわよ。」
そりゃ、どうも。
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>『士』はなんたってタビだろう。
からだも態度もデカいからな。
>特別に大きいものね。ピッピもチャッチャも目じゃないし、2匹のご飯もしっかり食べてくし。チャッチャたちも警戒してるわ。

(←『士』 「あの~、ご飯まだですかぁ?」)



>『農』はチャッチャだな。
国家を支える大事な仕事。でもツラくて、そうそう現金収入もない。色も土色でチャッチャにはピッタリ。
>ここは長男、糖尿病のインシュリン打ち打ちがんばる、ってことね。

(『農』 けっこう仕事がキツくてね~。もうちょっと右を頼むニャン→)


>『工』はピッピだな。
手先が器用な職人。兄貴みたいにツラいのはダメなんだ、次男だから。
>とことんマイペースで寝たり働いたり?

(←『工』 これのどこが手先なんだよう?)




>『商』はシィンくんだな。
人が作った物やサービスを右から左へ流して稼ぐスマートな都会派。現金収入もあってリッチなんだ。
>そうね~、うちに来てもピッピとチャッチャのご飯なんか見向きもしないものね。いいものたらふく食べてるんじゃない?

(『商』 これがリッチなんだと→)


なんだよ、ソレ? おいらがなんだって?手先がどうしたって?
おいら、手なんかないんだけど。
これ全部足だぜ。二本足だって「前足」って言うじゃないか。

コレ、庭の話なんだ。タビとシィンは勝手に毎日やって来る近所のヤツら。シィンは引越して来たときにこてんぱんにやったから、おいらたちを見ると逃げてくか、うんと遠くで様子を見てるか。まっ、家が隣だから、いざとなったらさっさとズラかるまだ子ネコだ。

タビはちょっと遠いところから来てんだけど、最近は毎日、おいらんちで喰ってく。いっつも腹を空かしてて、気になるのはアイツらがご飯をくれるかどうかだけ。だから、おいらたちを見てもへっちゃらさ。からだもデカいしね。この間、タビ用のご飯をチェックしてたら鼻を引っかかれちまった。
イテテテ。

アニキは根性座ってるからな。頑ネコなんて呼ばれたりもしてるし。ツラくても病気でも、がんばる四つ足さ。おいら?まぁね。で、アイツらはなんなんだ、と思ったら、
エタ・ヒニン
なんだって。なんのことかわかるか?
(つづく)

Vol.0236■猫とガス 

2007-03-23 | 猫の海外暮らし
アイツら、外のどっかでラグビー観てきたらしい。ラグビーは家で見ろよな、テレビで。
そうすりゃ、おいらは観てる間ずっとナデナデなんだぜ。
外じゃダメだ、外じゃ。
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家にガスってもんが来た。
これがあるとシャワーが気持ちよくなるらしい。電気じゃダメなんだと。
キレイにするには舐めるのが一番だけど、二本足はしないからね。
ジャージャージャージャー、いつでもシャワーだ。自分でキレイにしてみろよ。

「あ~、気持ちいい。やっぱお湯が違うよな~。どうだい?ピッピ、たまにはシャワーでも浴びてみないか?気持ちいいぞう。」
真っ赤になってシャワールームから出てきた連れ合いはご機嫌だ。ヤだね。いちいちこっちに振るなよ。おいらにゃ、関係ないんだからさ。水は飲むもの。頭からかけるもんじゃない。

ガスが来る前、ガスをつけた所にあった木を、あいつらは別の場所に持ってった。
「なにしてんのかね~?」
おいらは通りすぎただけだったけど、隣のシィンはその辺をウロチョロウロチョロ。
気になるみたいだった。

(←この箱がガスなんだと。前はこの下にも木があったんだ)

木が2本、庭の端っこに引越した。アイツはシャワーみたいにジャージャー水をかけた。
また水か。ホントに好きだよな。木は動かないし、ずっと立ってるだけ。草みたいにおいらたちが喰って吐いて、お腹に溜まった毛玉を出したりすることもない。
まっ、おいらにとっちゃ、関係ないもんだ、と思ってた。
暑いときにその下で寝ると気持ちのいいデカい木もあるけど、アイツらが動かしたのはもっとずっと小さい木だったし。

ところが、関係あったんだ。
引越した木の下には土が出てる。アイツらが掘ったり埋めたりした後だからね。
「いいじゃんか、これ。」
最初に気が付いたのはおいらだった。すぐにそこでトイレをしてにおいを残した。

