シロ猫ピッピの「おいら物語」

生死をさまようガン闘病中に人間の言葉がわかるようになったシロ猫ピッピの物語。ニュージーランドからお送りしています!

Vol.0324■虹の橋

2007-09-25 | 最後のメッセージ
おいらが死んで1週間経った。
長くて短かったな。
ここにいられる最後の時間になってきたよ。
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「ピッピ、ニジノハシっていうところがあるから、必ずそこで待ってて。ピッピは賢いから、きっと見つけられるわ。いつかチャッチャもママもパパも、みんなそこに行くから、それまで待ってて。ママ、絶対の絶対にピッピを見つけるから、ピッピもママのこと見つけてね。また、みんなで逢おう。みんなで家族になろう。今度はずーっとずっと一緒で、もう離れないよ。必ず待ってて!」

あの大騒ぎの日、アイツはワーワー泣きながらそう言った。
ニジノハシの話は前にもアイツがしてたことがある。死んだ四つ足と死んだ二本足が逢うとこなんだ。そこで一緒になって、テンゴクってとこに行くらしい。

そこには四つ足がいっぱいいて、みんな二本足が来るのを待ってる。
病気だった四つ足もケガをしてた四つ足もみんな元気になって、仲良く遊んでるんだってさ・・・
いかにも二本足が考えそうなことだよな。四つ足がみんなと仲良くだって?それじゃ、四つ足じゃないって。

でもね、アニキに逢えるってのはいいな。まっ、ひつこいアイツらのことだから絶対おいらを見つけるだろうけどね。アイツらがあきらめるわけないだろ。
「ピッピィィィィィ!!!!」
って、みんなが振り向くくらいデカい声を出しながら走ってきそうだな。
それもワルくないぜ。また、ふたりと2匹に戻るんだ。初めて会ったシンガポールのときみたいに。

待つのは慣れてる。
二本足の1日はおいらたちの4日だからね。

まだ小さかったころは、アイツらが起きてくるとホントにウレシかった。
朝だ、朝だ、朝だ。おはよ。おはよ。おはよ。

でもアイツらは、
「わーん、時間がな~い。わー、ネコたち邪魔邪魔・・・」
とか言いながら、バタバタバタバタ着替えたり、顔になんか塗ったくったり。すぐに、
バ―――ン
ってドアが閉まって、
ガチャガチャガチャ
ってカギの音がして、あとは、
シ―――ン
行っちまったんだ。

やれやれ。おいらとアニキはそれから待つんだ、2日間。

寝て起きて水飲んで、また寝る。起きて飯喰ってちょっと追っかけこして、また寝る。
そんなことを何回もしてると、
ガチャガチャガチャ
ってカギの音がする。
バ―――ン
ってドアが開いて、アイツらだ!
夜だ、夜だ、夜だ。おかえり。おかえり。おかえり。

でもアイツらは、
「わー、もうクッタクタ。お腹いっぱいだし、ネコたちおやすみ~♪」
とか言いながら、部屋に入っちまう。あの頃のおいらたちは夜のほうが元気で一緒に寝かせてもらえなかったから、
バ―――ン
ってアイツらの部屋のドアが閉まると朝まで開かなかった。

やれやれ。おいらとアニキはそれから待つんだ、2日間。

だからね、待つのは慣れてる。大丈夫だ。
先に行って様子を見とくよ。

(←ニジってコレだろ?見つかるさ、きっと。)
(たぶん、つづく)


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