ニュージーランドは庭に出られて、トイレなんかどこでもし放題。
庭全部、ついでに隣のシィンの庭もトイレと言えばトイレだ。だからどこでトイレするかなんて全然問題じゃない、と思うだろ?
ところが、そうじゃないんだ。

庭はどこも芝だらけ。だから、どこでもってわけにはいかないんだ。
おいらたちは前にも言ったように、トイレのあとはカリカリカリってやる。
だから断然、土や砂の上がいい。芝じゃ、うまくカリカリできないのさ。
土が出てる場所ってそんなにないから、見つけたらすぐにマーキング。

「ここはおいらのトイレ。」
ってね。

すぐにアニキが気が付いて、もう1本の木の下にマーキング。まっ、アニキならいいぜ。
ところがウロウロしてた、子ネコのシィンまで気が付いて、木の下でトイレするようになったんだ。おいおい、マネすんなよ。自分ちでしろよ。おいらを見ると逃げてくくせに。

(「ネコたちがトイレしてくれて木が元気になるかも!」と喜んでるのはアイツぐらい。それどこじゃないんだぜ!→)


ちぇ。ガスのせいで、とんだとばっちりだ。

(おいらとシィン。庭でご対面だ。年寄りだと思ってナメんなよ!→ホントに年寄りだけど→)(つづく)

Vol.0235■猫ホームヘルパー3級

2007-03-21 | アニキ物語
昼ミンミン鳴いてた虫がずい分減った。
夜キリキリコロコロいろいろ鳴いてる虫もちょっと減ってきたな?
そういや、ノミもいなくなった。
夏が終わったってことか。
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最近のアニキ、調子いいぜ。
アイツらがけっこう見張ってるからな。ここんとこあんまり出かけないんだ。
代わりよく二本足が来る。でも友だちじゃなくて、家の周りを一緒にウロウロしたり、
しゃがんで芝になんかかいてたりする。家をどうかするらしい。
まっ、引越しじゃなけりゃなんでもいいよ。おいらにゃ、関係ないさ。

でも、糖尿病のアニキへの「喰え喰え攻撃」は相変らずだ。
インシュリンを打っても喰わないと倒れちゃうからね。
「目パチパチしてない?」
「スフィンクス座りしてない?」
「これってただ寝てるだけ?それとも???」
と、まぁ、うるさい。うるさい。
ちょっと寒くなってきたからね、そのうちガツガツ喰うようになるんじゃないか?

だけど、待てないのが二本足。なんでもすぐに思い通りにならないとヤなんだ。
アニキにも今すぐ、目の前で、いっぱい喰ってほしんいんだ。
ボールが空になってても、おいらが喰ったのかアニキが喰ったのかわかんないとヤなのさ。
そんなのにおいを嗅げばすぐわかるのに。自分たちの鼻がワルいもんだから、見てるとこで喰ってほしいんだ、アニキにはね。おいらじゃない。

で、連れ合いが始めたのが、ご飯の入ってるボールを寝てるアニキの目の前に突き出す、っていうやり方。目が覚めてビックリしたアニキはボーっとしたまんま喰うんだ、これが。
「やっぱりチャッチャはネコがいいね。」
と連れ合いは大喜び。
「お腹空いてたんだろ?」
とかなんとか言いながら、ひつこく何回もやる。

アニキだってそんなには喰えないさ。一口二口喰ったら止める。
でも、連れ合いは喰ってくれればウレシいので何回もやる。
「ほらほら、また食べてる。おいしいかニャン?」
とか、アイツに自慢しながらね。

「おいしいかニャン」たって、出てくるものはおんなじじゃないか。
毎日聞くなよな。
これで、連れ合いは
猫ホームヘルパー3級
ってことになった。アイツがそう決めたんだ。なんだそりゃ?
(つづく)

Vol.0234■家の下のクルマ

2007-03-16 | 猫の海外暮らし
なんか急に寒くなってきた。ずっとアニキとは違う部屋で寝てたけど、ここんとこくっついて寝てる。
「また仲良しになったのね。」
って言われてるけど、どうでもいいんだよね、そういうのはさ。
(おいおい、またおいらが切れてるんだけど、この写真→)

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最近、「ちぇ」って思うことがあった。

アイツらがこのドアを閉めちまったんだ。
このドアは家の下についてて、引越してきてからずーっと開けっぱなしだったんだぜ。
だから、おいらやアニキ、近所の四つ足まで出入り自由だったのさ。

でも、閉めちまった。
閉まったらもう四つ足には開けられない。入れないってことさ。
ちぇ。

なんで閉めたかというと、この中にあったゴミを捨てたからなんだ。
ゴミったって、すごいゴミだぜ。クルマなんだから!
なんで家の下にクルマがあったのかね?
アイツらだってわかんないんだから、おいらにわかるわけがない。
とにかく、ずーっとずーっと前にここに住んでた二本足が、バラバラにしたクルマを家の下に置いといたのさ。

バラバラだから動かない。ずーっとそこにあるだけのクルマ。おいらたちは引越してきてすぐに家の中を探検して回ったから、クルマがあるのを知ってた。でもアイツらは知らなかった。(←こんなもんとか、ね。)

しばらくして、家の下に潜った連れ合いが見つけて、
「クルマがある!」
って大騒ぎになったんだ。

でも、騒いだだけでなんにもしなかった。あの小さいドアも閉めなかった。
だから、おいらもクルマのことは忘れて、あんまり家の下にも行かなくなった。
外にいるとき雨が降ったら雨宿りができる、もっといい場所も見つけたしね。

ところが最近になって、アイツらは急に家の下に潜ってクルマを引っ張り出したんだ。
ドアが出てきて、
クルマの前の、おいらたちが乗っかって昼寝ができるようなとこが出てきて、
椅子が出てきて、
窓が出てきて、
二本足がいつも必死でつかんでる丸いものが出てきて、
黒いクルマの足みたいなものとか、他にもいろんなものが出てきた。

アイツらは4人でフーフー言いながら外に運んで、全~部捨てたんだ。
よくわかんないけど、外にゴミを捨ててもいい日らしくて、家の周りはどこもゴミだらけ。
捨てられる日が来るのを待ってたらしい。そしてドアが閉まったんだ。
閉まるとなんだか口惜しい。そんなに行ってなかったのに。
近所の四つ足も入れないのは、ちょっといい気味だけど。
(つづく)

(アイツが書いた他のゴミの話はコッチコッチから)

Vol.0233■二本足にもノミ取り首輪

2007-03-14 | 猫の海外暮らし
きょうは、すんげぇ雨だった。こういうときはね、家でトイレだ。
濡れてまで外でしないさ。あとはベッドに帰って寝るだけさ。
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ちょっと前だけど、アイツが新聞を読みながらゲラゲラ笑ってたんだ。
なにかと思ったら、「スカイシティー」ってとこにカジノってもんがあるらしい。
もちろん、おいらは行ったことも見たこともないけど、二本足が遊ぶとこらしい。
(なーんだ。新しい年になったときドンパチやってたアソコのことか→)
そこにノミがいるんだと。

遊ぶとこだけど、ずっとそこにいなきゃいけない働いてるヤツがノミに刺されて大変なんだとさ。
そりゃ、そうだろう!
ノミときたら二本足がクルマに乗るみたいに、ひょいひょい乗ってくるからな。
刺されるとかゆいのは二本足も四つ足もおんなじさ。ただ四つ足は二本足みたいに大騒ぎしたり、薬を塗ったりしない。舐めて治すのさ。あとは我慢。

刺されたくなければそんなとこに行かなきゃいいのに、そうはいかないのか?
で、困った二本足のなかには、ノミ取り首輪を足に巻いてるヤツがいるんだとさ。
ほらな、やっぱりいるんじゃないか、こういうヤツ! よく聞けよ、連れ合い。

ニュージーランドの最初の夏は、おいらたちも二本足も初めてのノミにまいった、まいった。
あれは大変だったぜ。とにかく外に出るとノミがくっついてくるんだ。
でも、外に出ないわけにいかないだろ? 

連れ合いはおいらたちのせいでノミに刺されたと、文句タラタラ。
「ノミ取り首輪をしろ!」
だの、
「シャンプーしろ!」
だの、おいらたちにあれしろ、これしろ。

首輪はホントにやられて、まいったぜ。ひどいにおいなんだ。
すぐにアイツが外してくれたけど、気持ちワルくて吐くほどだった。
「そんなに噛まれたくないなら、自分でノミ取り首輪を巻いてりゃいいのに。」
と思ったけど、連れ合いは巻かなかった。でも、二本足でも巻いてるヤツ、いるじゃないか!
いいじゃないか、それで。

まっ、用がなけりゃ、カジノなんて行かない方がいいんだろうな。
(きょうは雨だからこんな感じに見えんだぜ→)

(最初の夏のおいらたちのノミ騒ぎはコッチから。今はいい薬を塗ってるから大丈夫さ!)

Vol.0232■ネコトイレ

2007-03-09 | 猫の海外暮らし
夜はちょっと涼しくなってきたかな?だからよく寝られるんだ。
昼は相変らず暑いぜ~。だからやっぱりよく寝られるんだ。
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前においらたちのトイレの話をしたよな? もうちょっとその話をしよう。

ニュージーランドに来る前に住んでた香港じゃ、外に出られなかった。
エレベーターとかいう箱に入んないと外にも行けない、ヘンな家に住んでたんだ。
あの箱が恐ろしくてね~。思い出すだけでもゾッとするよ。

今の家は箱に入んなくても庭に出られるから、トイレはだいたい外だ。
でもアイツらが出かけたり寝たりすれば家でするしかない。ドアが閉まってるからね。

そんなときはトイレを使う。トイレは穴の開いた箱と開いてない箱が重なってできてる。

というか、ニュージーランドに来てからアイツがこうやって作り始めたんだ。
(穴の開いた箱に入って適当な場所にシャ~。アニキは何回も向きを変えたりするけど、おいらはどこでもいいんだ→)

上にある穴の開いた箱に入ってトイレをすると、オシッコは穴から穴のない箱に落ちる。
箱と箱の間にはアイツらがいつもジーっと見てる字がいっぱい書いてある紙、新聞っていうんだろ?それが敷いてあるからそこにしみてくんだ。
おいらはにとっちゃ、新聞はトイレってこと。
(終わったらよ~くにおいをかいで・・→)

ネコ砂は、上の穴の開いた箱に入ってるから、終わったらちょっとカリカリってやる。
オシッコは流れちゃってるから、砂はあんまり濡れない。
で、アイツは新聞を引っこ抜いて別のと取り替える。
(カリカリカリってやる。四つ足のたしなみだからね。えっ?意味ないって?まっ、そう言うなよな。においはするけどオシッコは新聞にしみてるから砂はそんなに汚れない→)

「いいアイデアだ!」
とアイツは思ってる。
(もう1回クンクン。またカリカリするときもあるけど・・・→)

二本足は鼻がワルいから新聞を取り替えて、濡れたネコ砂だけ捨ててれば、
「トイレはいつもきれい。」
って思ってる。砂をたくさん使わなくていいし、トイレも毎日は洗わなくいい、ってことらしい。

でも、四つ足は鼻がいいんだよ。二本足とはぜんぜん違う。
(きょうはもういいや。おいらもめんどうくさいしね。1回でもう出ちゃお→)

「トイレはくさい。毎日洗えよ。」
って思うけど、しょうがない。外に出られなきゃ家でするさ。雨が降ってるときは便利だしね。

香港にいたときは「固まる砂」ってのがあって、オシッコで濡れると砂がパッと固まってボールみたいになる。それをポンポン捨てるだけだった。でもニュージーランドの砂は固まらないんだ。だからこんなことを始めたみたいだぜ。

おいらは断然外がいい。だけど、ネコがいいアニキはそうでもないみたいなんだ。
外から血相変えて帰ってきて、トイレへ一直線。シャーっとやってすっきりしたら、また庭に走って戻り、見回りの続きをしてたりするぜ。

そんなときアイツは、
「チャッチャ~、なんでわざわざ帰ってくるのよぉ。外でしといでよ!」
って文句を言う。文句を言われたアニキは、かわいそうに、きょと~んとしてるぜ。
トイレでトイレしてなにがワルいんだよ。
勝手に用意して、ここでしろって言うくせに。まったく二本足はわかんないよな。
(つづく)

Vol.0231■アニキ、再びⅩⅡ 

2007-03-08 | 猫の病気
アニキは元気にしてる。ケットウチさえ下がんなきゃ、おいらとおんなじさ。
昼間はグーグー寝て、ときどきなんか喰って、夜は見回りが終わったらグーグー寝る。
これが一番いいんだ。
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糖尿病でケットウチが下がってフラフラになっちまったアニキは、吐いて、オシッコして、水みたいなウンチをして、腹の中が空っぽになった。

「もうすぐ10時よ。問題に気付いたのが6時だから、かれこれ4時間!今までで一番長いわね。しかもまだ食べ始めないし。」
「トシとともにワルくなってるのかな?」
アイツらがボソボソ話してる。

アニキはスタスタと部屋に戻って、アイツが作った小さなベッドに入った。
弱ってるときは二本足のデッカいベッドよりもこういう小さいベッドがいいんだ。なんでかな?
背中がくっつくようなところで丸くなって寝るんだ。おいらもガンのときはそうだった。
今は元気だから、ぜんぜん作ってくれないぜ、おいらのベッドなんて。

アニキは寝だした。すぐにぐっすりだ。いびきもかいてる。疲れたんだろう。
おいらが外に出て戻ってきてもまだ寝てた。雨が止んでるのも知らないだろうな。
寝られるのはいいことだ。ホントに苦しいと寝られないんだ。
元気になるのを待つには寝るのが一番なのさ。

連れ合いが先に寝て、アイツだけが起きてた。パソコンをカタカタやってる。
おいらは小さい子の部屋で寝てた。
「あれ?」
アニキの頭のテレビがついてる!
歩いてる。においをかいでる。喰ってる!
違う部屋にいてもテレビがつけば、アニキがなにしてるのかわかるのさ。

「チャッチャ~!!!」
アイツも気が付いた。1人でデカい声を出してるぞ。
「6時間よくがんばったね~。もう12時すぎよ!」
長い長い時間ってことだろう。
「もう大丈夫ね?ひとりで食べられるんだから。よかったね。ホントによかったね。ありがとう。」

アイツは寝た。アニキも寝た。アニキの頭のテレビが消えて、おいらも寝た。
朝になったらいつもどおりだろう。いつもと同じなら、それが一番いい。
ずっとアニキの話だったけど、この話はこれでおしまいだ。
(おさわがせしましたニャン→)

おいら?おいらは元気だぜ。
(つづく)

Vol.0230■アニキ、再びⅩⅠ

2007-03-02 | 猫の病気
アニキのケットウチが下がったときのことを長々と話してるうちに、また大変なことになった。おいらもビックリでずっと見てたよ。近所の四つ足まで来てドアの外で鳴いてたくらいだ。
このことはアイツが話してるから、コッチでどうぞだニャン。
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ケットウチが下がって大変なことになった糖尿病のアニキ。
吐いたり、連れ合いに抱かれたまま上に向かってオシッコをしたり、そのたびにアイツらはドタバタドタバタ。タオルやトイレにある紙を持って走り回ってる。

今回はけっこうすぐに歩けるようになったんだけど、なかなか頭の中のテレビがつかない。
やっぱりなんかヘンだ。いつもと違う。ケットウチを上げるためにアイツらが何度も砂糖水を飲ませてるのに、なかなかよくならないんだ。
もうアニキの顔の周りは固まった砂糖でガチガチなんだぜ。

水やご飯が置いてある廊下でウロウロしてるから、また水を飲むのかと思った。
でもおいらはそのまま隣の小さい子どもの部屋に入った。
いくら四つ足でも夜中ずっと起きてるわけじゃない。やっぱり眠いさ。
どっこらしょ、とベッドに上がったとき、
「キャ―――」
とアイツの声。今度はなんだ?

スゴいにおいがしてきた。
今度はウンチだ。しかも水みたいなやつ。見にいかなかったけどにおいでわかった。
でも、アニキはちゃんとトイレでした。
廊下をウロウロした後、おいらたちのトイレに入ってしたんだ。
スゴいだろ。頭の中が真っ白でも、四つ足はこういうことができる。
ホントにきれい好きなんだぜ。

ただ問題は、トイレに入ってふちに足をかけたまではよかったんだけど、
向きがね、反対だったんだ。
いつもはトイレの中に向かってするんだけど、それが外向きだったんだ。
だからね、壁がね・・・。においも広がるわけさ、水みたいなんだから。

「よかった。今度はタイル直撃で。」
って言いながらアイツがせっせと掃除してる。汚してもおこられない。
そうなんだ、ケットウチが下がったときは、だいたいいつも吐いて、オシッコして、水みたいなウンチをする。これでアニキの腹の中は空っぽってことさ。もうなんにも出ない。喰ってないんだから。

あとは喰い始めるのを待つだけ。
だからバスルームがスゴいにおいになってもアイツはうれしいのさ。

(これがおいらたちのトイレ!ブログに出るのは初めてじゃないか?アニキはふちに足をかけてするのが好きだけど、おいらは中にすっぽりが好きなんだ。アニキが見てても平気。
四つ足だからね→)

(つづく)